今年7月にメジャーデビューしたハロー！プロジェクト3年ぶりの新グループ、OCHA NORMA（オチャノーマ）。シングル第2弾『運命CHACHACHACHA～N／ウチらの地元は地球じゃん！』は往年のモーニング娘。などハロプロ伝統の色合いを感じさせる。MVにはOGの矢口真里が出演。伝説のセクシービームに対抗し、メンバーの窪田七海がキュルルンビームを披露している。その窪田とサブリーダーの広本瑠璃に聞いた。

最初に「写真を撮ろう」と声を掛けてくれて

――七海さんがOCHA NORMAの原型のハロプロ研修生ユニットのスターティングメンバーに選ばれた頃、瑠璃さんは研修生になったんですよね。最初は七海さんにどんな印象がありました？

広本　初めての研修生発表会に向けたリハーサルのとき、すごく丁寧に教えてくれました。しかも、「写真を撮ろう」と声を掛けてくれたのを覚えています。私は緊張していて、わからないことだらけで不安もたくさんあったから、すごく嬉しくて。そのときの写真は今でも大切にしています。

窪田　新しく入ってきた子と話すのが好きなんです。瑠璃ちゃんとは最初のリハーサルの日に、スタジオから駅まで一緒に帰った思い出があって。初対面だったのに話が続いて盛り上がりました。

――瑠璃さんは研修生以前から、アクターズスクール広島で活動していて。

窪田　それも聞いていたので、どれくらいできる子なのか、ソワソワもしていました。歌もダンスも上手で、ちょっと焦りましたね(笑)。研修生の同期の中で年上だったから年下メンバーにも気をつかって、振りもちゃんと覚えてきて、すごくしっかりしていました。

――今はOCHA NORMAでサブリーダーを務めていますが、どんな仕事があるんですか？

広本　基本リーダーの斉藤円香がいろいろやってくれる中で、大変なときは私が代わりをしたり。メンバーのことはもちろん見てますけど、リーダーが自分を追い込みすぎないように気をつけているつもりです。

目がキュルキュルしてると言われたので

――ベートーベンの『運命』がモチーフの『運命CHACHACHACHA～N』では、七海さんのキュルルンビームがフィーチャーされています。

窪田　ありがたいことに。みんなで初めてデモを聴いたときは気づかなくて、歌詞カードをもらって「入ってる！」となりました。たくさんの方にキュルルンという言葉を知ってもらえるように頑張ります！

――もともと、いつから使っていたんでしたっけ？

窪田　年くらい前に、Juice=Juiceに入った有澤一華ちゃんがインタビューで「窪田さんは目がキュルキュルしていて」と言ってくれたんです。そのあと、私たちがブログを始めることになって、みんなが「オッチャー」とかあいさつで使い始めて。私は「オチャ」に絡めない独自の言葉を探して、キュルルンが自分のかわいい目に合っているかなと(笑)。

広本　最初に「キュルルン」と言われたときはビックリしましたけど(笑)、本当に窪田に合っているんですよ。というか、お目目キュルキュルの窪田にしか合いません。

――今回のMV撮影では、ビームの出し方も自分で考えたんですか？

窪田　ポーズは今も完全にしっくり来てはいないんです。キュルキュルした目からビームが出るんですけど、振り中に眼鏡みたいなポーズをするわけにもいきませんし。私といえばコレ、というビームのやり方を探していきます。

MVのサムネは国宝級のかわいさです(笑)

――MVでは大先輩の矢口真里さんのセクシービームと競演もしています。矢口さんは七海さんが生まれる前から、あれをやっていたわけですよね。

窪田　昔の映像も観ていますし、ハロー！プロジェクトを知らない頃から、矢口さんはバラエティでよく見ていて、セクシービームも知っていたんです。生で見られる機会があるとは思っていなくて、本当に貴重な経験をさせていただきました。

――矢口さんと話もしたんですか？

窪田　私が緊張しすぎて、「キュルルンビィ～ム」と声が裏返ってしまって。矢口さんが「もっと落ち着いて大丈夫だよ」とアドバイスをくださいました。休憩中にも写真を撮っていただいて、「頑張ってね」と言ってもらって。ビームの後継者になれたらいいなと思います。

――MVのサムネも七海さんの写真が使われました。

窪田　もう1曲の『ウチらの地元は地球じゃん！』のサムネが筒井澪心ちゃんだったので、こっちは全員かな、また誰か1人かなとワクワクしていたら、まさかの自分のサムネが出てきて、「エーッ!!」という(笑)。サムネって大事じゃないですか。これで再生回数が伸びなかったら私のせいだと、ちょっと思いましたけど、かわいいので、きっと伸びると信じています(笑)。

