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【クリスマス】サンタさんはどこにいる? 自信をもってこたえましょう「それはラップランドです!」

岩佐史絵トラベルジャーナリスト
トナカイのルドルフとそりの準備をするサンタさん©Visit Rovaniemi

サンタさんは、いますっ

いよいよクリスマスが近づいてまいりました!

子どものころにサンタさんがプレゼントをもって来てくれる! と期待に胸をふくらませた人も多いのではないでしょうか。

長じて自身がキッズにプレゼントを渡す側になると、「1年間いい子にしていたらサンタさんが……」と話して聞かせることもあるのでは? そしてすかさず切り返されるのです。「サンタさんってどこにいるの?」と。

子どもの夢をこわしたくない、と考え「北極」と答える人が多いのかなと思いますが、最近の子どもは賢いので北極の写真をググっちゃうかもしれません。実際の北極点にはサンタさんの家はおろか点すらありませんから、説明に行き詰まってしまったりして。

ご安心ください! 北極でサンタさんに年中会える場所が、フィンランドのラップランドにあるんです!

森と湖に囲まれたラップランド。年を通じて魅力的なアクティビティがあり、秋口から春先までもちろんオーロラ鑑賞も可能!
森と湖に囲まれたラップランド。年を通じて魅力的なアクティビティがあり、秋口から春先までもちろんオーロラ鑑賞も可能!

世界的に有名なサンタクロース村

ラップランドとはスカンジナビア半島北部のエリアで、北緯66度33分の北極線より北、つまり北極圏に入るところがほとんどという極寒の地。といっても、フィンランドのラップランド地方には街が点在し、夏場は緑豊かなグリーンツーリズム、冬にもオーロラ鑑賞や犬ぞり体験など、さまざまなウィンターアクティビティがある観光地としても人気があります。

なかでも最も大きな街・ロバニエミにあるサンタクロースヴィレッジ。ここでは1年中サンタクロースに会うことができるのですが、なぜならサンタクロースのオフィスがあり、サンタさんはそこで仕事をしているから――と、不自然さもなくちゃんと賢いキッズも納得の説明ができちゃいます。

みんないい子にしていたかな~ オフィスでプレゼントを袋詰め♪ オフィス入場は無料で、写真は専属カメラマンが撮影したものを購入するシステム。1年中サンタさんに会えます! ©Visit Rovaniemi
みんないい子にしていたかな~ オフィスでプレゼントを袋詰め♪ オフィス入場は無料で、写真は専属カメラマンが撮影したものを購入するシステム。1年中サンタさんに会えます! ©Visit Rovaniemi

オフィスではそれぞれのグループごとにサンタさんと触れ合う時間があるため、数分お話ができます。ここぞとばかりに気になっていた質問をしてみましょう。「夏はなにをしているの?」とか「一晩でどうやって世界中にプレゼントを配るの?」とか。ストレートに「クリスマスにはぜったい私のところに来てね!」とサンタさんに約束させる子もいるそう。もちろん「いい子にしていたらね」とやさし~く返されます。

訪れるタイミングにもよりますが、サンタさんにも”日本語がわかる日”がありますので、その日に当たったらラッキー! いや、もちろんサンタさんはこの世にひとりですよ。たまたま日本語が話したくなった、そんな日もある、というだけですよ、きっと。

プレミアムな郵便局ではがきを出そう

サンタさんに会えるだけではないのがこのヴィレッジ。サンタさんとの出会いを終えたら、つぎはぜひ郵便局へ。フィンランド国営のれっきとした郵便局ですが、中ではサンタさんのお手伝いエルフたちがせっせと働いている様子が見られます。一角には、世界中から送られてきたサンタさんへの手紙が国ごとに分けられて棚にしまわれていて、その膨大な数には驚くばかり。日本からの手紙ももちろんあり、すべてエルフたちが開封して目を通しているのだそう。

ちなみに、サンタクロースへの手紙を受け付けるサービスってカナダの郵便局でもやっているのですが、宛先が「北極のサンタさんへ」だけの手紙の場合どちらの国に届くかは、差し出された国の郵便局の判断に任されているそう。郵便屋さんがフィンランド推しか、カナダ推しかによる、ということですね。日本の郵便局ではどのように対応しているのか興味深いところです。

ジャマイカから届いたお手紙。宛先には国名がなく、「北極のサンタクロースへ」としか書かれていないがちゃんとヴィレッジまで届いている。
ジャマイカから届いたお手紙。宛先には国名がなく、「北極のサンタクロースへ」としか書かれていないがちゃんとヴィレッジまで届いている。

郵便局の一角にははがきや手紙を書くスペースがあるので、ゆっくり文面を考えながら書くことができる。訪れたのは9月の初めごろだが、年中クリスマスムードなのもサンタクロースヴィレッジならでは。
郵便局の一角にははがきや手紙を書くスペースがあるので、ゆっくり文面を考えながら書くことができる。訪れたのは9月の初めごろだが、年中クリスマスムードなのもサンタクロースヴィレッジならでは。

