91歳のドン・キングが手掛けるクルーザー級ファイター
91歳のプロモーター、ドン・キングがWBCクルーザー級のシルバー王者、ノエル・ミカライアンとの契約を締結した。ミカライアンは32歳のドイツ人で、目下26勝(11KO)2敗。
ミカライアンは語った。
「伝説のプロモーターであり、真の開拓者でもあるドン・キングと仕事ができることを心から嬉しく感じる。彼は僕にとって最適な道を用意し、世界王座に就くという夢が実現する舞台を作ってくれるだろう。ワクワクしている」
ドン・キングは毀誉褒貶のある男だが、ボクシング史に残る数々のビッグマッチを催してきたのも事実だ。もはや第一線からは退いたものの、こうして怪気炎を上げる姿は恐れ入る。
「ミカライアンが倒せない選手など見当たらない」とキングの鼻息は荒い。現在WBCクルーザー級王座に就くイルンガ・マカブのプロモートもキングの社が担当する。
「この2名は世界中のベストファイターだ。私の使命はファンに最高級の試合を提供すること。いずれ両者は戦うこととなるだろう」(ドン・キング)
キングは井上尚弥がバンタム級を制したWBSSについて言及した。
「ミカライアンはクルーザー級トーナメントで勝った筈だった。ジャッジの判断には納得がいかない。が、いつでもトップ選手であることを証明できる」
2020年に終了したWBSSを持ち出すとは、キングが現場からかなり離れていることを示す。また、メキシコ、アカプルコで行われた先のWBC総会には、ドクターストップで出席がかなわなかった。
91歳のキングは、今後どのような働きを見せるのか。全盛期の彼は多くのファイターを意のままに操り、搾取し、人生をボロボロにした。果たして、ミカライアンはいかなる扱いを受けるのか。