――確かに、かわいいですけど(笑)。

窪田　あのサムネは本当に国宝級の顔面でした(笑)。たぶん誰が見てもかわいいと思います。

男子役のメンバーに心臓が爆発しそうに(笑)

――MVではメンバーが男子役と女子役に分かれて、お2人とも女子組。瑠璃さんは北原ももさんとカップルになりました。

広本　いやもう、男子役の北原ももにホレました(笑)。傍から見ているだけでもホレますけど、隣りで手を引いてくれたりするとエグいです。心臓が爆発するくらいイケメンな装いでした(笑)。

――ももさん本人とは毎日会っているわけですよね(笑)。

広本　いつもと全然違っていたんです。オーラが出ていて。

窪田　もも男になり切っていましたね(笑)。ももちゃんが男役と聞いたときから、似合いそうだと思いましたけど、その想像を超えていて。男役のメンバーが「ナルシストを演じてほしい」と言われていたのを、やり切っていました。でも、ももちゃんが瑠璃ちゃんを引き寄せるシーンは、瑠璃ちゃんのプロ意識もあってできたと思います。私だったら、たぶん笑っちゃうので(笑)。

広本　違うんです！　あれはもはや北原ももでない別人で、夢かと思う瞬間でした。窪田もそこにいたら、たぶん笑わずにキュンとしちゃいます(笑)。

現実でパンをくわえて角でぶつかるとは(笑)

――七海さんは男子役の石栗奏美さんと曲がり角でぶつかるという、マンガチックなシーンがありました。

窪田　食パンをくわえてぶつかったんですけど、こんなことを現実でやる日が来るとは思っていませんでした(笑)。私が転ぶのがヘタすぎて5テイクくらい撮って、食パンを1回ごとに噛んでいたので、最後は半分くらいになっていて(笑)。ぶつかるタイミングや速度もなかなか合わなくて、すごく難しかったです。

――マンガ好きとしては、ああいう状況に憧れはあったんですか？

窪田　めちゃめちゃ憧れます！　少女マンガでしかあり得ない恋愛が好きで、実際やるとドキドキして、「あっ、いいな♪」と(笑)。今度、朝に本当に食パンをかじりながら急いで出掛けようかと思いました(笑)。

――奏美さんのイケメンぶりはどうでした？

窪田　奏美ちゃんは本番になるとスイッチを切り替えられるんです。楽屋では誰よりも乙女で、曲が流れた瞬間、誰よりも男前になり切っていて。私とは身長差もあるので、本当にキュンキュンしました。

広本　かなみん（石栗）だけネクタイをしていて、カッコイイんだよね。

窪田　ダンス中にひざまづいて手を差し伸べるポーズをしてくれて。もしかしたら私たちはつき合うのを飛ばして、最後のシーンでは結婚しているのかもと話してました(笑)。

ラップと台詞と煽りがあって衝撃でした

――曲は『Mr.Moonlight～愛のビッグバンド～』など昔のモーニング娘。を彷彿させるという声があります。皆さん自身もそう感じました？

広本　初めて聴いたときはそれより、ラップがある、台詞がある、煽りがある、ということに衝撃を感じました。

窪田　『ウチらの地元は地球じゃん！』のほうは、最初から昔のハロプロらしさをすごく感じましたけど、こっちは出来上がりを聴いているうちに、「そう言えば昔のモーニング娘。さんっぽい？」みたいな。

――ラップパートは狙っていたんですか？

窪田　人生初のラップで家で1日5時間くらい練習したんですけど、レコーディングではできなすぎて、1回録って終わって諦めました(笑)。

広本　私も練習して、口は回ってテンポは合うんですけど、自分の声が幼いというか、キンキンしていて。米村（姫良々）や田代（すみれ）みたいなカッコ良さは出せませんでした。

歌はオペラな感じとハイトーンで

――＜運命ですCHA CHA CHA CHA～N＞のところとかは高いですよね。

広本　最初からキーが高めで、ラスサビになるともっと高いんです。西崎（美空）から続くソロパートはみんな高音が続いて、苦戦しました。

窪田　その前までは「オペラな感じで」と言われていて、ハイトーンからは逆に「オペラな感じをなくして」と言われて。

――お2人が運命を感じた経験はありますか？

広本　今日電車で来るとき、Suicaをピッとやって改札を出たら、残り金額が5000ピッタリになったんです！　運命を感じて感動しました(笑)。

窪田　最近、外を歩くたびにブックオフがあって、マンガをたくさん買ってしまって。運命を感じますけど、お金を使いすぎて困ってます(笑)。この前35冊買って、その前にも20冊買って、11月はヤバいです(笑)。

