片付けプロが教える!家が片付かない人へ、あなたに足りないのは覚悟だけ
片付け・収納の専門家、鈴木久美子です。片付けができない理由や、片付けのコツ、など、巷には山のように様々なワードが飛びかっています。どれも正しいことだと思います。私も○○のポイントや収納技などもたくさん書いていますが、片付けができない理由を、たった1つの言葉で表すとすれば、覚悟ではないかと思います。
今回はちょっと深い内容、片付けの覚悟についてお付き合い下さい。
そもそも覚悟とは
覚悟とは仏教用語が語源だそうです。『迷いを去り、真実の道理を知る。』『あきらめる事、観念すること。』『知ること。』などと書かれています。このことが片付く暮らしのために非常に大切だと思うのです。
ちょっと理屈っぽくて嫌われそうですが、今日は8年間も片付けのサポートをしている専門家として日々深く感じる事をお伝えします。
迷いを去る
片付けが苦手な人、物が多すぎる人はとにかく迷いだらけなのです。いつも迷いながらはっきりしない毎日を過ごしています。どの物が自分にとって必要なのか、どの物がどれくらいの量が必要なのか、いつも迷っています。また、物の定位置が決められない、という人も多いです。(もちろん私達にご依頼いただければ、皆さんの希望や理想を聞き、適正量や定位置を決めるお手伝いをします。)
迷うから、人のおすすめに従ってどんどん買い物をしてしまう。世の中、買わせようとする広告ばっかりだから、自分の意志をしっかり持ってないと、ついつい買ってしまう人が多いのです。
また、モノだけでなく、あれこれ手を出してしまいがちな人も家が片付かない人が多いです。
整理収納について、本気でしっかり取り組むと、モノに対する迷いはかなり少なくなり人生も快適になります。
知ること
覚悟という言葉の意味には知ること、という意味も含まれます。『知ること』とは、とても簡単でシンプルなワードですが、日本には『足るを知る』という言葉もあります。自身に必要なモノは何かを知る事、ストックするにしてもどれくらいが適量かを知ること。もちろん、モノを減らすという事だけでなく、人生が豊かになる物や自分が満足し、充実できる物は何なのか、を知るという事が非常に大切だと思います。
あきらめること
そして、最後はあきらめること、観念することです。この言葉も、整理収納サポートにご訪問していて、いつも感じる事です。
例えば、「面倒だから、洗剤やストック等はいつもAmazonでケース買いしてるんです。収納どうしたらいいですか?」みたいな内容です。洗剤をケース買いで24本入りなど購入していたら収納スペースに絶対収まらない、というのは誰がみても明らかなのです。「じゃあ、収納を買い足す?」と提案しても、今ある収納内に入れたいんだそうです。(ストックを減らすしかないのです…。)
「独身時代から漫画を大量に持っています、でも新居には収納場所はないし、狭くなりたくないから本棚は置きたくないんです。」というようなこともよく言われます。もちろん、私達は収納のプロですから、いろいろな方法をお客様にご提案し、なんとか収まるようにお伝えします。
家の収納スペースには収まらないから、面倒でもケース買いはできない、とあきらめるのです。独身時代の大量の漫画をあきらめるのか、収納スペースをあきらめるのか決めるのです。
あきらめて覚悟を決めるのも非常に大切です。
『あきらめる』というと、後ろ向きな言葉に感じるかもしれませんが、そうではありません。
私でも、私一人だけの素敵なクローゼットが欲しいですが、住宅事情的に無理なのであきらめます。(夫と2人で1つのクローゼットです。)
あきらめて、そのスペースに入る量で、自分が満足できる大切な衣類を持つようにしています。
例えば、簡単なところでいうと、大型冷蔵庫が欲しいけど、キッチンのスペースに収まらないからあきらめて、サイズが入るものを購入した、という事はありませんか?
駅から徒歩5分、人気のエリアの広い家が欲しい、と希望はあっても自分の払える金額と照らし合わせて、条件をあきらめて自分の居場所を見つけますよね。
受験や就職も同じ。どれだけ望んでも無理だった場合、あきらめて自身の場所でやりがい、楽しみを見つけて人生輝かせるのです。
厳しいことを言うようですが、片付けたいのに物が多すぎる人、そんな人は覚悟が足りないのかもしれません。どんな暮らしにしたいかしっかりとイメージして覚悟を決める。誰かに依存するでもなく、モノに依存せず、暮らしを整える覚悟をして下さい。
物を捨てるのも覚悟が必要です。いつもお客様からは、捨ててもいいですか?要らないと思いますか?などと聞かれます。意見は申し上げますが、決めるのはあなた自身です。
最後に1点。私たちアドバイザーにご依頼いただくお客様のほとんどは、しっかり片付け結果を出されます。これは私達のようなプロがサポートをした、ということもありますが、ご依頼いただいた時点で、ある程度の覚悟を決めて下さっているからうまくいくのだと思います。
今回は、収納技でも、モノを捨てるコツでもなく、覚悟という言葉で片付けについて心を込めてお話してみました。何か伝わることがあればうれしいです。