連休、市民が外に集まりすぎないようにスマホで位置情報の監視へ ノルウェー
冬が終わりを告げ、ぽかぽかとした春の陽気が続く4月。5日から13日まではイースター(復活祭)で長い連休をとる人も多い。
できるだけ家で時間を過ごすように言われて、およそ4週間が経過するノルウェー。「気晴らしに」と、外で日光浴や運動をする人もいる。
本来、イースター休暇は山や国外旅行に行く傾向があるが、政府は市民が大好きな山小屋への宿泊を規制した。
公共局NRKによると、20人中9人のノルウェー人が、今年は自宅でイースターを過ごす予定だ。
同じ場所に人が集まりすぎないためにはどうすればいいか? 各地自体は対策を考えている。
オスロ市議会のヨハンセン知事(労働党)は、もし市民が特定の場所に集中しすぎている場合、携帯電話にSMS(ショートメッセージ)を送信して、分散するように注意喚起をすると6日に発表した。
特別な技術を使い、市は各地域の携帯電話の動きを時間ごとに監視すると発表。赤十字社などのボランティア団体や市の機関とも協力し、警備員も配置する。
ネット市民からはこのような声が投稿されていた。
- そういう風に監視するなら、家に携帯電話を置いて、散歩に行きます
- まるで北朝鮮だ
- 感染を広めているのは首都の人だから、文句は言わないで
- 政府の指示を市民が聞かないなら仕方がない。気を緩めたら、新しい感染の段階に入ってしまう
6日には私のスマホにノルウェー保健局からもメールが届いた。
6日、ノルウェー政府のホイエ保健大臣(保守党)は記者会見で、規制対策の効果で感染率は抑えられており、「新型コロナは政府のコントロール下にある」という大胆な発言をした。
政府によると、さまざまな規制対策が出される前までは、感染者はウイルスを2.5人にうつしていたが、規制が出されてからは、その数は0.7人となっている。
ノルウェー公衆保健研究所は「規制対策の効果だ」と認めているが、どの対策に実際に効果があったのかはわからないと話している(公共局NRK)。
この発言はデンマーク、スウェーデンなど、隣国の北欧諸国でも報じられた。
イースター連休の前に、政府が大胆な発言をすることで、市民が安心してしまい、気が緩んでしまうのではという指摘もある。
Text&Photo: Asaki Abumi