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WBAスーパーミドル級タイトル戦、間も無くゴング!4戦全勝3KOの王者vs.12戦全勝5KOの挑戦者

林壮一ノンフィクション作家/ジェイ・ビー・シー(株)広報部所属
Photo:Andrew Dobin/TGB Promotions

 キューバからアメリカに移住し、プロ3戦目で空位となっていたWBA暫定スーパーミドル級王座を獲得。同暫定王者から正規チャンピオンに昇格したデビッド・モレル・ジュニア(23)と、12戦全勝5KOの挑戦者、マリオ・カザレス(30)が今日対戦する。

Photo: Andrew Dobin / TGB Promotions
Photo: Andrew Dobin / TGB Promotions

 チャンピオン、モレルは167.2パウンド、挑戦者、カザレスは166.6パウンドで前日計量をパスした。

 身長185センチにして、リーチ199センチのサウスポー、モレルのアマチュア戦績は、48勝(12KO)5敗。2016年ユース世界選手権で優勝し、最優秀選手に選ばれた。2017年にはキューバ・ナショナル王者となり、2018年インドで開かれた国際トーナメントでも優勝を飾った。

 2019年7月、常夏の祖国キューバを離れ、アメリカに移住。雪の多い極寒の地、ミネソタ州ミネアポリスで暮らし始め、翌月プロデビュー。

Photo:Andrew Dobin / TGB Promotions  チャンピオン、モレルは167.2パウンド
Photo:Andrew Dobin / TGB Promotions  チャンピオン、モレルは167.2パウンド

 目下4戦全勝3KOのモレルは言う。

 「この試合に向けて、これまでと同じようにハードな練習を重ね、しっかり準備した。コンディションは今まで以上にいい。この一戦はキューバvs.メキシコの戦争のようになるだろう。だからこそ、自分を追い込んで調整した。

 リングで何が起こっても、対応できる。自分の距離で戦う。接近戦でも打ち勝つ自信がある。必ず防衛してみせる

 俺は何事に対しても、幸せを感じていたいんだ。このタイトル戦についてもそうだよ。俺が経験不足だとか、色々いうヤツもいるが、そうした意見が間違っていることを証明する。168パウンドの選手なら、誰だって戦う心づもりはあるんだ。

 今やホームタウンとなったミネアポリスのリングに上がることが、実に嬉しい。素晴らしいファイトを御覧に入れるよ」

Photo:Andrew Dobin/TGB Promotions
Photo:Andrew Dobin/TGB Promotions

 挑戦者、マリオ・カザレスも話した。

 「キューバ人のファイティングスタイルが秀逸なことは、理解しています。我々メキシカンも、キューバ人から大きな影響を受けました。モレルも私も、そのスタイルの源が何であるかを分かっています」

Photo:Andrew Dobin / TGB Promotions  挑戦者、カザレスは166.6パウンド
Photo:Andrew Dobin / TGB Promotions  挑戦者、カザレスは166.6パウンド

 「世界タイトル挑戦の機会を、何年も待ち望んでいました。この瞬間の為に努力して来たんです。逃しはしません。本当に戦争となるでしょうね」

 若きキューバ人王者が勢いを止めずに白星を挙げるか、あるいはキャリアで勝る30歳の挑戦者が、プロの意地を見せるか。数時間後にゴングが鳴る。

ノンフィクション作家/ジェイ・ビー・シー(株)広報部所属

1969年生まれ。ジュニアライト級でボクシングのプロテストに合格するも、左肘のケガで挫折。週刊誌記者を経て、ノンフィクションライターに。1996年に渡米し、アメリカの公立高校で教壇に立つなど教育者としても活動。2014年、東京大学大学院情報学環教育部修了。著書に『マイノリティーの拳』『アメリカ下層教育現場』『アメリカ問題児再生教室』(全て光文社電子書籍)『神様のリング』『世の中への扉 進め! サムライブルー』、『ほめて伸ばすコーチング』(全て講談社)などがある。

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