古寺の僧侶が手袋をはめて開いた「仏像の胸にある“隠し扉”」そこには「誰もが驚く思わぬもの」が!藤沢市
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【プライスレス藤沢】
~藤沢の魅力を再発見~
藤沢市内で見つけたプライスレスな情報シリーズ。91カ所目は藤沢市下土棚にある『龍玉山西光院善然寺』(以下『善然寺』)です。
浄土宗のお寺『善然寺』。
歴史開山は西光上人と言われていますが、数度の火災に遭っているため、古文書や過去帳等残っておらず。詳細ははっきりしません。創建は600年以上前で、伝承によれば1246年に建てられたとされています。
今回このお寺を訪れた理由は、“享保5年の銘を持つ「舟地蔵」が残されている”という記録があるから(参考データ:藤沢市教育委員会 藤沢市教育文化センター「大庭城」(伝説の検討⇒1.時代的にみて(外部リンク))。ここにも存在するとなれば、藤沢市内で4体目(4尊目)の「舟地蔵」ということになります。
その「舟地蔵」は一体どんな姿をしているのか、『善然寺』の副住職・戸田さんに取材を依頼しました。ところが…
お寺に保管されている資料等を読み返しても、「舟地蔵」に関する記録は見当たらず。
戸田さんは、「数年前、石仏の専門家の方が訪ねて来られ、『これが舟地蔵です!』とおっしゃられたお地蔵様が境内にあります。当寺でも、そのお地蔵様を『舟地蔵』として認識しています」と言います。そこで、急いで境内へ…。
境内に設けられた地蔵小屋には、大小あわせて6尊のお地蔵様が並んでいました。この中で左から2番目が「舟地蔵」と呼ばれているお地蔵様とのこと。その足元は…
ん…?
舟…ではないような、いや…舟なのか?
ほかのお地蔵様とは異なり、その台座は6角形をしています。
このお地蔵様の過去について調べると、数十年前のものと思われる写真が資料に残されていました。一番左に写るお地蔵様が、6角形の台座に乗る「舟地蔵」です。
写真からすると、当時は今の台座よりも“舟のような型の台座”に乗っているのが確認できます。戸田さんは「昔は地蔵小屋などはなく、野ざらしだったと思われます。ほかからも移されたお地蔵様と一緒に並び、今の六地蔵となったのでしょうね」と言います。
ここから先は推測になりますが、台座に経年変化が加わり今の形となったのか、もしくは台座だけが替えられたのかもしれませんね。...ということで、『善然寺』で4尊目の「舟地蔵」を確認できたものとしたいと思います。ちなみに、過去に藤沢市内で見つけた3尊の「舟地蔵」がこちらです。
なお、『善然寺』の地蔵小屋の裏には、赤ちゃんを抱いた「子育て地蔵尊」と「馬頭観世音」もひっそりと祀られています。
さらに、地蔵小屋の向かいには、「善然寺観音」が安置されています。
ちなみに…
本堂の中へ案内していただいた際、「実はここにも珍しい仏像があるのです」とほほ笑む戸田さん。視線の先には、浄土宗ゆかりの「法然聖人」「阿弥陀如来」「善導大師」などの仏像が並んでいます。
その一番左側に安置された、金色の「木造聖観音菩薩座像」(藤沢市文化財総合調査報告書より)に、白手袋をはめて近づく戸田さん。
手を伸ばした先(像の胸元)には隠し扉のようなものがあり...
中には、なんともう一体の仏様(胎内仏)が…!
“体の中に仏様を祀る仏像”について調べると、神奈川県綾瀬市にある「子育て観音(上深谷)」、京都府『萬福寺』にある「羅怙羅尊者(らごらそんじゃ)」、熊本県『大慈禅寺』にある「羅睺羅尊者像(らごらそんじゃぞう)」など、日本国内でもごくわずか。
戸田さんは、「御開帳のような儀式は行っていませんが、法事などの際に、お施主さまにお見せすることもあります」と言います。
4尊目の「舟地蔵」にも驚かされましたが、胸の中にもう一体の仏様を祀る「木造聖観音菩薩座像」にはもっと驚かされた『善然寺』。機会があれば、ぜひ訪れてみてください。
基本情報
寺院名:善然寺(ぜんねんじ)
住所:藤沢市下土棚999
アクセス:小田急江ノ島線「長後駅」より徒歩11分
電話:0466-44-3022
公式 ホームページ(外部リンク)
※詳細は『善然寺』までお問合せください。
取材・校正協力 善然寺 戸田様 宮島様