ゴールドグラブ9度の名捕手が16年目に「三塁手デビュー」
4月1日、ヤディアー・モリーナ(セントルイス・カーディナルス)が、キャリアで初めて三塁を守った。メジャーリーグ16年目のモリーナは、ゴールドグラブ9度の名捕手だ。これは、捕手ではイバン・ロドリゲス(13度)とジョニー・ベンチ(10度)に次ぐ。モリーナがこれまでの1874試合で守ったポジションは、他に一塁が40試合あるだけで、マイナーリーグの301試合でも、捕手と一塁手以外の経験はなかった。
この日も、モリーナは「5番・捕手」として先発出場した。だが、それまで三塁を守っていたマット・カーペンターが、11回表の打席で投球の判定に抗議して退場に。その後、控え捕手のマット・ウィータースは、代打として出場した。ウィータースは最後までベンチに残っていた、13人目の野手だった。モリーナと同じく、ウィータースも捕手と一塁手以外はマイナーリーグでも未経験。11回裏は、ウィータースがマスクをかぶり、モリーナは三塁へ移った。
結局、モリーナが守る三塁に打球は飛ばず、送球も来ないまま――投手ゴロ(1-3)、四球、併殺打(4-6-3)――試合は終わった。とはいえ、32歳のウィータースに対し、モリーナは36歳。野手ではチーム最年長だ。スタッツ社のツイートによると、メジャーリーグで初めて遊撃あるいは三塁を守るまでに、1800試合以上に出場したのは、モリーナが史上7人目だという(調べたところ、7人とも、キャリアを通して遊撃は守っていない)。
彼らは、ゴールドグラブがなかった時代にプレーしたタイ・カッブを除くと、いずれも3度以上の受賞歴を持つ。ちなみに、ウィータースの受賞は2度(2011~12年)だ。また、過去6人のうち、トニー・ペーニャ以外の5人は殿堂入りしている。モリーナも、数年後に仲間入りすることは、まず間違いない。プレーするのは、3年契約が終わる来シーズンまでの予定なので、殿堂入りは2026年になりそうだ。