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オートバイのあれこれ『ニンジャを加速でブッチぎる!』

Rotti.モトエンスー(moto enthusiast)

全国1,000万人のバイク好きたちへ送るこのコーナー。

今日は『ニンジャを加速でブッチぎる!』をテーマにお話ししようと思います。

1985年(昭和60年)、ヤマハがドラッグレース車両のようなキャラクターの『VMAX』をリリースし、世間を大いに賑わせたわけですが、実はカワサキもこの年にVMAXと似たテイストのモデルを世に放っていました。

エリミネーター900』。

▲Eliminator900〈1985/画像引用元:川崎重工〉
▲Eliminator900〈1985/画像引用元:川崎重工〉

今「エリミネーター」と聞くと、昨年(2023年)に新発売された400ccの『エリミネーター』を想起するかもしれませんが、これの祖先のような存在がエリミネーター900です。

▲現行モデルのエリミネーター
▲現行モデルのエリミネーター

そんなエリミネーター900の最大の見どころはエンジン。

なんと、「元祖ニンジャ」こと『GPz900R』の水冷4気筒エンジンが搭載されていました。

GPz900R〈1984/画像引用元:川崎重工〉
GPz900R〈1984/画像引用元:川崎重工〉

ニンジャは当時世界最速のオートバイでしたが、それと同じ心臓部が使われていたということです。

さらに、ただそのまま流用したのではなく、エリミネーターへ搭載するにあたってセッティングが加速重視にアレンジされていました。

この手直しによって、静止状態からの加速力はニンジャよりもエリミネーターのほうが強烈だったといわれています。

世界最速のオートバイをも、スタートダッシュで巻いてしまうバイクだったのですね。

▲ライバルのVMAX。エリミネーターはVMAXの人気をなかなか奪えなかった〈1985/画像引用元:ヤマハ発動機〉
▲ライバルのVMAX。エリミネーターはVMAXの人気をなかなか奪えなかった〈1985/画像引用元:ヤマハ発動機〉

エリミネーター900は走りのポテンシャルとしては並々ならぬものを持っていたといえますが、当時はやはり『Vブーストシステム』など、斬新なディテールで固められていたVMAXのほうへ注目が集まってしまい、エリミネーターは残念ながらVMAXの陰に隠れる形でマイナーな存在のまま消滅してしまったのでした。

モトエンスー(moto enthusiast)

バイクを楽しむライター。バイク歴15年で乗り継いだ愛車は10台以上。ツーリング/モータースポーツ、オンロード/オフロード、最新バイク/絶版バイク問わず、バイクにまつわることは全部好き。

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