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ヘンリー王子が米スタートアップ企業の幹部に就任、「テスラの車載カメラはプライバシー侵害の恐れ」と米誌

小久保重信ニューズフロントLLPパートナー
(写真:Splash/アフロ)

筆者が注目した海外発最新テクノロジーニュース2本ダイジェストで

[1]ヘンリー王子、米スタートアップ企業の幹部に就任

英国のヘンリー王子が米シリコンバレーに本社を置くスタートアップ企業の幹部に就任したと、米ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)などが3月23日に報じた。

コーチングやメンタルヘルスのサービスを提供している企業、ベターアップ(BetterUp)の「チーフ・インパクト・オフィサー」として迎え入れられた。

製品戦略の意思決定や慈善寄付活動で助言するほか、メンタルヘルスに関する啓発活動の役割も担うとみられるという。ヘンリー王子はWSJの電子メール取材に応じ、「人々の生活に影響を与える手助けがしたい」とコメントした。

ヘンリー王子とメーガン妃は王室を離脱後、米動画配信大手のネットフリックスやスウェーデンの音楽配信大手スポティファイ・テクノロジーとコンテンツ制作契約を結ぶなど、新たな活動を始めている。

ネットフリックスとの5年契約の金額は1億ドル(約110億円)台だと関係者は話しているという。

[2]「テスラの車載カメラはプライバシー侵害の恐れ」、米消費者情報誌

米テスラが一部の電気自動車(EV)に搭載しているカメラは、搭乗者のプライバシーを侵害する恐れがあると、ロイターが3月23日に報じた。

米消費者情報誌コンシューマー・リポートが指摘した。小型セダン「モデル3」と小型SUV「モデルY」のルームミラー上部に「キャビンカメラ」と呼ぶ、運転者を撮影するカメラを設置している。

画像出典:米Consumer Reports誌
画像出典:米Consumer Reports誌

カメラ機能を有効にすると、衝突直前や自動非常ブレーキ作動時の映像を撮影する。テスラは動画データを収集し、自動運転技術の研究開発に役立てているという。

コンシューマー・リポートは、「テスラ車が運転者の注意力を検知できるのであれば、他社のように危険時に警告を出す必要がある」と指摘した。

独BMWや米フォード・モーター、米ゼネラル・モーターズ(GM)、SUBARU(スバル)などはテスラと対照的なアプローチで、動画データを収集していない。赤外線技術を用いて運転者の目の動きや頭の位置を認識。注意散漫の兆候を検知し、警告を出すシステムを搭載しているという。

ニューズフロントLLPパートナー

同時通訳者・翻訳者を経て1998年に日経BP社のウェブサイトで海外IT記事を執筆。2000年に株式会社ニューズフロント(現ニューズフロントLLP)を共同設立し、海外ニュース速報事業を統括。現在は同LLPパートナーとして活動し、日経クロステックの「US NEWSの裏を読む」やJBpress『IT最前線』で解説記事執筆中。連載にダイヤモンド社DCS『月刊アマゾン』もある。19〜20年には日経ビジネス電子版「シリコンバレー支局ダイジェスト」を担当。22年後半から、日経テックフォーサイトで学術機関の研究成果記事を担当。書籍は『ITビッグ4の描く未来』(日経BP社刊)など。

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