――一気に35冊も買ったら、重くて持ち帰るのが大変では？

窪田　そうなんです。その日は予防接種を受けたあとで、両手で紙袋を提げて家まで帰ったら、さすがに腕がシビれてヘナヘナになりました(笑)。

広島カープの応援は英才教育を受けました(笑)

――『ウチらの地元は地球じゃん！』のMVでは、メンバーそれぞれ別々な出身地の名物があしらわれています。お2人の地元愛は強いですか？

広本　広島は人も街並みも温かいのと、海も山も楽しめるのが好きです。ごはんもおいしくて。

――広島の食べ物で好きなものというと？

広本　つけ麺です！　細麺で野菜がたっぷり乗っていて、つけ汁は辛くて、ごまが入っていて。あと、柑橘類もおいしいです。はっさく、レモン、みかん……。全部めちゃめちゃ好きです。お好み焼きは皆さん知ってますよね。

――広島カープも応援しているんですよね？

広本　英才教育を受けてきました(笑)。おじいちゃんが大のカープファンで、いろいろ教わって、球場にも連れていってもらって。研修生になる前は多いと週2回、最低でも月4回は行っていました。来年こそ優勝ですね！

窪田　私はOCHA NORMAになってから、千葉に対する気持ちが深まりました。夢の国とか幕張メッセとか、千葉にあるとはあまり知られてませんけど、すごくいろいろなものがあって。田舎のほうにはナシ園もありますし、父が千葉産の落花生を好きで、よく食べています。

上京して新宿駅は何がどうなっているのかと

――瑠璃さんのパートの、新宿駅で＜乗り換えにテンテコ舞い＞は実際ありますか？

広本　私が新宿駅に初めて行ったのは、ドラマ『真夜中にハロー！』の撮影のときだったんですけど、本当にどこが何でどうなっているのか、さっぱりわかりませんでした(笑)。必死に掲示板を見ながら「こっちかな？」という。

窪田　千葉から出てきても、新宿駅ではいつも迷子になって、さまよっています(笑)。新宿集合のときだけは、30分前に着くようにしています。

――他にも＜実家からのダンボール＞とか、経験と重なるところはありますか？

広本　ダンボールは本当にこの前も実家から届いて、開けながら、この曲を歌いました(笑)。

窪田　Aメロは上京の話で私はわからないんですけど、新宿駅ダンジョンや渋谷の大工事のところは「確かに」と思いました。＜地元の方言＞も瑠璃ちゃんから結構出ているイメージがあります。「じゃけえ」とか言ってるよね？

広本　自覚はないです。敬語のときはたぶん出てなくて、打ち解けていくと出るのかと。

窪田　北海道出身の奏美ちゃんが「手袋を『履く』」と言って、「『付ける』じゃないの？」とか、そういう会話は結構ありますね。

無重力シーンの撮影は腹筋が苦しくて

――こちらのMVはロケット内のシーンとか、ほとんどグリーンバック撮影ですよね？

窪田　完成したらどうなるのか、わかりませんでした。

広本　無重力のシーンが難しくて。

――気持ち良さげに浮いているように見えますが。

窪田　背もたれのないイスに座って、脚と手を浮かせていないといけなかったんです。ずっと腹筋を使っていて苦しくなりました(笑)。それを表情に出すわけにもいかなくて。

広本　みんな苦戦していましたね。

窪田　1人1回しかチャンスがなくて頑張って、いい感じに編集してくださいました。

昔の先輩たちは16ビートを鍛えてレベルが高くて

――先ほど出ましたが、『ウチらの地元は地球じゃん！』のほうは、往年のハロプロっぽさを感じたわけですか。

窪田　そうですね。今というより初期のハロプロを感じる楽曲だなと思って、すごく好きです。

――ハロプロは24年の歴史がありますが、お2人が生まれる前の初期の楽曲に触れてもいるんですか？

窪田　日ごろから昔の先輩方の映像は観ていますし、私たちは新しいグループで持ち歌がまだ少ないので、カバーさせていただくこともあって。そういうときに改めてオリジナルの映像を観ると、カッコイイなと思います。

