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WBCスーパーウエルター級7位が挑む全勝対決

林壮一ノンフィクション作家/ジェイ・ビー・シー(株)広報部所属
Rhonda Costa/SHOWTIME

 19戦全勝15KOでWBCスーパーウエルター級7位にランクされるヘスス・ラモス(21)が、3月25日にリングに上がる。WBCスーパーミドル級暫定王者であるデビッド・ベナビデスvs.元IBF同級チャンプのケイラブ・プラント戦の前座に出場することとなったのだ。

 WBC暫定スーパーミドル級タイトルマッチは、SHOWTIMEがPPVで放送するが、ラモスは同局がかねてから大事に育ててきた選手である。19戦全勝15KOのレコードには、骨のある対戦相手とのファイトがほとんど無い。

Rhonda Costa/SHOWTIME
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 だが、今回は16戦全勝10KOの実力者、ジョーイ・スペンサー(22)との無敗対決が組まれた。ラモスにとって、試金石となる一戦だ。

 現在、アリゾナ州フィニックスでキャンプ中のラモスは、3月頭に練習を公開し、現在の心境を述べた。

Rhonda Costa/SHOWTIME
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 「これは僕にとって大きなチャンスだ。これまでもタフな相手と戦ってきたが、今回は大きな一歩を踏み出すことになる。間違いなく素晴らしいファイトになるよ。

 僕は、多くの課題を乗り越えられると思うんだ。リーチ、コンディショニング、ボディショット、試合の夜はすべてが重要になるだろうね。今回のキャンプでは体力コーチと一緒に頑張っている。試合のペースを上げ、より爆発的なパンチ力を出すために取り組んできた。

 前回のファイトよりも、自分が強くなっていることを感じている。テーマをこなす時間があったので、集中力も以前より増したし、準備は万端だ」

Rhonda Costa/SHOWTIME
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 21歳のラモスには、まだまだ先がある。ここで一気に世界戦線に飛び出したいところだ。

 「僕は大きな舞台で戦ってきたような気がするけれど、今回は格別だ。何があっても、プレッシャーに負けてはいけない。ビッグマッチは子供の頃からの夢だった。3月25日は、一瞬一瞬を楽しむつもりだよ。

 故郷であるアリゾナ州カサグランデからは、ビッグネームや有名な選手があまり出ていない。もし僕がカサグランデに世界タイトルを持ち帰ることができれば、地元ファンに幸せを届けられる。それが自分とっての最大の目標だ。次世代に道を開きたいし、ボクシングだけでなく、若者の夢の実現に貢献したいね。

 火花が散るファイトになるよ。勝つためにリングに上がる。何が何でも勝つさ。理想は前半を凌いで、後半での逆転勝利だな。"最高の試合 "と "最高のエンターテイメント "を作るためにハードワークを重ねている。必ず、勝利してみせる」

 実父であるヘスス・ラモス・シニアがジュニアのトレーナーを務め、WBCウエルター級6位の叔父(シニアの弟)、アベル・ラモスも数々の助言を送っている。サウスポーの世界7位は、どんな姿を披露するか。

ノンフィクション作家/ジェイ・ビー・シー(株)広報部所属

1969年生まれ。ジュニアライト級でボクシングのプロテストに合格するも、左肘のケガで挫折。週刊誌記者を経て、ノンフィクションライターに。1996年に渡米し、アメリカの公立高校で教壇に立つなど教育者としても活動。2014年、東京大学大学院情報学環教育部修了。著書に『マイノリティーの拳』『アメリカ下層教育現場』『アメリカ問題児再生教室』(全て光文社電子書籍)『神様のリング』『世の中への扉 進め! サムライブルー』、『ほめて伸ばすコーチング』(全て講談社)などがある。

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