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5個目の五輪金メダルを獲得したアメリカ女子サッカーの強さ #専門家のまとめ

林壮一ノンフィクション作家/ジェイ・ビー・シー(株)広報部所属
(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 女子サッカーは、ワールドカップよりオリンピックの方が価値が高いとされる。1996年のアトランタ、2004年のアテネ、2008年北京、2012年のロンドンと合わせて、5度目の金メダルを獲得したアメリカ代表。アテネ、北京のファイナルで敗れたブラジルは、今回こそはとの思いでピッチに立った。

 女子サッカーのレジェンドであり、ブラジルの10番を背負うマルタを61分に投入するも、アメリカの壁を破れなかった。アメリカの強さとは。

ココがポイント

▼前半、ブラジルに押されていたアメリカ女子代表だったが、後半に入ると息を吹き返し、57分に先制ゴール。虎の子の1点を守った。

・【パリ五輪】アメリカ女子が3大会ぶり5度目の金メダル! スワンソンの決勝弾でブラジルを1-0撃破!(サッカーダイジェストWeb編集部)

▼アメリカ女子代表が2012年のロンドン大会以来、3大会ぶり最多5度目となる金メダルを獲得した。ブラジルは3度決勝で涙を呑んだ。

・後半に流れを変えたアメリカがブラジルを下して3大会ぶり5度目の金メダル《パリ五輪》(超WORLDサッカー!)

▼五輪決勝で3度目の対戦となったアメリカとブラジル。ブラジルは今回も、2004年アテネ大会、2008年北京大会の雪辱を果たせなかった。

・アメリカ、3大会ぶり最多5度目の金メダル! ブラジルとの接戦を制す【パリ五輪女子サッカー】(サッカーキング)

エキスパートの補足・見解

 70年代、アメリカの大学では女子にもスポーツをやらせようという空気があった。72年にアメリカ政府が認定した、女性の人権を守り、地位を向上させようという法案「Title IX」の影響だ。同法が施行されるまで高校生の女子がスポーツをするのは27人に一人で、スポーツ推薦で大学に進学する者はおらず、女子アスリートに与えられる予算は、どの大学も全体の2パーセントに過ぎなかった。

 やがてサッカーを選ぶ女子アスリートが増加するなか、2001年に、女子サッカーのプロリーグが発足した。が、興行成績は振るわず、同リーグは僅か3シーズンで消えている。09年にも別の名、WPSとして再生したが、やはり3シーズンしか続かなかった。

 こうした苦い歴史を理解している選手たちの「勝たなければ職を失う」という意識が、強さの秘訣ではないか。

ノンフィクション作家/ジェイ・ビー・シー(株)広報部所属

1969年生まれ。ジュニアライト級でボクシングのプロテストに合格するも、左肘のケガで挫折。週刊誌記者を経て、ノンフィクションライターに。1996年に渡米し、アメリカの公立高校で教壇に立つなど教育者としても活動。2014年、東京大学大学院情報学環教育部修了。著書に『マイノリティーの拳』『アメリカ下層教育現場』『アメリカ問題児再生教室』(全て光文社電子書籍)『神様のリング』『世の中への扉 進め! サムライブルー』、『ほめて伸ばすコーチング』(全て講談社)などがある。

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