雨の甲子園、首位・中日に先発全員安打を浴びて敗戦《6/25 阪神ファーム》
きのう25日は甲子園でのウエスタン・中日戦。前日は午後の天気予報がかなり悪かったこともあり、雨が降り出して間もなくの11時過ぎに中止が決定したようです。そして予報通りの大雨が、午後も夜中も降り続き、きのうの朝まだ残っていたものの、さすが甲子園球場、さすが阪神園芸さん!何もなかったかのような素晴らしい状態で試合が始まり、まだ降り続いた雨にも負けず最後まで行われました。
傘を差し、カッパを着て、さらに肌寒さも感じられる中で最後まで応援してくださったお客様。しかし…1回に2点を失いながら2回以降はほぼ完ぺきに抑えたのですが、後半に入って守屋投手が7回に満塁の走者を一掃する二塁打を浴びるなど全部で6失点。中日は先発全員の11安打でした。こちらは8回に相手エラーで1点返しただけです。
これで3連敗。今週は雨天中止が2つあり、行われた3試合をみんな落としています。得点は21日のソフトバンク戦(タマスタ)が0点、23日が1点、きのうの中日戦(甲子園)が1点。23日の1点も相手エラーでもらったものです。きのうは、横田選手の打球がエラーを誘ったとはいえ、3番から6番が4人揃ってノーヒットでした。中日の3本を上回る4本の二塁打を放ったのに、タイムリーが出ませんねえ。
《ウエスタン公式戦》6月25日
阪神-中日 15回戦 (甲子園)
中日 200 000 310 = 6
阪神 000 000 010 = 1
◆バッテリー
【阪神】●秋山(6勝1敗)-守屋-金田-島本 / 坂本-小豆畑(8回~)
【中日】○小熊(2勝1敗)(5回2/3)-セプティモ(2回1/3) / 木下
◆二塁打 神:坂本、緒方、上本 中:遠藤2、森野、藤井
◆打撃 (打-安-点/振-球/盗塁/失策) 打率
1]左:上本 (4-1-0 / 0-0 / 0 / 0) .319
2]指:緒方 (3-2-0 / 1-0 / 0 / 0) .250
〃打指:小宮山 (1-0-0 / 1-0 / 0 / 0) .292
3]中:江越 (4-0-0 / 0-0 / 0 / 0) .211
4]右:横田 (4-0-0 / 1-0 / 0 / 0) .275
5]三:陽川 (4-0-0 / 2-0 / 0 / 0) .328
6]二:板山 (4-0-0 / 0-0 / 0 / 0) .212
7]一:西田 (4-2-0 / 0-0 / 0 / 0) .194
8]捕:坂本 (2-2-0 / 0-1 / 0 / 0) .214
〃捕:小豆畑 (1-0-0 / 0-0 / 0 / 0) .083
9]遊:植田 (2-0-0 / 0-1 / 0 / 0) .078
◆投手 (安-振-球/失-自/防御率) 最速キロ
秋山 5回 66球 (5-6-0 / 2-2 / 2.28) 140
守屋 2回 34球 (4-2-1 / 3-3 / 2.48) 148
金田 1回 22球 (2-0-0 / 1-1 / 3.86) 151
島本 1回 7球 (0-0-0 / 0-0 / 5.44) 142
試合経過
秋山は1回、先頭の友永を左邪飛(上本がスライディングキャッチ!)に打ち取ったあと、石川と遠藤に連打されて二、三塁とし、4番の森野に真っすぐを右前タイムリー。藤井は三振で2死一、三塁として続く近藤の内野安打(サードの後ろで植田がよく捕るも一塁セーフ)で、もう1点入ります。2回は2死から友永に右前打されたものの、石川は三振で無失点。そこから3回、4回、5回と完璧に抑えました!
ついで守屋が登板。6回は1死後に森野の二塁打を浴びますが、藤井を見逃し三振で無失点。ところが7回、先頭の阿部に左前打、犠打のあと9番・古本に左前打され、2死一、三塁。2死を取ってから石川に死球を与え満塁、続く遠藤に初球を右中間へ運ばれました。走者一掃の二塁打で5対0です。
8回は金田が先頭の藤井に三塁線を破る二塁打、内野ゴロ2つで2死三塁となり、8番・木下の中前タイムリー。もう1点追加されています。9回は島本がわずか7球で三者凡退でした。
打線は1回に緒方が左前打したものの江越は併殺打。2回は三者凡退。3回は1死から坂本が右中間二塁打を放ち、植田の四球などで2死一、三塁としますが得点なし。4回は三者凡退。5回は西田と坂本に連打が出たんですが、やはり無得点。6回は先頭の緒方が二塁打しただけ。7回に2死から坂本が四球を選び、ここで中日・2人目のセプティモに交代し、レガースなどを付け替えて右打席に入った植田でしたが遊ゴロで終了。
そして6対0となった8回、先頭の上本が左翼線に二塁打を放ち、代打・小宮山は三振。江越の一邪飛で上本は三塁へ。次も横田は三ゴロ、と思いきや途中からサードに入った三ツ俣がエラー。この間に上本が生還して、ようやく1点を返しています。なお横田は二盗失敗で1点止まり。9回は2死から西田が左前に落とすヒットで出るも、小豆畑は二ゴロで試合が終わりました。
バッターを抑える術が必要
秋山投手に話を聞くチャンスは、たぶん3度ほどあったのですが…タイミングを外してしまって。すみません。久保投手コーチの総評をご紹介します。「調子自体、ボール自体よかったから、もったいないですね。勢いで突っ込んでしまった。もう1球ボールを投げられる頑張りが必要かな」と1回1死二、三塁で迎えた4番・森野選手の打席を振り返りました。
「バッテリーとも若いというか。いいボールが来ると、次を求めてしまう。4番を打った森野の実力は周知のことで、少し甘いインコースが非常に強いバッター。調子の良さに乗っていった甘さ、青さ。1球どこかでボールがあれば変わる。守屋もそう。(6回)森野にいい追い込みしといて、外にいったフォークの抜け球をカポンと二塁打だからねえ」
