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ワールドスタンダード+個性という最強タッグ ダブルツリーbyヒルトンってかなりお得では?

岩佐史絵トラベルジャーナリスト
大阪城のライトアップをこの角度から愛でることができるのはここだけ

旅の思い出を左右する、重要なホテル選び

みなさま楽しい旅行シーズンをお過ごしでしょうか。

旅に出るとき、なかなか頭を悩ませるのがホテル選び。「昼間は観光で忙しく、ただ眠るだけだから雨露しのげればOK」と値段で決める人も多いかもしれませんが、ホテルの良しあしは旅の思い出に大きく影響する重要なポイント。ラグジュアリーホテルの予算がない場合でも、ある程度”質”が保証されていることが望ましい。そういうときはよく名が知れているホテルチェーンが安心です。とはいえ、「チェーンのホテルって、どこへ行っても同じだよね」というのもまた事実。スタンダードをきっちりと守り「予想通り」という安心感がその”価値”なわけですから、それも至極当然のことです。

某所のドーミーイン。どこへ行っても同じインテリアだが、シックな落ち着きのある部屋、必要なものが最低限揃うサービスと、ハズレがない安心感がある。
某所のドーミーイン。どこへ行っても同じインテリアだが、シックな落ち着きのある部屋、必要なものが最低限揃うサービスと、ハズレがない安心感がある。

……という印象を筆者はもっていたのですが、このほど『ダブルツリーbyヒルトン』(以下「ダブルツリー」と表記)の「那覇首里城」と「大阪城」に立て続けに宿泊するチャンスがありまして、ちょっと考えが変わりました。

ダブルツリーは、近年すごい勢いで世界中に展開している、ヒルトングループのブランドのひとつです。その数、なんと57の国と地域で680軒以上! ヒルトンの中ではリーズナブルな中堅ホテルといった位置づけなのですが、いまひとつ立ち位置がわからず。なにが筆者を惑わせていたかというと、こちらフルサービスのホテルなのですよ。フルサービス、つまりレストランや会議室、ボールルームなど一連の施設を備えたホテルで、リーズナブルながらもホテルとして求められている機能とサービスが備わっているという。日本はビジネスホテルが異様な進化を遂げているため、気軽なお値段でも朝食や夜鳴きそばといったソフトサービス面がすごすぎるホテルがよくありますが、ハード面まで整っているのにリーズナブルとは? となるわけです。ただ、それだけではないエモさをもっているなと感じたのがダブルツリー。泊まってみないとわからない、”ここだけ”のユニークネスがありました。

チェックイン時に温かいチョコチップクッキーをくれる。このチョコチップクッキーは数十年前から続く全世界共通のレシピとサービス。どこへ行っても同じ”ダブルツリーの味”が楽しめる
チェックイン時に温かいチョコチップクッキーをくれる。このチョコチップクッキーは数十年前から続く全世界共通のレシピとサービス。どこへ行っても同じ”ダブルツリーの味”が楽しめる

地元との距離感がぐっと近い、那覇首里城

首里城まで徒歩圏の『ダブルツリーbyヒルトン那覇首里城』は、首里城に最も近いロケーションにあるホテルで、1973年にオープンした『ホテル日航那覇 グランドキャッスル』が前身です。「首里城」の名を冠することは地元でも非常に誇り高いことである中、唯一その名を冠することができたホテルだったといいます。首里城が世界遺産に認定されたいま、このエリアに新しくホテルが建築されることはおそらくないでしょうから、非常に貴重なロケーションでもあります。

フルリノベーションされているわけではないため、昭和なイメージがそこここに残るものの、その歴史があるところがまたいい感じです。

ツインプレミアムデラックスルーム。サンゴや首里城の赤瓦を思わせる赤がアクセント。窓からは市街を一望するほか、小さなプロジェクターライトがあって、夜は天井に”なにか”が映し出される!
ツインプレミアムデラックスルーム。サンゴや首里城の赤瓦を思わせる赤がアクセント。窓からは市街を一望するほか、小さなプロジェクターライトがあって、夜は天井に”なにか”が映し出される!

