【現場レポート】羽田空港発国内線、全員にサーモグラフィーによる体温確認開始。37.5度以上は搭乗不可
羽田空港から国内線で出発する乗客全員に4月17日から保安検査場入口でサーモグラフィーによる体温確認が実施されることが決まった。これまでは、海外から到着した際には羽田空港や成田空港などにおいて検疫ブースを通過する際にサーモグラフィーによる体温確認は実施されていたが、出発時においての体温確認は初めてのケースであり、更に国内線で実施されるというのはこれまでに前例はない。
羽田発の国内線全便の搭乗者が対象
今回、4月17日の午後から開始され、緊急事態宣言の終了日である5月6日(水)まで実施されるが、今後の状況次第で実施期間が変更される可能性もある。羽田空港では、JALグループ、スカイマーク、スターフライヤーの福岡行きと北九州行きが第1ターミナル、ANAとAIRDO、ソラシドエア、スターフライヤーの関西行きと山口宇部行きが第2ターミナルとなっているが、両ターミナルの保安検査場入口で実施される。
赤羽一嘉国土交通大臣は、4月10日に「緊急事態宣言の対象である7都府県から地方への不要不急の移動はお控えいただくとともに、特に発熱などの症状がある方については、航空便の利用をお控えいただきたい」と国民に要請していた。
※4月17日13時25分追記:13時よりサーモグラフィーによる体温確認が開始された。国土交通省から要請を受けた航空会社が、自社スタッフにより体温確認が行われ、37.5度以上の場合にはチラシを配る運用がされている。
37.5度以上と判定された場合はチラシを配布
国土交通省が発表した資料によると、37.5度以上と測定された場合には、「新型コロナウイルス感染症が心配なとき」というチラシが配布されることになる。現状では、感染症が疑われる場合には航空会社の運送約款に基づき、搭乗を断ることが可能であるが、体温だけの場合は強制的に搭乗を拒否することはできない。ただ、発熱症状がある場合には、自主的に搭乗を控えることを強くおすすめする。
搭乗を控える場合には、各航空会社の地上係員に相談することで、手続きしてもらえるようになっている。
航空会社では顔を覆うフェイスシールドを準備
航空会社でも、更なる感染予防、飛散の防止度を高める為に「フェイスシールド」を製造し、検温によって発熱が認められたお客様への対応時などに必要に応じて着用することになった。
JAL(日本航空)では、グループの整備会社であるJALエンジニアリングが手作りで羽田空港に15個用意した。製造したのはJALエンジニアリングの整備士2名だそうだ。そのうちの一人である羽田航空機整備センター構造技術課の津郷裕之さんは「設計から7時間で製作・製造した。検温をするという話を4日前に情報が入り、3日前に試作品を作り、2日前に15個作りました。元々マスクだけではなく、一歩先のことができないかと考えていたなかですぐに着手した。部品は、航空機で使っているフェイス部分はアクリル板、骨組み全体はチタニウム合金、頭部にはマジックテープを使うなど、新たに仕入れる必要はなく、チタニウム合金は切れ端などの余剰品を活用した。少しでも安心してもらえればという部分が大きいところだと思う」と話した。日常の整備作業・技術が活かされた形だ。
ANAも同様のフェイスシールドを用意し、羽田空港で導入する。
ANA、JALともに羽田ではチェックインエリアを集約
4月17日から羽田空港では、ANAとJALがチェックインカウンター及び保安検査場の一部が閉鎖されている。ANAが出発する第2ターミナルでは、南側のチェックインエリアが閉鎖され(保安検査場C・D)、全便が北側のチェックインカウンター及び保安検査場を利用する運用に変更されている。
またJALでは、第1ターミナルの北ウイングのチェックインエリア(保安検査場E・F)を閉鎖し、行き先にかかわらず全便が南ウイングのチェックインカウンター及び保安検査場を利用する運用に変更されている。
スカイマーク便については、従来通りに第1ターミナル北ウイングのチェックインカウンター、保安検査場Gが利用可能となっている。