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出掛ける前からジャズ気分:赤崎真由美Tokyo Touring

富澤えいち音楽ライター/ジャズ評論家

●公演概要

7月3日(水) 開場 18:30/開演 1st 19:30、2nd 21:00、3rd 22:10

会場:目黒東京倶楽部目黒店

出演:赤崎真由美(ヴォーカル)、山下弘治(ベース)、田村和大(ピアノ)

7月4日(木) 開場 18:00/開演 1st 19:30、2nd 20:50、3rd 22:10

会場:横浜BarBarBar

出演:赤崎真由美(ヴォーカル)、福井友美(ピアノ)、山下弘治(ベース)、加納樹麻(ドラム)

7月5日(金) 開場 19:00/開演 1st 20:00、2nd 21:30

会場:浅草Jazz Bar SOULTRANE

出演:赤崎真由美(ヴォーカル)、福井友美(ピアノ)、山下弘治(ベース)

7月6日(土) 開場 18:00/開演 1st 19:00、2nd 20:30

会場:銀座No Bird

出演:赤崎真由美(ヴォーカル)、小林裕(ピアノ)、山下弘治(ベース)、藤井学(ドラム)

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赤崎真由美Tokyo Touring

赤崎真由美、ジャズシンガー。

1997年、ケイコ・リーの指導のもと、名古屋を拠点として活動を始める。

個性的でハスキーなローヴォイスを持つジャズシンガーとして知られる。

2004年〜翌年にかけ、CBCラジオ(中部圏中心)のパーソナリティを務める。

2005年、1stアルバム「エントランシング」(Pf:水野修平、Dr:大坂昌彦、Tb片岡雄三) をリリース。同メンバーと共に、愛知芸術劇場にてファーストジャズコンサートを開催、大成功を収める。

2006年、ジャズミスト/ jazzMist (ジャズと弦楽四重奏とのコラボ) の活動をスタート。2006年、夏に単身渡米し、Western Michigan大学にてvocal improvisationを受講する。その後、ケンタッキー州のThe University of Luisvilleで、Jamey Aebersold Summer Jazz Workshopに参加、意欲的にジャズを探求している。2007年7月、トロンボーン奏者の向井滋春氏と、愛知芸術創造センターにてジョイントコンサートに出演。

2008年4月、2ndアルバム「ハート・ストリングス」をリリース。

2011年4月30日、名古屋ブルーノートにて単独ライブ。

2011年5月、3rdアルバム「SCARLET/ スカーレット」リリース。1stアルバムで共演したDr 大坂昌彦 を迎え、弦楽も加えた渾身作。

2012年4月、東日本大震災で膨大な被害を出した宮城県石巻市の仮設住宅を訪問。

同年9月オーストラリアにて初の海外公演。

オーストラリアのビッグバンド等とライブを行った。

同年10月には、 名古屋ブルーノートにて第2回目の公演を成功させる。

出典:プロフィール|赤崎真由美オフィシャルサイト

2004年に上梓した『ジャズを読む事典』の執筆中、取材で訪れた名古屋はとても熱いジャズが飛び交う街でした。以前からそこには東京にも大阪にもない“なにか”があると感じていたところ、その印象を確かにしてくれた旅だったのです。

そんな名古屋から1通のメールが届いて、「いまレコーディングをしているのだけれど、ライナーノーツを書いてほしい」と書いてありました。その送り主が、赤崎真由美。

そのレコーディングがヴォーカルとピアノとベースに弦楽四重奏というユニークなものだったので、ぜひとも名古屋に飛んでスタジオの端っこでもいいから現場を観て原稿を書きたかったのですが、どうしても都合がつかず、ライナーノーツを担当するという話も保留ということになってしまいました。

その後、拠点は名古屋に置きながらも東京へ遠征を始めた彼女のライヴを拝見する機会があり、ようやく2011年5月にリリースした3rdアルバム『SCARLET/スカーレット』では“ライナーノーツを書く”という約束を果たすことができました。

赤崎真由美の魅力について、ボクはそのライナーノーツに「ヘンだなぁ」と思ったことを挙げています。プロの歌手をつかまえて、「アナタはヘンです」と言うのもおかしな話なのですが、彼女の歌からは「普通に歌って普通に上手く聴かせたい」という願望がまったく感じられず、常に「なにかをやってみたい」という冒険心というか好奇心が伝わってくるのです。

プロフィールにも渡米についての記述がありますが、どうやら最近もロサンゼルスまで“なにか”を学ぶために出かけていったようです。

スタンダード曲を覚えてフェイクができるようになれば一人前――そう言われる日本のジャズ・ヴォーカル界において、どうも彼女の行動はヘンにしか見えないのです。そう思うのはボクだけではないようです。東京・横浜方面でのライヴは年に数回あるかないか。この機会に、ジャズ・ヴォーカルらしからぬジャズ・ヴォーカルを体験してみてはいかがでしょうか。

♪Jazz Mist 赤崎真由美(vocal) 2011.10/19

♪It's Time To Get Away/赤崎真由美

では、行ってきます!

音楽ライター/ジャズ評論家

東京生まれ。学生時代に専門誌「ジャズライフ」などでライター活動を開始、ミュージシャンのインタビューやライヴ取材に明け暮れる。専門誌以外にもファッション誌や一般情報誌のジャズ企画で構成や執筆を担当するなど、トレンドとしてのジャズの紹介や分析にも数多く関わる。2004年『ジャズを読む事典』(NHK出版生活人新書)、2012年『頑張らないジャズの聴き方』(ヤマハミュージックメディア)、を上梓。2012年からYahoo!ニュース個人のオーサーとして記事を提供中。2022年文庫版『ジャズの聴き方を見つける本』(ヤマハミュージックHD)。

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