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ランディとイチローの前に。同じ球団で同じ背番号が2人の永久欠番に

宇根夏樹ベースボール・ライター
デーブ・スチュワートは、オークランドで生まれ育った Apr 4, 2016(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 8月25日、オークランド・アスレティックスは「1989年のワールドチャンピオン30周年」を記念するセレモニーを催し、来年、デーブ・スチュワートの背番号「34」を欠番にすることを発表した。下のツイートの写真(左下)には、スチュワートとリッキー・ヘンダーソンが並んでいる。リッキーの背番号「24」は、もちろん欠番だ。

 スチュワートは、1986~92年と1995年にアスレティックスで投げ、1987~90年は4年続けて20勝以上を記録した。4勝0敗で優勝した1989年のワールドシリーズでは、第1戦と第3戦に先発し――地震によってシリーズが一時中断した――完封と7回3失点で2勝を挙げ、MVPを受賞した。また、スチュワートはオークランドで生まれ育ち、オークランドの高校を卒業した。

 アスレティックスが背番号「34」を欠番とするのは、これが2度目だ。今から26年前の1993年に、ローリー・フィンガースの欠番とした。こちらは、1968~76年にアスレティックスで投げ、136セーブを記録した。3連覇した1972~74年のワールドシリーズでは、どのシリーズも2セーブを挙げ、1974年はMVPに選ばれた。

 ワールドシリーズMVPを手にしたアスレティックスの投手は、フィンガースとスチュワートしかいない。

 同じ球団の同じ背番号を、2人が欠番として「共有」するのは、これが初めてではない。アスレティックスの「34」の次は、おそらく、シアトル・マリナーズの「51」だろう。ランディ・ジョンソンイチローだ。ランディは1989~98年、イチローは2001~12年と2018~19年に、マリナーズでプレーした。

筆者作成
筆者作成

 殿堂に飾ってあるランディのプラークは、アリゾナ・ダイヤモンドバックスのキャップをかぶっているが、在籍期間はマリナーズの方が長く、登板試合、勝ち星、奪三振なども多い。ヤンキースの背番号「8」とシカゴ・カブスの背番号「31」と同じように、マリナーズは背番号「51」を、同時に2人の欠番にすると思われる。

 なお、2015年にランディが殿堂入りした直後、ダイヤモンドバックスは背番号「51」を欠番とした。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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