全体では28.4%…TikTokの利用状況
モバイル端末向けとして提供されている短時間動画共有サービスTikTok。中国製のサービスとして2016年に運用を開始し、一発芸的な動画の編集・投稿・共有場として大いに人気を博し、日本にも急速に広まりを見せつつある。今回は総務省が2023年6月に情報通信政策研究所の調査結果として公式サイトで発表した「令和4年度 情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」(※)の公開値を基に、TikTokの日本国内における利用状況を確認する。
次に示すのは、TikTokの利用をどの種類の端末から行っているかに関する回答値。回答時点で動画・画像の閲覧のみで利用しているか、書き込みや投稿をしているか(設問では単に「書き込む・投稿する」とある)。そして利用する際の端末はパソコン(ノートパソコン、デスクトップパソコンを問わず。またタブレット端末も今件では含んでいる)か、携帯電話(従来型携帯電話、スマートフォンを問わず)かについて尋ねている。なおグラフ中の「携帯」とは「携帯電話」を意味する。
全体の利用率は28.4%。3割近くの人は何らかの形でTikTokを利用している計算になる。男女別では女性の方が、年齢階層別では若年層の方が利用率は高い。特に10代の利用率は圧倒的で、2/3近くが利用している計算になる。逆に60代は1割強なのが実情。
利用スタイル別・属性別では、元々TikTokはパソコン経由での利用はあまり想定されていないこともあるが、携帯電話経由での利用率が高い。10代に限れば携帯電話経由ではあるが61.4%の閲覧、そして5.7%の投稿。20代でも携帯電話経由で45.6%が閲覧している。若年層による、ほぼモバイル端末に特化した利用状況であることがうかがえる。
TikTokの動画はブラウザ経由でパソコンなどから自由に視聴、さらにはダウンロードができるようになっており、他のサービスへの拡散も容易な仕様なのが特徴。実際、他のソーシャルメディアでもTikTokの動画が掲載される機会が増えているのが実情である。動画による一発芸的なネタは言語を超えてウケを狙え、評価される可能性を秘めていることから、今後日本にもさらに普及していくことだろう。
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※令和4年度 情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査
今調査は2022年11月5日から11月11日にかけて、全国125地点をランダムロケーションクォータサンプリング(調査地点を無作為に抽出、地点ごとにサンプル数を割り当て、該当地域で調査対象者を抽出する方法)によって抽出し、訪問留置調査方式により、13~69歳の1500サンプルを対象としたもの。アンケート調査と日記式調査を同時並行で実施し、後者は平日2日・休日1日で行われている。よってグラフの表記上は「10代」だが、厳密には13~19歳を意味する。
調査のタイミングにより一部調査結果においてイレギュラー的な動きが確認できるが、これについて報告書では「経年での利用時間などの変化については、調査時期の違いによる影響や単年の一時的な傾向である可能性も否定できず、継続的な傾向の把握については今後の調査などの結果も踏まえる必要がある」と但し書きを入れている。さらに2020年分の調査については「令和2年度調査は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴う、11都府県を対象とした緊急事態宣言下で行われたものであることにも留意が必要」との補足があった。
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(注)グラフ中の「ppt」とは%ポイントを意味します。
(注)「(大)震災」は特記や詳細表記のない限り、東日本大震災を意味します。
(注)今記事は【ガベージニュース】に掲載した記事に一部加筆・変更をしたものです。