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日本とともにプールBから準々決勝へ進むのは…。オーストラリア、チェコ、韓国の各パターン〈WBC〉

宇根夏樹ベースボール・ライター
1勝2敗の韓国とチェコも、準々決勝進出の可能性はある MAR 12, 2023(写真:CTK Photo/アフロ)

 1次ラウンドのプールAからは、キューバイタリアが準々決勝に進む。5チームとも2勝2敗だが、失点を奪ったアウトの数で割った数値、失点率は、キューバが最も低く、イタリアがそれに次いだ。

 一方、プールBは、4勝0敗の日本が準々決勝へ。2位通過のチームは、3月13日に決まる。準々決勝進出の可能性があるのは、オーストラリア(2勝1敗)、チェコ(1勝2敗)、韓国(1勝2敗)の3チームだ。中国(0勝3敗)は、1次ラウンド敗退が確定している。

 試合は、12時からオーストラリアとチェコ、19時から韓国と中国が対戦する。

オーストラリア○、チェコ●

 オーストラリアは、チェコに勝つと3勝1敗。準々決勝進出となる。この場合、チェコは1勝3敗だ。韓国は、中国に勝っても2勝2敗なので、オーストラリアに及ばない。

オーストラリア●、チェコ○

 チェコとオーストラリアは、2勝2敗で並ぶ。韓国が中国に勝つと、3チームが2勝2敗だ。

 ただ、韓国と中国が対戦する前に、準々決勝へ進むチームは決まる可能性もある。

 韓国は、オーストラリアに7対8で敗れ、チェコに7対3で勝った。この2試合における、韓国の失点率は0.204だ。失点は8+3=11、アウトは27×2=54。1011失点÷54アウト=失点率0.2037…となる。

 一方、オーストラリアとチェコは、どちらも韓国戦で7失点。アウトの数は異なり、オーストラリアは27アウト、チェコは24アウトだ。2試合とも、韓国が後攻。チェコと韓国が対戦した試合は、9回表を終えた時点で韓国がリードしていたので、9回裏はなかった。3アウト×9イニング=27アウトではなく、3アウト×8イニング=24アウトだった。

 13日の試合は、チェコが後攻なので、延長戦とコールド・ゲームを除くと、チェコが奪うアウトは27だ。そこで3失点の場合、韓国戦とオーストラリア戦を合計したチェコの失点率は、韓国より低い.196となる。10失点(7+3)÷51アウト(24+27)=失点率.1960…だ。4失点だと、失点率は.216。韓国より高くなる。

 先攻のオーストラリアは、延長戦とコールド・ゲームを除いても、アウトの数が定まらない。9回表で試合終了なら24アウトだが、9回裏にサヨナラ負けだと、24アウト(無死で試合終了)、25アウト(1死)、26アウト(2死)があり得る。24アウトだとすると、韓国戦とチェコ戦の合計アウトは51(27+24)。チェコと同じだ。けれども、このケースではチェコに敗れているので、失点はチェコより多く、2試合の失点率もチェコより高くなる。

 基本的に、チェコは、3失点以下なら準々決勝へ進む。4失点以上だと、韓国と中国の対戦結果を待つ。韓国が中国に勝てば、準々決勝進出は韓国。韓国が中国に敗れると、準々決勝進出はチェコだ。後者の場合、2勝2敗のチェコとオーストラリアの順位を決めるのは、失点率ではなく、直接の対戦結果だ。オーストラリアに勝っているチェコ――このパターンの場合――が、上位に位置する。韓国を含む3チームが2勝2敗の時は、直接の対戦はいずれも1勝1敗なので、失点率によって順位を決定する。

 なお、日本は、準々決勝でイタリアと対戦する。オーストラリア、チェコ、韓国のうち、準々決勝へ進んだチームは、キューバと当たる。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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