そこから守屋投手へと話題が移っていきます。上記の二塁打は次の藤井選手を見逃し三振に切って取りながら、7回は2死一、三塁で死球を与えて、続く遠藤選手に初球の真っすぐを打たれました。「デッドボールのあとインコースへ投げるのが、どれだけ難しいか。様子見で変化球で入るとかしないと。1球の駆け引きが違う。それがファームかなあ」と久保コーチ。
「守屋は1軍でいい球を投げるようになった。なったけど、その辺がちぐはぐ。いいボールを投げて、いい攻め方をすることが必要ですね。バッターを抑える術を持たないと。その指導を我々がしていかなくちゃいけませんね。もちろん自分自身を伸ばしていく“速度”も上げてほしい。でないと追いつけないから」。つまり、同じ努力を誰もがしている世界なので、同じではダメ。速度を上げて追いつき、追い越してほしいということです。
中継ぎでの課題は2イニング目
では守屋投手のコメントをご紹介します。24日の先発予定が中止となり、中継ぎで2イニングでした。7回は「先頭(阿部選手)は真っすぐを完ぺきに打たれた」と言います。2死一、三塁から死球、そして走者一掃の二塁打。「厳しいところを攻めようと、最悪はデッドボールでもと思って投げたので。だから(二塁打は)引きずって打たれたわけじゃないです」。降り続いていた雨も関係なかったとのこと。
また6回は「森野さんにフォークを打たれたので、フォークで抑えたかった」と、坂本選手のサインに何度か首を振って投げたフォークで藤井選手を見逃し三振。ただし「高めからストライクゾーンにいってしまったので、あれはラッキーな三振です。狙い通りではなかった」と本音も聞かれました。
ボール自体はいいですね。「うーん。1イニング目はいいのに、2イニング目がよくない。球威が落ちますね。1軍でもそうでしたが、先発でやっていたから力具合がちょっと…。1イニング目で力み過ぎてしまうんですかね。先発だったら調整できるのに。だけど、先発でも中継ぎでもいけますと言っている以上、しっかりしないと」。悩みは尽きないようです。
自然体で、彼らしいヒット
5回と9回に左前打を放った西田選手「ヒット、よかったです。2本目はたまたまですけど」。でも、しっかり振り切ったから、レフトの前に落ちたわけですもんね。「鳴尾浜での練習でマシンを打っていて、いろんな打ち方をしてみました。タイミングとか試しながら打って、なんかこうカチッと決めるんじゃなくて、ゆったり自然体で思うままに打ってみようと思ったんです。きょうはそれで自然にタイミングを取れていたんで」
もう少し詳しく説明してくれました。「1、2、3で打つ、その“2”をできるだけ長く取って、ボールを長く見る。それだけを考えています。“2”で早くいってしまうと、左足の溜めがなくなるから。ボール球も、今まで追いかけていって見逃していたのが、きょうはじっくり力を入れて待てました」。1年目のシーズンはそんなふうに打てていたような気も。
マルチ安打は5月26日の中日戦(ナゴヤ)で、右越えの2点タイムリー二塁打と右前タイムリーを放って以来。1ヶ月ぶりですね。その間、スタメンどころか途中出場すらなかった試合もありましたが、変わらず練習に取り組んでいます。「遠征の残留で、トレーニングする時間もあったからよかった」。1軍に行った選手にもファームにいる選手にも、負けてはいられません。「続けていきます。頑張ります!」。結果が出ればチャンスはある。それが今季です。
打つこと+チームの勝利を
坂本選手は初のマルチ安打でした。しかし「打つ方はよかったですけど、チームの勝ちに結びついていないので…」と浮かない表情。「分けて考えれば、打つ方はよかったということになりますが、キャッチャーをやってる以上はチームが勝たないと」と繰り返しています。
とはいえ「バッティングは、かなり監督やコーチの皆さんに見てもらっているので。何とか結果を出して応えられたかなと思います」と言ったあとで「それプラス、チームの勝ちにもこだわっていかなきゃいけないポジションなので」と続けた坂本選手。やはりキャッチャーとしての仕事が一番だという気持ちが伝わってきますね。
島本投手にも少しだけ聞いいています。9回1イニングを7球で三者凡退に片づけたけど、調子自体は前回とあまり変わらないとか。前回というのは23日のソフトバンク戦のことです。1対1の7回に登板し、2四球と1安打で2死満塁として降板。代わった鶴投手が三塁打を浴びて島本投手が3失点で負け投手になりました。「前回がダメだったから、きょうはリードされているところで。ダメでも使ってもらってありがたいです。次も抑えます!」
大先輩の背中を見て頑張ります!
最後に緒方選手。緒方選手もマルチ安打ですが「競争が激しく、外野も多いので打たないと出番がなくなる。出してもらえる試合は結果が欲しいですから」とのこと。この日、非米通算2000本安打を達成した高校の先輩・福留選手について「すごい、しかないです。僕が何かを言えるようなレベルじゃないですけど、とにかくすごい。大先輩の背中を見て、しっかり頑張りたいです」と話していました。
そして「1軍、2軍とも競争が激しいので、置いていかれないように頑張ります。中谷もホームランを打っていますしね。次に呼ばれるようしっかり準備をしておきたい」と、気合いを込めています。緒方選手はことし、厳しい顔つきを見せることが多いですね。試合中も練習中も、それ以外の時にも。この日語った言葉が、言葉だけではないということでしょう。そんな緊迫感です。