「日韓合意」後も止まらない韓国の「日本製品不買運動」―最新世論調査結果
韓国世論調査会社「リアルメーター」が韓国の放送会社「TBS」の委託を受け、27日に全国有権者約500人を対象に行った調査結果を昨日(28日)発表したが、それによると、日本製品ボイコット運動に72.2%が今なお参加していることがわかった。「参加していない」は21.5%に留まった。
世代別では20代が最も高く81%、続いて40代(79.7%)、30代(75.2%)の順になっている。
地域別では与党「共に民主党」や「正義党」など進歩政党の地盤でもある全羅道が最も高く、80%。首都ソウルでも67%が「参加している」ことがわかった。また、保守層でも10人中6人が「参加している」と答えていた。
「リアルメーター」の日本製品不買運動に関する世論調査は7月に日本が対韓輸出厳格化措置を取ってから5回目となるが、これまでは9月18日の「参加している」65.7%が過去最高だった。今回はこれを約7%も上回る結果となった。
日本製品不買運動で最も影響を受けているのが日本産ビールで、8月は5千万円、9月はその約100分の1の59万円、そして昨日発表された日本の財務省統計によると、10月の対韓輸出額はゼロとなった。一年前は10月の輸出額は8億34万円もあった。日本のビールの対韓輸出がゼロとなったのは1996年6月以来である。
この年は、前年(1995年)11月に江藤隆美総務庁長官(当時)が「植民地時代に日本も良い事をした」と発言したことに国民が激怒し、金泳三大統領(当時)も「今度こそ、日本の悪い癖を叩き直してやる!」と拳を振り上げたことで「反日」に火が付き、影響を受けていた。
韓国での日本ビールの人気(輸入額)は2009年から今年の6月まで10年間、1位の座を占めていたが、7月以降は急降下し、現在は中国、オランダ、ベルギー、米国、ドイツ、デンマーク、ポーランド、チェコ、メキシコ、そして香港にまで抜かれ、11位に甘んじている。
また、日本製品不買運動のターゲットとなったカジュアル衣料品店のユニクロも韓国での売上高は持ち直している店もあるが、全体として大きく落ち込んでいるようだ。
与党の朴洸温議員が韓国のクレジットカード会社8社から提出を受けたカード売上高に関する資料によると、ユニクロの9月の売上高は91億ウォン(約8億5500万円)で前年同月比67%も減少した。大型セールを実施した10月1~14日の売上高も81億ウォンで前年同期比61%減となった。
また、日本車も不買運動の影響をもろに受け、韓国輸入自動車協会(KAIDA)が11月5日に発表した統計資料によると、10月の日本車販売は前年比58%減だった。不買運動が始まった7月は前年同月比17.2%減で済んでいたが、8月に入ると56.9%減、9月も59.8%減と、さらに落ち込んでいた。
(参考資料:「日韓財界会議」はGSOMIAで揺れる日韓を繋げられるか? 韓国経済界トップが語った会議の中身)
韓国の世論調査会社「コリア・リサーチ」が放送会社「MBC」の委託を受け、11月23日から24日にかけて全国の有権者約1千人を対象に行った調査では韓国民の77.6%が日本製品不買運動について「日本が態度を変更(輸出規制を撤回)するまで当分の間継続すべき」と回答し、「日韓関係改善のため中断すべき」は20.3%しかなかった。
「継続すべき」が国民の3分の2以上を占めていることから不買運動は少なくとも今年一杯は続く気配だ。
(参考資料:韓国国民の70%が「GSOMIA破棄中断」を評価! 世論調査で判明!)