藤沢市内を走る“ピンクの巨大バス”「ツインライナー」に初めて乗車して気づいた「3つの驚き」!
藤沢市のみなさまこんにちは。
本日は、ヤフーニュースエキスパート地域クリエイターとして活動してきた4年間で、読者さんから最も多くいただいたリクエスト「藤沢市内でよく見かけるピンクの巨大バスを詳しく知りたい!」という質問にお答えし、“ピンクの巨大バス”こと「ツインライナー」の秘密をご紹介します。
今回は、「神奈川中央交通株式会社」総務部広報担当の利光さんと、運輸計画部計画担当の杉本さんにご同行いただき、「ツインライナー」に実際に乗車しながら、その魅力について詳しく伺いました。
そもそも「ツインライナー」とは、「神奈川中央交通株式会社」が導入する“ノンステップ仕様の連節バス”のこと。
「ツインライナー」の運行の背景について、「近年は、バス業界全体的に運転士不足が深刻化しています。この課題に対応するため、運行効率を高め、資源を再配分してバスネットワークの維持と充実を進めるために、大量輸送ニーズがある路線には『ツインライナー』を導入しています」と利光さんは説明します。
藤沢市内では、「湘南台駅西口~慶応大学間(2005年3月14日運行開始)」と「辻堂駅北口~湘南ライフタウン・慶応大学間(2018年5月28日運行開始)」を走行していますよね。
いずれも車体は、メルセデス・ベンツ製。長さ18.175メートル、定員は大型バスの1.5倍以上にもなる128名です。
車体のデザインや「メルセデス・ベンツ製」という言葉を聞くと、「ハイクラスな特別車両?乗車には追加料金や指定券が必要なのでは?」と感じる方も多いはず。
これに対し、「車体自体は通常の路線バスに比べれば高額ですが(笑)、一般の路線バスと同じ運賃設定です。特別車両としての扱いではありませんので、ぜひお気軽にご利用ください」と利光さん。
そうと分かれば、肩肘張らずに楽しめますよね!では、「湘南台駅西口~慶応大学間」を走る「ツインライナー」に実際に乗車してみましょう(湘南台駅西口1番乗り場より発車/大人260円、小人130円)。
まず、乗車方法と支払方法から。
「ツインライナー」の車体左側面には「3つの扉」が設置されており、利用する方面によって、乗車口(乗車扉)や支払方法が異なります。
藤沢市内では、各駅方面に向かう際は「申告先払い方式」(乗車時に運賃を支払う)、慶応大学方面に向かう際は、「後払い方式」(降車時に運賃を支払う)が適用されます。支払いは、路線バス同様、現金やPASMO・Suica等交通系ICカードなど。
この日は、「中扉」から「後払い方式」で乗車しました。
まずは、「ツインライナー」の「最後部座席」へ移動し、車内全体を眺めます。
広い…。まるで電車内の眺めです。
車内は、「交通バリアフリー法」をはじめとする日本の基準に適合する仕様。座席の配置が適度に区切られているため、大勢で乗車しても、周囲の乗客があまり気にならない感じがしました。
しかし、その広さ故に、運転士の姿がまったく見えません。
「この距離だと、万が一の時、混雑した車内では運転士まで声が届きませんよね?」と心配する筆者に、「緊急事態発生時は電話(受話器)をご利用ください」と杉本さん。
壁を見ると、最後部座席付近に、運転士と直接会話ができる「受話器」が設置されていました。これは、一般的な路線バスには見られない設備ですよね(1つ目の驚き)。
ちなみに、資格的には大型二種免許(正式名称:大型自動車第二種免許)を持っていれば「ツインライナー」を運転することが可能ですが、社内的には運転できる運転士は限られるとのこと。利光さんによると、通常の大型バスと比べてバックはかなり難しいそうですよ。
それでは、次にバスの連結部分(車体中ほど)に移動してみます。
後部座席を振り返るとこんな感じ。
連結部分は、電車と同様に、走行中は立ち止まらないよう注意が必要です。右左折時には、床が回転する構造になっており…
幌(ほろ)の部分がアコーディオンのように動き、車体が大きくカーブします(カーブした際、後部車両から側面のガラス越しに前方車両が見えるのが、なんとも不思議な感じでした。笑)。
通常の路線バスと同じく、優先席もありますよ。
「ツインライナー」の座席シートは、どの座席も通常の路線バスに比べて薄型でスリムな印象。足元が非常にすっきりしており、空間が広く見えます。
また、窓が大きくほどよく日差しが差し込むことで、明るい雰囲気が生まれ、乗り心地の良さにもつながっているように思いました。
ところで、車内をぐるりと一周見渡してみましたが、通常の路線バスの最後部座席付近に設置されている「非常口」が見当たりません。
その代わりに?窓付近には「ハンマー」が装備されています。これは一体…
「非常時は運転士の指示にしたがい、窓ガラスを叩き割って脱出する仕組みです」と杉本さん(まさかの窓を叩き割る...!?)。
このほか、天井には「非常時脱出口」も備わっています。
いずれも、過去にその必要が生じたケースはないそうですが、万が一の時のために、覚えておくと安心ですね(2つ目の驚き)。
そうこうしているうちに、慶応大学が見えてきました(乗車時間は約20分)。
思っていたよりもとてもスムーズな走行。杉本さんは「当該区間は、バスの運行に合わせて信号を制御する『PTPS(公共車両優先システム)』が導入されています。このシステムにより、バスが優先的に通行できるため、スムーズに走行できる点も大きな魅力の1つです」と言います(3つ目の驚き)。
「前扉」から「後払い方式(降りる時に運賃を払う)」で支払いを済ませ、バスから降車。
外の景色は見慣れた藤沢市内のはずですが、普段あまりバスに乗らない筆者にとっては、260円でドイツの雰囲気をも楽しむことができた今回のバス乗車。乗り物好きな子どもも喜びそうですよね!
以上、乗って分かった「神奈川中央交通株式会社」の連節バス「ツインライナー」の秘密の数々。まだ一度も乗ったことのない方は、ぜひ乗車してみてくださいね!
※「神奈川中央交通株式会社」の公式 ホームページ(外部リンク)や公式 YouTube(外部リンク)では、時刻表や運行ルート、また貴重な動画(【超レア車両】連節バスの解体に密着【ネオプラン】など)を見ることができます。
基本情報
「神奈川中央交通株式会社」
連節バス「ツインライナー」
公式 ホームページ(外部リンク)
公式 Instagram(外部リンク)
公式 YouTube(外部リンク)
※詳細は「神奈川中央交通株式会社」の公式サイトをご確認ください。
取材・撮影・校正協力
神奈川中央交通株式会社
総務部広報担当 利光様
運輸計画部計画担当 杉本様
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