リゾートゆえ、アウトドアのプールを完備。ほかに、宴会場やチャペルもあり、ラグジュアリーホテルの感もあるのがダブルツリー。地元の人にも愛されていて、ここで結婚式を挙げるのがステイタスとも
リゾートゆえ、アウトドアのプールを完備。ほかに、宴会場やチャペルもあり、ラグジュアリーホテルの感もあるのがダブルツリー。地元の人にも愛されていて、ここで結婚式を挙げるのがステイタスとも

プールサイドのタイルには、ハート形のものがひっそりと埋め込まれている。こんな遊び心がちょっと楽しい。3か所あるので、探してみて!
プールサイドのタイルには、ハート形のものがひっそりと埋め込まれている。こんな遊び心がちょっと楽しい。3か所あるので、探してみて!

高所にあることもあり、バー『サンセットラウンジ』からは周囲を遠くまで見渡す。ここまで遠方まで見渡せるのはこのホテルだけ。シグネチャーカクテルを片手に、サンセットや那覇の夜景を楽しんで
高所にあることもあり、バー『サンセットラウンジ』からは周囲を遠くまで見渡す。ここまで遠方まで見渡せるのはこのホテルだけ。シグネチャーカクテルを片手に、サンセットや那覇の夜景を楽しんで

”センベロ”のお店が密集するウワサの栄市場もホテルからタクシーで5分ほどと、至近。夜は地元の人たちが多く集まるので、ふれあいを楽しむことができる
”センベロ”のお店が密集するウワサの栄市場もホテルからタクシーで5分ほどと、至近。夜は地元の人たちが多く集まるので、ふれあいを楽しむことができる

朝食ビュッフェには沖縄で”食べるべき”がすべてそろっている。素材の多くは地元の生産者からというこだわりぶり。写真には写っていないけれど、ホテルカレーもあってこれまた絶品♪
朝食ビュッフェには沖縄で”食べるべき”がすべてそろっている。素材の多くは地元の生産者からというこだわりぶり。写真には写っていないけれど、ホテルカレーもあってこれまた絶品♪

1972の開業当時から勤続50年以上のももえさん。土地の象徴のひとつでもあるホテルで働けてうれしい、とにこやか。なるほど、「首里城」と名を冠することができる場所は、地元の人にとってもエクスクルーシブ
1972の開業当時から勤続50年以上のももえさん。土地の象徴のひとつでもあるホテルで働けてうれしい、とにこやか。なるほど、「首里城」と名を冠することができる場所は、地元の人にとってもエクスクルーシブ

首里城までは徒歩で10分ほど。歩いて行けるからこそ、首里の街並みやびんがたの工房、交配のある小路など、地元文化をとても身近に感じることができる。ビジターであって地元に密着しているこの距離感が最高
首里城までは徒歩で10分ほど。歩いて行けるからこそ、首里の街並みやびんがたの工房、交配のある小路など、地元文化をとても身近に感じることができる。ビジターであって地元に密着しているこの距離感が最高

ダブルツリーbyヒルトン那覇首里城
〒903-8601 沖縄県那覇市首里山川町1-132-1
TEL: 098-886-5454

くすっと笑える大阪らしさが親しみやすい 大阪城

2024年5月1日に開業したばかりの『ダブルツリーbyヒルトン大阪城』は、その名のとおり大阪城の至近にあり、客室やメインダイニングなどそこかしこから大阪城を愛でることができます。

ダブルツリーとしては大阪初進出で、ヒルトンとの違いはロケーションやサービススタイルとのこと。ヒルトンが駅前などにありビジネスよりだとすると、ダブルツリーはのんびりしたレジャー旅行向けといったところでしょうか。ここでも温かみを重視しているとのことで、都会にありながらのんびりゆったりしているのが特徴的です。ラグジュアリーな雰囲気もあって、あら素敵……という中に、ちょこちょこと笑いが含まれているのが大阪っぽい!

