シベリアに14年ぶりの「居座り寒波」、夏との気温差94度
今年2021年の「暦上」の春は、異例の早さで訪れます。2月4日のイメージが強い立春ですが、今年は1897年以来初めて2月3日にやってくるのです。このために、立春の前日に当たる節分も124年ぶりに2月2日に前倒しして到来します。
しかしシベリアの寒気団はまだまだ強烈で、春の気配は当分感じられそうにありません。
今冬、シベリアでは記録的な寒さが襲っています。AP通信によるとロシア・シベリアのサハ共和国では、寒波の期間が過去14年間でもっとも長くなったといいます。
『世界の寒極』と称される、地球上でもっとも寒いとされるシベリアの2地点の最低気温は下記のようなものでした。連日マイナス50度(摂氏)を下回る最低気温か観測されています。
夏との差、94.2度!
ベルホヤンスクでは、昨年6月20日に38.0度という高温が観測されています。公式に認定されれば、北極圏の観測史上最高気温記録となります。
同じベルホヤンスクでは14日(木)に気温がマイナス56.2度まで下がりましたから、7か月間の気温差が38.0-(-56.2)=94.2度だったことになります。信じられない気温差です。
実はベルホヤンスクは、世界でもっとも寒暖差が大きい場所としてギネスにも登録されています。これまでの最低気温記録は、世界記録でもあるマイナス67.8度ですので、過去最高気温だった38.0度との差は105.8度に上ります。これが世界一の気温差として記録されています。
ベルホヤンスクは、その昔、政治犯の流刑地とされていたようです。この場所が選ばれた背景には、厳しい寒さの他に、夏の厳しい暑さもあったのでしょう。
厳しい寒さは世界各地で
今冬はシベリアやアジアのみならず、欧州やアメリカでも記録的に寒く多雪となっています。
アメリカ南部テキサス州ウェーコでは10日(日)、1982年以来最大となる11センチの雪が降りました。
また6日(水)にはスペインのClot del Tuc La Llançaという場所でマイナス34.1度まで気温が下がって、スペインの国内の観測史上もっとも低い気温となったもようです。
8日(金)からは首都マドリッドで50センチの雪が降って、50年ぶりの大雪となり、17億ドル(1,760億円)もの経済損失が出ています。大雪と寒波でごみ回収が遅れ、9,000トンもの大量のごみの山が道路に放置される事態となりました。
日本でも来週からは再び気温が下がるとのこと。春の到来が待ち遠しく感じられます。