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"ザ・グレイティスト"と同じ名の15勝(12KO)1敗の元五輪代表選手

林壮一ノンフィクション作家/ジェイ・ビー・シー(株)広報部所属
(C)Ryan Hafey/Premier Boxing Champions

 トルコ代表として2016年リオ五輪に出場したアリ・エレン・デミレーゼン(31)が、ジェラルド・ワシントン(39)を8ラウンドにストップして、自身12度目のKO勝ちを挙げた。

 ワシントンは2017年2月25日にデオンテイ・ワイルダーの持つWBCヘビー級タイトルに挑んでいるが、同ファイト以来、デミレーゼン戦を含めて6度リングに上がり2勝4敗。黒星は全てKOでの敗北である。

(C)Ryan Hafey/Premier Boxing Champions
(C)Ryan Hafey/Premier Boxing Champions

 序盤、自分より8センチ身長の高いワシントンが繰り出すパンチを、デミレーゼンが巧みなダッキングで幾度も躱した。

 蝶のように舞い、蜂のように刺すというほど華麗な動きではないが、その防御テクニックは特筆すべきものだった。

(C)Ryan Hafey/Premier Boxing Champions
(C)Ryan Hafey/Premier Boxing Champions

 6回に入り、疲労が濃くなったワシントンは防戦一方となる。デミレーゼンは勢い付き、パワーパンチを間断なく見舞った。翌7回、右目を腫れ上がらせたワシントンは、ロープを背負うシーンが多くなる。

 そして迎えた第8ラウンド、27秒。ワシントンのダメージを考慮したレフェリーが試合を止める。かつて世界ヘビー級タイトルに挑んだ39歳は、キャリアで5敗目を喫した。

(C)Ryan Hafey/Premier Boxing Champions
(C)Ryan Hafey/Premier Boxing Champions

 勝者は言った。

 「我がチームは周到な準備をして、このリングに上がった。ワシントンを凌駕できることは分かっていた。非常に嬉しいし、今夜の勝利を誇りに思う。トルコにとっても価値のある素晴らしい一日になった。

 アメリカ合衆国で戦い続け、世界ヘビー級チャンピオンになるのが自分の夢だ」

 ドイツでプロデビューしたデミレーゼンは、この日が米国での第2戦だった。彼は本場で夢を叶えられるか。

ノンフィクション作家/ジェイ・ビー・シー(株)広報部所属

1969年生まれ。ジュニアライト級でボクシングのプロテストに合格するも、左肘のケガで挫折。週刊誌記者を経て、ノンフィクションライターに。1996年に渡米し、アメリカの公立高校で教壇に立つなど教育者としても活動。2014年、東京大学大学院情報学環教育部修了。著書に『マイノリティーの拳』『アメリカ下層教育現場』『アメリカ問題児再生教室』(全て光文社電子書籍)『神様のリング』『世の中への扉 進め! サムライブルー』、『ほめて伸ばすコーチング』(全て講談社)などがある。

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