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間もなくゴング! WBAスーパーウエルター級タイトルマッチ

林壮一ノンフィクション作家/ジェイ・ビー・シー(株)広報部所属
Ryan Hafey/Premier Boxing Champions

 間もなくゴングが鳴るWBAスーパーウエルター級タイトルマッチ。前日計量を、挑戦者でWBA/WBC(休養)/WBOウエルター級チャンピオンであるテレンス・クロフォード(36)は、153.4パウンド、王者のイスラエル・マドリモフ(29)は154パウンドでパスした。

Ryan Hafey/Premier Boxing Champions
Ryan Hafey/Premier Boxing Champions

 WBOライト級、そしてスーパーライトとウエルターで主要4団体を統一したクロフォードは、今日、4階級制覇を狙ってウズベキスタン人のマドリモフに挑戦する。互いに負け知らずだが、40戦全勝31KOのクロフォードに対し、マドリモフは10勝(7KO)1分け。

勝利の度にバック宙を披露するマドリモフ
勝利の度にバック宙を披露するマドリモフ写真:ロイター/アフロ

 パウンド・フォー・パウンドKINGに君臨する挑戦者に比べ、プロで12戦目のマドリモフは、Big Nameとは呼べない。とはいえ、アマチュアとして78勝19敗の戦績を残している。『Forbes』誌には、「その筋肉質な体格、ノックアウトパワー、爆発力で知られる」と評されている。

Ryan Hafey/Premier Boxing Champions
Ryan Hafey/Premier Boxing Champions

 クロフォードは語った。

 「気分は最高だ。試合当日、俺はまた栄光を掴むぜ。ヤツは俺を倒すため、出来る限りのことをするだろう。楽しみだな。前にも発言した内容を、ここでもう一度繰り返す。今はテレンス・クロフォードの時代だ。俺はベルトを奪う。

 闘争が好きなんだ。自分の目標を果たしたと感じると、これまでに経験したことの無い、新たな自分に挑戦したいという力が湧いてくる」

写真:ロイター/アフロ

 マドリモフも言った。

 「この瞬間を、ずっと長い間待っていました。ついに自分の夢が叶いました。ボクシングファンに素晴らしい試合をお見せします。勝つことだけを考え、リングで自分の全てを出し切るつもりです」

写真:REX/アフロ

 今回の興行では、ヒップホップ界のスーパースターであるのエミネムのパフォーマンスも予定されている。過去に日本のリングでも歌が披露されることがあったが、ファンに「無い方が良い」「不必要」と感じさせたことも多い。しかし、エミネムは真の実力者である。言ってみればクロフォードと同じレベルのアーティストだ。WBAスーパーウエルター級タイトルマッチに花を添えることだろう。

Ryan Hafey/Premier Boxing Champions
Ryan Hafey/Premier Boxing Champions

 2023年7月29日、クロフォードは世界中が注視したエロール・スペンス・ジュニア戦で圧巻の勝利を飾った。あれから1年、ようやくリングに戻ってくる。どんなファイトを見せるか。

ノンフィクション作家/ジェイ・ビー・シー(株)広報部所属

1969年生まれ。ジュニアライト級でボクシングのプロテストに合格するも、左肘のケガで挫折。週刊誌記者を経て、ノンフィクションライターに。1996年に渡米し、アメリカの公立高校で教壇に立つなど教育者としても活動。2014年、東京大学大学院情報学環教育部修了。著書に『マイノリティーの拳』『アメリカ下層教育現場』『アメリカ問題児再生教室』(全て光文社電子書籍)『神様のリング』『世の中への扉 進め! サムライブルー』、『ほめて伸ばすコーチング』(全て講談社)などがある。

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