「スーパー台風8号」 沖縄・台湾・中国に最接近へ
台風8号が再び「猛烈な」勢力に達し、北西に進んでいます。今週中頃にかけて沖縄・台湾・中国に最接近する見込みです。8号は海外では「スーパー台風」とも呼ばれますが、いったいその定義は何でしょう。
台風8号の動き
8号(国際名マリア)は5日(木)グアム付近で発生したのち、30℃を超える海上を進んで、急速に発達をしました。中心気圧は24時間で70hPaも降下したようです。これほどの急速な発達を遂げた台風は、過去にほとんど例がありません。
日本時間9日(月)9時現在、台風の中心気圧は915hPa、最大風速は55メートルの「猛烈な」勢力です。10日(火)には「非常に強い」勢力で沖縄・先島諸島に接近する見込みで、10日(火)から11日(水)にかけて、暴風・大雨・猛烈なしけとなる恐れがあります。
11日(水)には台湾北部、さらに中国浙江省や福建省に上陸する予想となっています。中国本土では梅雨前線による大雨の影響で、すでに地盤が緩んでいるところもあるため、土砂災害の恐れが高まっています。
「スーパー台風」の意味
定義
ところで「猛烈な台風」8号は、海外で「スーパー台風」とも呼ばれています。最近しばしば聞かれるようになった言葉ですが、具体的には何のことを指すのでしょうか。
台風の強さの分類は、最大風速で決定します。これは日本もアメリカも同じことです。その分類方法は下記のようになっています。
日本基準に合わせる
ただ実際は、日米の風速の基準は同じではありません。というのは、日本は10分間の風速の平均を用いていますが、アメリカは1分間平均です。日本のほうが平均する時間が長いぶん、風速が弱く出やすいのです。
一般的には10分間平均の風速は、1分間平均の88%の強さであるといわれています。つまりスーパー台風の風速を日本の基準に合わせるなら、67メートル×88%で59メートルということになります。「スーパー台風」は「猛烈な台風」よりも、さらに強いのです。
(米国気象機関の解析による8号の最大風速は、日本時間9日(月)3時時点で70メートルです)
過去のスーパー台風
過去に発生したスーパー台風には、2013年にフィリピンに上陸して6千人以上の死者を出した台風30号(ハイエン)や、観測史上最も低い中心気圧870hPaを記録した1979年の台風20号(チップ)などがあります。