デラックスルームはキャッスルビュー。リバービューの部屋もあって、そちらは桜や天神祭りの花火が見えるそう。「水の都」大阪をイメージし、波を思わせるカーペット
デラックスルームはキャッスルビュー。リバービューの部屋もあって、そちらは桜や天神祭りの花火が見えるそう。「水の都」大阪をイメージし、波を思わせるカーペット

大阪城公園の入り口までホテルから徒歩1分。朝はゆるゆる公園を散歩しながらお城を見に行く! とチェックイン時から楽しみ
大阪城公園の入り口までホテルから徒歩1分。朝はゆるゆる公園を散歩しながらお城を見に行く! とチェックイン時から楽しみ

ジム、屋内プールも完備。都会にありながらもこの設備、というところがダブルツリー。これだけの設備でありながら、プランによっては2万円弱からという料金設定が、筆者を「???」とさせるポイント
ジム、屋内プールも完備。都会にありながらもこの設備、というところがダブルツリー。これだけの設備でありながら、プランによっては2万円弱からという料金設定が、筆者を「???」とさせるポイント

レストラン『SEN(千)』のインターナショナルビュッフェには「おもろい」をテーマにした料理も多数。デザートコーナーにお好み焼きが……? と思ったら、お好み焼きそっくりのミルクレープ!
レストラン『SEN(千)』のインターナショナルビュッフェには「おもろい」をテーマにした料理も多数。デザートコーナーにお好み焼きが……? と思ったら、お好み焼きそっくりのミルクレープ!

ビュッフェには大阪らしくタコ焼きも。ソースを4種類から選べるこだわりぶり。朝は串揚げやかすうどんがあり、大阪の味を楽しめる
ビュッフェには大阪らしくタコ焼きも。ソースを4種類から選べるこだわりぶり。朝は串揚げやかすうどんがあり、大阪の味を楽しめる

地元アーティストによるタコの壁画が。タコ推し
地元アーティストによるタコの壁画が。タコ推し

『SEN』と同じフロアにあるラウンジ&バー『SEN(舟)』ではシグネチャーカクテル「Hideyoshi(左)」と「Nene」(各2,800円)をぜひ。秀吉の功績・大阪城を愛でつつ、乾杯!
『SEN』と同じフロアにあるラウンジ&バー『SEN(舟)』ではシグネチャーカクテル「Hideyoshi(左)」と「Nene」(各2,800円)をぜひ。秀吉の功績・大阪城を愛でつつ、乾杯!

レストランやラウンジ&バーではより低く、近くに見えていた大阪城のライトアップ。部屋から見るとこんな感じ。この景色はなかなかゴージャス
レストランやラウンジ&バーではより低く、近くに見えていた大阪城のライトアップ。部屋から見るとこんな感じ。この景色はなかなかゴージャス

天満橋の駅から徒歩5分ほど。以前はオフィスビルだったという建物で、下層階にはテレビ大阪が入居。オフィス感はすっかりなくなってラグジュアリーなイメージに
天満橋の駅から徒歩5分ほど。以前はオフィスビルだったという建物で、下層階にはテレビ大阪が入居。オフィス感はすっかりなくなってラグジュアリーなイメージに

ダブルツリーbyヒルトン大阪城
〒540-0008 大阪府大阪市中央区大手前1丁目1番1号
TEL: 06-6335-9801

個性とあたたかみがスタンダード

ダブルツリーのコンセプトは「Feel Good Moments(心地よい時間)」とのことで、あたたかみのあるおもてなしを重視しているそう。なるほど、彼らの”スタンダード”がこのソフト面=”人”によるおもてなしなのだとすると、そこが保証されているというのは最強のポイントかも。インバウンド需要に合わせてシンプルなホテルでもどんどん料金が上がっている中で、フルサービスでリーズナブル、しかもあたたかみのある接客がスタンダードというダブルツリーって貴重な存在ではないでしょうか。

日本には現在7軒が展開しているので、ほかのダブルツリーも見てみたいですね。

トラベルジャーナリスト

旅活歴は四半世紀以上のフリーランス トラベルジャーナリスト。3か月ごとに拠点を変えながらのノマドライフを夢見て、「この町に住んだなら」を妄想しつつ旅を続けます。その土地のリアルな文化を知ることで、旅はぐっと楽しくなるもの。じんわり心地よい旅先探訪中に出合ったいろいろをご紹介します。

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