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長谷部誠の左膝「手術」は内視鏡検査のためとフランクフルト強化部長がコメント。診断結果を待って対応へ。

河治良幸スポーツジャーナリスト
(写真:アフロ)

バイエルン戦でカバーリングの際に左膝をゴールポストに強打し、6針ぬう裂傷を負ったフランクフルトの長谷部誠。一時は練習に復帰したが、すぐストップして検査をした結果、内視鏡手術での検査が必要という判断にいたったとのことだ。フランクフルトの公式サイトでも「来週に手術が必要」「無期限で離脱する」との報告があり、多くのメディアがオフィシャルの二次情報として取り上げたが、「手術」と「無期限離脱」が独り歩きしてしまった。

しかし、ハンブルガーSVの試合後にフランクフルトのヒュブナー強化部長がメディアの取材に応じ、来週に内視鏡検査を行って膝内部を検査する方針を語った。要するに公式サイトで伝えられた「手術」というのは内視鏡検査であり、治療のための外科手術に踏み切るという意味ではない。その診断結果によって今後の対応を考えるとのことだ。現段階では外部の裂傷以外に問題がある可能性があるという状況であり、具体的な症状や程度も不明だ。「無期限離脱」は「不明」という言葉に置き換えて解釈するべきだろう。

診断の結果、長谷部の症状がいかなるものであったとしても、今月中に予定されるアジア最終予選の2試合にはまず参加できない。「彼(長谷部)なしの代表は現在考えられない」とハリルホジッチ監督が全幅の信頼を寄せるキャプテンを欠く中で、チームがいかに勝利を目指していけるか。

この日、対戦するはずだったハンブルガーSVの酒井高徳は「マイナスなのは間違いないんですね。それは誰もが思っていると思う」と前置きしながら「起こってしまったこと、いない人に対してズルズル引きずって試合に行くんじゃなくて、逆に自分たちが責任感を強く持たないといけない。チームの1人1人、全体がそういう選手の存在を感じさせない、そういう時こそチーム力が試される」と気持ちを引き締めた。

まずは検査結果で特に異常が見つからないこと、少しでも軽症であることを願いたいが、日本代表としては、キャプテンが不在となる2試合でどう試合に臨んでいけるか、試合中に起こりうる問題を解決していけるのかが問われる。長谷部の”代役”を個人で完璧にこなせる選手はそうそういないが、その分も個々ができることを発揮し、結果として勝利を得ることができれば、さらにチームが進化するはずだ。

スポーツジャーナリスト

タグマのウェブマガジン【サッカーの羅針盤】 https://www.targma.jp/kawaji/ を運営。 『エル・ゴラッソ』の創刊に携わり、現在は日本代表を担当。セガのサッカーゲーム『WCCF』選手カードデータを製作協力。著書は『ジャイアントキリングはキセキじゃない』(東邦出版)『勝負のスイッチ』(白夜書房)、『サッカーの見方が180度変わる データ進化論』(ソル・メディア)『解説者のコトバを知れば サッカーの観かたが解る』(内外出版社)など。プレー分析を軸にワールドサッカーの潮流を見守る。NHK『ミラクルボディー』の「スペイン代表 世界最強の”天才脳”」監修。

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