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新たな台風が発生し、3連休にかけ日本の南へ北上か

杉江勇次気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属
雲の様子(ウェザーマップ)

沖縄付近の熱帯低気圧は動きが遅く、影響が長引く

風向風速と雨の予想(ウェザーマップ)
風向風速と雨の予想(ウェザーマップ)

沖縄付近を熱帯低気圧が西進しています。この影響で、沖縄付近には非常に活発な雨雲がかかり、きのう9日(月)は、午後4時40分までの1時間に、伊江村付近で約110ミリ、また午後5時までの1時間に、同じく伊江村付近で120ミリ以上の猛烈な雨が降ったとして、記録的短時間大雨情報が発表されました。

大雨のピークは越えましたが、熱帯低気圧の動きは遅く、あす11日(水)にかけても南から活発な雨雲のかかりやすい状態が続くでしょう。また西日本を中心に、本州付近でも熱帯低気圧周辺の暖湿流の影響で、雷雲が発達しやすく、ともに警報級の大雨となるおそれがあります。土砂災害や低い土地の浸水などに要注意です。

新たな台風が発生し、3連休にかけ日本の南へ

熱帯低気圧の予報円(ウェザーマップ)
熱帯低気圧の予報円(ウェザーマップ)

最新の熱帯低気圧の予報円(気象庁発表)

昨夜9日(月)午後9時、グアム島近海のマリアナ諸島で、新たな熱帯低気圧が発生しました。そしてきょう10日(火)午前3時の気象庁の発表によると、この熱帯低気圧は今後24時間以内に台風へ発達し、北上する予想となっています。

予報円の真ん中を進むと、13日(金)には北緯20度を越え、日本の南に北上し、その後、北西方向へ進んで、3連休の14日(土)から15日(日)にかけて、沖縄方面を指向する予想です。今のところ、暴風域は伴わない勢力で北上する予想ですが、台風が発生してから勢力予想は強まることが多いため、最新の情報に注意が必要です。

太平洋高気圧が本州付近への転向をブロック?

太平洋高気圧と新たに発生が予想される台風の予想(ウェザーマップ発表に筆者が加工)
太平洋高気圧と新たに発生が予想される台風の予想(ウェザーマップ発表に筆者が加工)

新たに発生が予想される台風の進路を決めるのは、今回も日本付近に張り出している太平洋高気圧の盛衰が鍵を握ることになりそうです。あさって12日(木)朝の予想では、本州付近に真夏と同じように太平洋高気圧が居座る状態となっていて、このような形が続けば、台風はまずこの壁を打ち破ることは出来ずに、太平洋高気圧の縁を西進し続けることになるでしょう。

ところが14日(土)朝には、この太平洋高気圧の勢力がだいぶ弱まる予想で、こうなると台風は北上傾向を示す可能性もありますが、実はこのあと、再び本州付近で太平洋高気圧の勢力が盛り返すため、本州付近へは転向せずに、予報円のように、沖縄に向かって西進を続ける可能性が高い進路予想となっているのです。

ただ先日の台風10号の時もそうでしたが、この鍵を握る太平洋高気圧の勢力予想は、計算変わりすることも多々あり、強まれば、もっと南を西進する一方、弱まれば、本州付近へ北上傾向を示す可能性も十分に考えられます。やはり最新の予報円をチェックしなければなりません。

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

人の生活と気象情報というのは切っても切れない関係にあると思います。特に近年は突発的な大雨が増えるなど、気象情報の重要性が更に増してきているのではないでしょうか? 私は1995年に気象予報士を取得しましたが、その後培った経験や知識を交えながら、よりためになる気象情報を発信していきたいと思います。災害につながるような荒天情報はもちろん、桜や紅葉など、レジャーに関わる情報もお伝えしたいと思っています。

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