異例づくめの台風12号 7月最大級の勢力で、東から上陸へ
記録的豪雨と未曾有の熱波の被害にあえぐ日本列島に、今度は台風12号が直撃する予想となっています。12号は過去にほとんど例のない経路をたどって、28日(土)夜に東海から九州地方のいずれかの場所に上陸する可能性が高まっています。
12号の予想進路
27日(金)午後3時現在、強い台風12号(国際名:ジョンダリ)は小笠原諸島に最接近しています。中心気圧は965hPa、最大風速は秒速40メートルで、北東に30キロの速さで進んでいます。
気象庁の予想によると、28日(土)午後に中心気圧955hPaの勢力で伊豆諸島に接近した後、急激に西に進路を変え、夜に静岡県から西日本に上陸する見込みとなっています。29日(日)には速度を落とし、台風のまま中国地方や九州地方へと進む予想です。
過去に数例しかない進路
特筆すべきは、東からカーブして西に進むルートです。1951年以降、このような東からのルートをとって、九州から東海の地域に上陸した台風は数例しかありません。しかもいずれの台風も、上陸時の中心気圧は980から990hPa台と、今回よりも弱い勢力でした。
7月最大級の上陸台風
気象庁の予測によると、台風12号の中心気圧は28日(土)午後の時点で955hPaとなっています。仮にこのままの勢力で東海から九州のいずれかの都道府県に上陸した場合、8月以前に発生した台風としては史上2位タイの記録となります。これまでの1位の記録は2007年7月14日に鹿児島市に上陸した台風4号の945hPaでした。
このように12号は7月としては最大級の勢力で上陸する恐れがあります。その一因は、高い海水温にあります。上の図は26日(木)の日本周辺の海水温を表していますが、日本の南の海上は平年よりも2℃から3℃ほど高い29℃となっています。一般的に台風が発達するのに必要な海水温は27℃くらいといわれています。