韓国でビューティー部門検索ワード1位 「ボディミスト」が韓国女性に人気のワケ
「ボディミスト」
これが韓国の4月の”検索ワード1位”になった。
韓国のポータルサイトのシェア1位の「NAVER」内の「NAVERトレンド」は、韓国内のユーザーが多く使用した検索ワードのデータを示すデータ集積ツール。
このうち、ボディミストが「化粧品/美容部門」の4月の月間1位に。これ、もちろん日本でも出回ってはいるものの、検索ランキング1位になるほどにメジャーな存在ではないのでは。
韓国での人気の理由とは?
Youtuberも人気商品を紹介する
「香り、水分補給、噴射力」のチョイスで!
東京都内の有名ドラッグストアで「ボディミストありますか?」と聞いたところ、女性のスタッフから「男性向けですか? 女性向けですか?」と聞かれた。「女性です」と答えると、少し悩んで”シーブリーズのスプレー”を案内してくれた。
やはり日本ではマイナーな存在か? とも思ったが、すごくざっくりというと機能的はこれに近いものだ。大邱市の化粧品メーカー「Dr.JSK」のアン・ジョンソン代表取締役が説明する。
「韓国も暑くなってきたからでしょう。毎年この時期から、特に女性がこれを買い求める傾向があります。大きな目的は保湿と香り。暑くなるとクリームやローションはベトつく。だから香りも楽しめるミストタイプのものを使うのです。スキンクリームのようにオイル成分も入っているものもあるので、手軽に使用できるんです」
香水ほどに香りが強くなくプラスチックのボトルで販売可能なため、携帯性も高い。また「プチプラ」で楽しめるのも魅力のようだ。NAVERの人気商品紹介コーナーでは「香り、水分補給、噴射力」のカテゴリー分けも。韓国女性はこれらポイントからお好みを探すよう。人気商品のランキングは次の通り。
ーOLIVE YOUNG オンライン販売人気ランキングー
1位 NOT4U「クリアボディミスト」 16,900ウォン(約1654円)
2位 SOMEBLOSSOM「CICAケア ボディミスト 300ml」 13,200ウォン(約1292円)
3位 BODY FANTASIES「ウェディングデイ ファンタジー」 8,900ウォン(約871円)
ランキング上位には韓国ブランドが多く入るなか、3位の「BODY FANTASIES」はアメリカのブランドとなっている。
推薦商品を紹介するYouTuber
2016年の変化。きっかけはその2年前、2014年春から
韓国でボディミストがバズったのは、2016年3月のことだったそう。
韓国内の美容専門メディア「ビューティー経済」はこの年の3月21日に「ボディ化粧品 キーワードは”香り・保湿・低刺激」という記事を掲載した。
「国内の有名ドラッグストア『OLIVE YOUNG』の発表によると、この月(2016年3月)の上半期の売上が前年比で42%アップした。(売上の伸びた商品群のなかでは)ボディミストが勢いを魅せた。特に特に香水と匹敵する繊細な調合を誇る製品が数多く発売となっている」
この頃に人気を得た「ハッピーバス フィレンツェ」の「ブルームパフューム ボディミスト」は椿・ジャスミン・ローズ・スイセンの4つの成分が保湿効果と香りをもたらしたという。
また、この年の春、韓国では弱酸性のボディクレンザーも多く売れたそう。季節と大いに関係がある。化粧品ブランド「DEWYTREE」の本部長が同メディアの取材にこう答えている。
「春が来るにつれ、ボディのスキンケアに対する関心が高くなっています。3月には粒子状物質(PM2.5や黄砂も含まれる春の空気中の細かいチリの総称)などの影響から、ボディケア製品を求める消費者が多くなっていると考えられます」
(今年3月末のソウルの空気中の粒子状物質の様子を伝える「KBS」)
韓国ではこの年の2年前、2014年2月からテレビなどの天気予報で「PM10(PM2.5より大きな空気中の粒子。韓国語では「微細チリ=ミセモンジ」と呼ばれる)」の予報が報じられるようになった。
メディアの影響もあり、春の季節の空気の変化に敏感になったということ。これを2014年、15年と2年間経験して、体感として「季節の変わり目の空気の変化に要注意」という点が分かった。そこから一気に保湿・低刺激・香り・携帯性・プチプラというボディミストの人気が高まった。
天気はポカポカになっていくが、肌には少し難しい春。この時期、韓国では「ボディミストの季節」ということなのです。