“打倒・宇野昌磨と鍵山優真”の韓国チャ・ジュンファン。4年後はメダルもあり?「さらに4回転必要」
「チャ・ジュンファンのトップ5は“偶然ではない”」
そう見出しをつけて報じたのは、韓国スポーツ専門メディアの「SPOTVニュース」だった。
「先月、エストニアで行われたフィギュアスケートの四大陸選手権で個人最高点となる総合273.22点を獲得したチャ・ジュンファン。北京五輪でも氷上と混然一体となった。フリーではオペラの『トゥーランドット』に合わせて演技を見せたチャ・ジュンファンは、冒頭の4回転トウループは転倒したが、4回転サルコーは成功。その後は3回転ルッツ―3回転ループのコンビネーションなどすべて着氷させ、100%自身の役割を果たした。最終結果は182.87点で総合282.38点となり、自己ベストを更新して5位に入った。羽生結弦とは1.14点差に過ぎなかった。ジャンプのミスが一回あったが、最高の演技だった。4年後、ミラノでの期待もさらに大きくなった」
2018年の平昌冬季五輪に続いて2大会連続出場のチャ・ジュンファンの成長が見られた北京五輪。メダルの可能性も見えただけに、韓国メディアは4年後の2026年ミラノ・コルティナ五輪では表彰台に立てるとも予想している。
しかし、壁は厚い。北京五輪の男子フィギュアスケートは、ネイサン・チェンがショートプログラム(SP)とフリースケーティング(FS)で1位のスコアをたたき出し、総合332.60点で金メダルを獲得した。
それよりも超えなければならない目の前のライバルは、日本の選手たち。北京五輪銀メダルの鍵山優真と銅メダルの宇野昌磨だ。
チャ・ジュンファンは4年後の五輪では24歳。脂の乗った時期で、さらにジャンプに磨きをかけ、成長が見込まれるのは間違いないが、日本の選手たちもさらにレベルアップしてくるはずだ。
「4年後は24歳。まだ五輪に挑戦できる」
4年後の五輪でチャ・ジュンファンのメダルの可能性について「SPOTVニュース」はこう伝えている。
「北京五輪が開催されるシーズン後半に合わせて、コンディションを上げた部分と徹底した現地での適応、そして大舞台でもブレない精神力は今大会の結果の土台となった。チャ・ジュンファンはまだ20歳。4年前の彼は16歳で、平昌で初めて五輪を経験した。フィギュアスケート選手が3度の五輪の舞台に挑戦できる点は幸運だ。4年後に24歳を迎えるため、十分に五輪に挑戦できる」
年齢的にはまだ次の五輪に挑めること、さらには20代を超えて技術が伸びてくる男子の特徴についても指摘。特に日本の羽生結弦を例に挙げ、「フィギュアスケート選手の選手生命はそこまで長くはない。“フィギュアスケートの皇帝”羽生は、23歳で出場した平昌五輪で2連覇を達成した」と報じている。
「4回転ジャンプの構成がメダル獲得へのカギ」
さらにジャンプなどの技術については「上位選手と比較しても遜色ない技術を証明した。4回転サルコーの完成度はトップクラスで、トリプルアクセル(3回転半ジャンプ)とトリプルルッツ―トリプルループのコンビネーションジャンプの安定感は増した」と称賛。
しかし、鍵山や宇野を超えてメダルを獲得するには「多彩な4回転ジャンプが必要」と伝えている。
「4年後にはさらに難しい技術構成を準備した新鋭が登場すると予想される。それらを考慮した場合、新たな4回転ジャンプを加えるのはもちろんのこと、既存の4回転ジャンプのあとに、さらなるジャンプ要素を加え、4回転+3回転コンビネーションジャンプを完成させる作業が必要になる」
今大会を終えたあと、チャ・ジュンファンは今後の課題についてこう口にしている。
「実際にはこれからもっと多くの4回転ジャンプを構成し、それらをプログラムのなかで、少ないミスで終えるのが目標です」
これまでは「男子版キム・ヨナ」と言われ続けていたが、今大会でようやくその愛称は薄れたと思う。
4年後は日本のライバルとして五輪の舞台に立つであろうチャ・ジュンファンの今後の成長を楽しみにしたい。