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「フルトン逃げるんじゃねぇ!」WBC暫定フェザー級王座を狙う元WBA/WBCスーパーバンタム級王者

林壮一ノンフィクション作家/ジェイ・ビー・シー(株)広報部所属
(写真:REX/アフロ)

 2021年11月27日、米国ネバダ州ラスベガスで行われたWBCスーパーバンタム級チャンピオンのブランドン・フィゲロアと、WBO同級王者、ステファン・フルトンとの統一戦は、フルトンが2-0の判定勝ちを収めた。

 試合直後から結果に納得できないフィゲロアは、「勝ったのは俺だ!」と主張。勝利者インタビューを受けているフルトンに対しても、憤懣やるかたない思いをぶつけた。

Esther Lin/SHOWTIME
Esther Lin/SHOWTIME

 フルトン戦の半年前、あのルイス・ネリを7回KOで葬り、WBA/WBCの2冠王者となったフィゲロアは、昨年7月にフェザー級に上げて再起。そして、来る現地時間3月4日に前WBCフェザー級チャンピオン、マーク・マグサヨ戦を迎える。このファイトはWBC暫定フェザー級王座決定戦として認定された。

 先週行われたバーチャル記者会見でのフィゲロアの言葉をお届けしよう。

Ryan Hafey/Premier Boxing Champions
Ryan Hafey/Premier Boxing Champions

 「マーク・マグサヨは素晴らしいファイターで、相手にとって不足はない。ラスベガスでのキャンプをスタートして1ヶ月以上経つが、とても良い状態だ。マグサヨは強いが俺も同様にトップレベルだ。俺がフェザー級でも通じるパワーを持っていることを世界に示すチャンスだな。126パウンドで、俺がいかなるファイターなのか、ご覧に入れることになるさ。

 接近戦は本当にやり易く、どう動けばいいのか熟知している。得意のボディショットを放つことができるよ。でも、マグサヨも重いパンチを持っているから、色々と対策を練っているところさ。

 ファンがマニー・パッキャオvs.ファン・マヌエル・マルケス戦に期待したように、手に汗握る戦いになるだろう。俺たちはライオンのような闘志を持っていて、再び頂点を目指している。が、誰にも邪魔はさせない。自分はチャンピオンとしてリングを降りるよ。

Esther Lin/SHOWTIME フルトン戦での計量時のフィゲロア
Esther Lin/SHOWTIME フルトン戦での計量時のフィゲロア

 俺は多くの世界チャンピオンや、偉大なファイターを相手にしてきた。互いにフリオ・セハと戦ったが、マグサヨはダウンを喫したよな。俺はセハのパワーに対応することができたんだ。セハは俺より4パウンドも重かったのに、アドバンテージにはならなかった。

 マグサヨは、タイトルを失った昨年7月のレイ・バルガス戦で焦りを感じていたようだな。初黒星から学び、それを生かすための準備をしている。今回は<ファイト・オブ・ザ・イヤー>候補になるかもしれないぜ。

 自分のスキルを見せる準備はできている。ファンの皆さんは、俺の戦いを喜んでくれている。ベスト・オブ・ベストと戦い、自分が最高レベルのファイターであることを証明したい。

 ステファン・フルトンが俺とのリターンマッチを拒否するのは予想外だ。でも、再戦は時間の問題だよ。自分の仕事はファンに華麗なファイトをお見せすること。ベストを尽くすよ」

ノンフィクション作家/ジェイ・ビー・シー(株)広報部所属

1969年生まれ。ジュニアライト級でボクシングのプロテストに合格するも、左肘のケガで挫折。週刊誌記者を経て、ノンフィクションライターに。1996年に渡米し、アメリカの公立高校で教壇に立つなど教育者としても活動。2014年、東京大学大学院情報学環教育部修了。著書に『マイノリティーの拳』『アメリカ下層教育現場』『アメリカ問題児再生教室』(全て光文社電子書籍)『神様のリング』『世の中への扉 進め! サムライブルー』、『ほめて伸ばすコーチング』(全て講談社)などがある。

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