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湯船のどの位置から入るべき? 恥をかかずにすむ温泉入浴のマナー

高橋一喜温泉ライター/編集者

温泉に入浴する際、湯船のどの場所から入ればよいか?

「そんなことは考えたことはない」という人が大半だろう。「それくらい自由にさせてほしい」と思うかもしれない。

だが、本当に温泉が好きな人は、湯船のどの位置から入るかにもこだわる。

筆者は、湯口からいちばん遠いポジションから入浴する。つまり、新鮮な源泉が注がれる投入口から、最も離れた場所から入るのがマナーだと考えている。

銭湯などと違って、湯の個性を楽しむのが温泉入浴の魅力。湯口に近いほど新鮮な源泉を楽しめる特等席といっても過言ではない。

ときどき湯口の前を終始独占している人を見かける。なかには、打たせ湯のように直接、湯を体に当てている人もいる。

気にしすぎだと思われるかもしれないが、見ていてあまり気持ちのよい行為ではない。

また、温泉ではボディソープや石鹸で体をしっかり洗う前に、かけ湯だけして入浴するケースも多い。衛生面の意味でも、湯があふれ出していく湯尻付近からつかるのがマナーだといえるだろう。

レアケースになるが、九州のある共同浴場では、体を洗う前に入る湯船と、洗ったあとに入る湯船の2つに分かれているところがあった。何も知らずに後者の湯口に近いほうの湯船に浸かってしまった筆者は当然、注意を受けることとなった。

先客がいるときは、タイミングを見計らって徐々に湯口に近づくのがマナー。体を洗う前にいきなり湯口付近に陣取るのは避けたい。

湯尻から入るのは、体に負担をかけないことにもつながる。

急に熱い湯に入ると血圧が急上昇して、体に負担がかかる。したがって、ぬるい湯から先に入り、徐々に熱い湯に慣れていくのが原則である。

湯船内に湯に温度差があるなら、湯口付近の熱い場所でなく、湯口から離れていて相対的に温度が低い場所から入るのが理に適っている。

これらのことを気にかけている人はあまりいないと思うが、これができると温泉めぐりの上級者。マナーを守って気持ちよく温泉入浴を楽しみたい。

高橋一喜|温泉ライター

386日かけて日本一周3016湯を踏破/これまでの温泉入湯数3800超/著書に『日本一周3016湯』『絶景温泉100』(幻冬舎)、『ソロ温泉』(インプレス)/温泉ワーケーションを実行中/2021年1月東京から札幌へ移住/InstagramnoteTwitterなどで温泉情報を発信中

温泉ライター/編集者

温泉好きが高じて、会社を辞めて日本一周3016湯をめぐる旅を敢行。これまで入浴した温泉は3800超。ぬる湯とモール泉をこよなく愛する。気軽なひとり温泉旅(ソロ温泉)と温泉地でのワーケーションを好む。著書に『日本一周3016湯』『絶景温泉100』(幻冬舎)、『ソロ温泉』(インプレス)などがある。『マツコの知らない世界』(紅葉温泉の世界)のほか、『有吉ゼミ』『ヒルナンデス!』『マツコ&有吉かりそめ天国』『ミヤネ屋』などメディア出演多数。2021年に東京から札幌に移住。

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