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早稲田大学はどうしたのか? 山下大悟新監督が語る。【ラグビー旬な一問一答】

向風見也ラグビーライター
現役時代はサントリーの一員として日本選手権で母校と対戦も(写真中央が山下監督)。(写真:アフロスポーツ)

早稲田大学ラグビー部では、今季から山下大悟監督が就任した。チームは大学選手権で歴代最多となる15回の優勝を果たしながら、2008年度を最後に王座から遠ざかっている。

現在35歳の山下監督は、学生時代、清宮克幸元監督(現ヤマハ監督)のもと2002年度のキャプテンを務め、大学日本一に輝いた。サントリー、NTTコム、日野自動車でのプロ生活を終えて現職に就き、アシックスなど他業種企業とのパートナーシップを締結して注目を集める。

グラウンド内ではセットプレーと組織守備の強化に注力も、初年度の関東大学春季大会グループBでは5戦中1勝4敗と苦しんでいる。全国屈指の人気クラブが足踏みするなか、指揮官は何を思うか。単独取材に応じている。

語ったのは6月19日、埼玉・熊谷ラグビー場。この日は春季大会4戦目をおこない、トンガ人留学生を擁する大東文化大学に10―68で屈していた。

以下、山下監督の一問一答の一部(全て当方質問)。

――まず、大東文化大学戦を振り返って。

「点数が開いたので、完敗は完敗です。最初、風下から勇気を持って攻めて、点を取り切れなくて、その後、アンラッキーな形(単発)で一気に点を取られた。いまのワセダは、この後に我慢がしきれない、ということ。(劣勢から)建て直せない精神的なもろさが出たと思います」

――注力していたディフェンス。相手の太ももを掴んで倒すタックルなどは見られましたが…。

「ただ、その後に順目へまくる(周りの選手が相手の攻撃方向を生めるよう守備列を作る)のが遅かった、というところはありました。総じて、自信のない部分が我慢のできないところに繋がっている」

――以前、「春季大会ではディフェンスだけを観る」と仰っていましたが。

「点数を取られている試合が多いので、結果としてはできていない。僕も、選手たちも、認識が甘かったということです。準備の過程での想定が甘く、そうさせているのは僕。(春の間は)何とか自信をつけさせてやろう…という思いを持っていましたが、もう、関係ないですね。とことん、やります」

――スタンドオフの岸岡智樹選手ら、1年生がレギュラーとなっています。

「これは書いて欲しいんだけど、1年生がもっとイニシアチブを取って欲しい。彼らは、当たり前のことを当たり前にできる選手たち。これからが楽しみですね」

ラグビーライター

1982年、富山県生まれ。成城大学文芸学部芸術学科卒。2006年に独立し、おもにラグビーのリポートやコラムを「ラグビーマガジン」「ラグビーリパブリック」「FRIDAY DIGITAL」などに寄稿。ラグビー技術本の構成やトークイベントの企画・司会もおこなう。著書に『ジャパンのために 日本ラグビー9人の肖像』(論創社)『サンウルブズの挑戦 スーパーラグビー――闘う狼たちの記録』(双葉社)。共著に『ラグビー・エクスプレス イングランド経由日本行き』(双葉社)など。

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