フィンランドでは郵便事業が簡素化されているため、実はこの郵便局、フィンランド国内で唯一の店舗なのです。ここでしか手に入らないオリジナルデザインのサンタさん切手もあり、ここからはがきや手紙を出すことそのものがお土産になります。クリスマスシーズンに配達されるようにすることもできるので、自身や親せきの子どもに送れば、クリスマス気分がアゲアゲになることはまちがいありません。

筆者も以前、娘あてにはがきを出してみましたが、ちゃんと12月の2週目くらいに届きました。サンタクロースのふりをして英語で書いたものの(ほんとはフィンランド語では、というツッコミはさておき)、「いつもがんばっていてえらいね」みたいな親ムード漂う内容だったため見破られたのか、スルーされました。大切なのは「サンタさんらしさ」だなと痛感しましたので、気を付けましょう。

向かって左側のポストがクリスマス用、右側がすぐに配達手配されるポスト。クリスマス気分UPの演出に、ぜひ! ※12月に入ってから投函すると、間に合わず翌年のクリスマスになるかも。投函時期に注意!
向かって左側のポストがクリスマス用、右側がすぐに配達手配されるポスト。クリスマス気分UPの演出に、ぜひ! ※12月に入ってから投函すると、間に合わず翌年のクリスマスになるかも。投函時期に注意!

サンタさんにお願いしてはがきにサインをしてもらった人も(先にはがきを買っておくこと。混雑時は対応不可の可能性あり)。こんなハガキが届いたらたしかにうれしいはず!
サンタさんにお願いしてはがきにサインをしてもらった人も(先にはがきを買っておくこと。混雑時は対応不可の可能性あり)。こんなハガキが届いたらたしかにうれしいはず!

北極圏への入り口体験

実は、このサンタクロースヴィレッジがあるところは、ちょうど北緯66度33分の場所。その境界線が敷地内に引いてありますので、北極記念に線をまたいで写真を撮るのもお忘れなく! 冬場は雪で地面が覆われていますが、上部に青く光る線が渡してあり北極線の場所がわかるようになっています。

また、ヴィレッジはなかなか広く、犬ぞり(冬場のみ)やトナカイのそり(冬場のみ)のほか、エルフたちとのワークショップなどアクティビティがかなりあります。レストランやカフェ、宿泊施設に、なんとマリメッコやイッタラなどフィンランドブランドのアウトレットショップまであり、大人のお楽しみもばっちり。しっかり事前プランをして、時間をとって過ごすことをお勧めします。

冬のヴィレッジ。4本の電気灯の線上が北緯66度33分線で、向かって左側から右側へジャンプすると「北極圏内へIN!」の写真が撮れる。逆にしている人が多いのでご注意! ©Visit Rovaniemi
冬のヴィレッジ。4本の電気灯の線上が北緯66度33分線で、向かって左側から右側へジャンプすると「北極圏内へIN!」の写真が撮れる。逆にしている人が多いのでご注意! ©Visit Rovaniemi

人それぞれだと思いますが、筆者はサンタさんって夢があっていいと思います。特に子どもが小さいうちは、その存在を信じることでウキウキ楽しいクリスマスシーズンを過ごせるでしょう。そんな子どもたちにとって、実際に北極までサンタさんに会いに行くという体験は、人生のなかでもとてつもないビッグイベントのひとつになるはず。

お子さんがなるべく小さいうちに、ぜひ!

来年の旅行プランを立てつつ、楽しいクリスマスをお過ごしください!

<データ>

サンタクロースヴィレッジ
Santa Claus Village
Tähtikuja 1
96930 Napapiiri (Arctic Circle)
Finland
入場無料
※有料アクティビティあり
※Meet Santa Clausは無料、写真は購入(個人で撮影すのは不可)
年中無休
※季節によって開園時間が異なるので注意

<アクセス>

ダウンタウンから少し離れているため、有料の巡回バス、レンタカー、タクシーなどを利用。
空港から近く、空港シャトルもヴィレッジに止まるものがある。

<アクセス※ロバニエミまで>

サンタクロースオフィシャルエアラインでフィンランドのフラッグキャリアフィンエアーが便利。
東京(羽田/成田)、関空からヘルシンキまで直行便で約13時間、
乗り継いでロヴァニエミまで約1時間半

トラベルジャーナリスト

旅活歴は四半世紀以上のフリーランス トラベルジャーナリスト。3か月ごとに拠点を変えながらのノマドライフを夢見て、「この町に住んだなら」を妄想しつつ旅を続けます。その土地のリアルな文化を知ることで、旅はぐっと楽しくなるもの。じんわり心地よい旅先探訪中に出合ったいろいろをご紹介します。

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