――どういうところが、ハロプロの伝統的な良さだと思いますか？

窪田　昔の先輩方は16ビートをガッツリやられていたイメージがあります。ダンスの先生から聞くのは、朝から夜までずっと16ビートを刻むだけのレッスンもあったらしくて。それだけ練習をされていたから、レベルがすごく高いんだなと。

広本　私も16ビートの部分はすごく感じるのと、衣装が印象的です。

窪田　シルバーとか。

広本　ギラギラというか、パフォーマンスがめっちゃできるアイドルという感じ。そこは私たちも、今回の宇宙の衣装で感じられるかなと。

窪田　あと、先輩方はカッコ良くキメているけど、曲をよく聴くと、オシャレな“変”が入っていたり(笑)。

広本　今回も先に歌詞だけいただいて、壮大だからバラード系かなと話していたら、曲を聴くと♪テレレ、テレレ～と始まって。ある意味裏切られた感じがして、楽しかったです(笑)。

――OCHA NORMAはハロプロ新世代の発信をしつつ、そうした伝統を引き継ぐ意欲も？

窪田　ビームも含めて(笑)、できるものならやりたい気持ちはあります。

お正月はお茶の間で家族と楽しみます(笑)

――ファーストツアーも残っていますが、年末年始は個人的にも楽しみは多いですか？

窪田　多いですね。お正月はお節とかお餅とかおいしいものを食べて、家族で楽しめるので。

広本　それこそ、お茶の間ですね(笑)。

窪田　いいこと言う(笑)。

――ハロプロは1月に恒例のコンサートがあるから、年末はリハーサルで忙しいんですよね？

窪田　クリスマスは毎年、ハロプロ全体で過ごすことが多くて、それがすごく嬉しいです。憧れの先輩方ともご一緒できるので。

広本　去年のクリスマスはリハーサルの合間の楽屋で、みんなでめっちゃゲームしました。

窪田　したね。あと、先輩がドーナツの差し入れをしてくださって。

広本　そう。今までにないクリスマスを過ごせました。

窪田　お仕事で忙しいほうが嬉しいですね。

広本　でも、イルミネーションも見たいかも。広島では100m道路（平和大通り）でドリミネーションというのがあるんです。ドリームとイルミネーションを掛け合わせているらしくて、毎年見に行っていて去年も行きました。

実力が見られる2年目も勢いを落とさずに

――来年に向けた展望はありますか？

窪田　今年メジャーデビューして、1年間、すごくいろいろな経験をさせていただきました。初めてのツアーだったり、シングルリリースも2回あったり。1年目は新グループとして注目していただけて、フレッシュさで頑張りましたけど、2年目からは実力も見られると思うんです。よりスキルを付けて、この1年でいただいた期待を返せるようにしていきたいです。

広本　1年でたくさん場数を踏ませていただいたからこそ、みんなのスキルが上がっているのを私は感じています。それを2年目にどこまで伸ばせるか。メジャーデビューして斜め上に上がっていた勢いを落とさず、もっと角度を付けていきたいですね。「お茶の間を楽しませる新世代のスタンダードに」とグループ名を付けていただいたので、ハロプロやアイドルに興味なかった方にも、いいと思ってもらえる年にしたいです。

窪田　個人的には「キュルルン」を世の中に広めて、私のかわいさをたくさん知っていただきたいです(笑)。

――流行語大賞を狙うような？

窪田　いつになるかわかりませんけど、狙いたいですね。キュルルンビームを出しまくります(笑)！

撮影／松下茜

Profile

OCHA NORMA（オチャノーマ）

2019年から活動していたハロプロ研修生ユニットの4人に、研修生からの追加メンバー4人と「ハロー！プロジェクト 新メンバーオーディション2021」の合格者から2人が加わり、2021年12月に結成。グループ名は“みんなが集うほっとする場所”としての「お茶の間」と、ラテン語で“規準／基準”という意味の「NORMA」を掛け合わせたもの。「お茶の間を楽しませる、新世代のスタンダードとなるような存在に」と命名された。2022年7月にシングル『恋のクラウチングスタート／お祭りデビューだぜ！』でメジャーデビュー。『OCHA NORMAのお茶の間さまの言うとおり』（BSJapanext）、『OCHA NORMAの推し事ノルマ更新中！』（CBCラジオ）などに出演中。

『運命CHACHACHACHA～N／ウチらの地元は地球じゃん！』

発売中

初回生産限定盤A（CD＋BD）　2090円（税込）

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通常盤A（CD＋トレーディングカード）　1300円（税込）

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