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韓国版『PLAY BOY』が8カ月で休刊…韓国で“美女コンテンツ”への忖度が生まれてしまうのか

慎武宏ライター/スポーツソウル日本版編集長
(写真=著者撮影)韓国の雑誌コーナー

世界的に有名な雑誌が韓国で“休刊”に追い込まれた。『PLAY BOY』の韓国版だ。

韓国版『PLAY BOY』といえば、“マッスル美女”イ・ヨンファを「韓国プレイメイト1号」として、昨年8月21日に第一号が発売されたばかり。

(参考記事:日本についても直撃。“韓国版プレイメイト第1号”にもなったマッスル美女イ・ヨンファとは?

それが2018年4月号を最後に、発行が中断されるというのだから驚きだ。創刊からわずか8カ月の出来事である。

「韓国では“PLAY BOYコンテンツ”が作れない」

韓国版『PLAY BOY』を発行していたカヤメディア社は、その理由を「韓国の刊行物倫理委員会の審議基準をはじめ、国内のさまざまな条件がPLAY BOYが追求する“PLAY BOYコンテンツ”制作の制約になってしまった」と説明している。

実際に韓国版『PLAY BOY』については、物議が少なくなかった。

例えば、今年1月末には韓国教会言論会が「成人刊行物である『PLAY BOY』誌は、青少年の有害刊行物ではないか?」という論評を発表したこともあった。

韓国でも雑誌業界が不況になって久しいが、満を持して創刊されたはずの『PLAY BOY』韓国版の休刊は衝撃を持って伝えられており、その他の雑誌への影響も気になってくる。

他の男性誌への影響は?

例えば、韓国ではよく話題になる人気男性誌『MAXIM KOREA』だ。

韓国で絶大な支持を受ける篠崎愛グラビアが話題になった2016年2月号が完売するなど、今でも人気を博しているが、『MAXIM KOREA』も美女グラビアがひとつの武器になっているだけに、『PLAY BOY』韓国版の休刊が何らかの影響を与える可能性もあるかもしれない。

『MAXIM KOREA』は、2017年9月号でK-POPグループに所属する日本人メンバーRUI(本名:渡辺るい)が、2015年9月号でも女優・藤井美菜が表紙に登場するなど、何気に日本とのかかわりも少なくないだけに、雑誌作りに携わる者としては何かと気になるところだ。

(参考記事:「美しすぎる!」とネットで話題に。韓国で活躍する日本芸能界の美女たち

男性誌だけでなく、ヘルス雑誌への影響も考えられる。

「ビキニカレンダー」など“攻めの仕掛け”も

韓国国防部の定期刊行物に指定され、軍人たちに配布されているヘルス専門誌『MAXQ』などは、2017年12月号に“とある付録”をつけて完売している。

その付録とは、『PLAY BOY』のプレイメイト1号を務めた前出のイ・ヨンファなどが撮影された、「ビキニカレンダー」だ。

(参考記事:【特別入手】美ボディ女神が全員集合!! 韓国ヘルス誌の「ビキニカレンダー」を一挙公開!!

日本同様に韓国でも、雑誌に付録がつくことは珍しいことではないが、このときの『MAXQ』は飛ぶように売れ、それが多くのネット媒体で記事になったほどでもあった。

「2017年12月号には壁掛けと卓上の2種類のカレンダーを付録にしてネット書店限定で販売したのですが、どこの大手ネット書店でも予定数をすべて売り切りました」と語っていたのは、『MAXQ』のチェ・テウォン編集長。

ただ、そういった“攻めの仕掛け”も韓国国内の基準が厳しくなってくると、出版社側が忖度するということも十分に考えられる。

いずれにしても、創刊から8カ月で休刊となってしまった韓国版『PLAY BOY』。今後は“ネット版”を通じて、読者に情報を与えていくというが、影響力の低下は免れないだろう。

ライター/スポーツソウル日本版編集長

1971年4月16日東京都生まれの在日コリアン3世。早稲田大学・大学院スポーツ科学科修了。著書『ヒディンク・コリアの真実』で02年度ミズノ・スポーツライター賞最優秀賞受賞。著書・訳書に『祖国と母国とフットボール』『パク・チソン自伝』『韓流スターたちの真実』など多数。KFA(韓国サッカー協会)、KLPGA(韓国女子プロゴルフ協会)、Kリーグなどの登録メディア。韓国のスポーツ新聞『スポーツソウル』日本版編集長も務めている。

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