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NBAドラフト1位に選ばれた228cmの19歳

林壮一ノンフィクションライター
(写真:ロイター/アフロ)

 今年のNBAドラフト1位はフランス出身の19歳、ビクター・ウェンバンヤマで、サンアントニオ・スパーズから指名を受けた。

 ウェンバンヤマは、12歳の頃からこの瞬間を夢見てパリ郊外で育った。彼は長い間、自分は他の誰とも違う、偉大な人物になれると信じてきた。

写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ

 今回のNBAのドラフトでは、14名のアメリカ国外の選手がコールされた。ウェンバンヤマは、2006年にトロント・ラプターズが1位指名したイタリア人プレーヤー、アンドレア・バルニャーニに次ぐ、<アメリカでキャリアを積んでいないドライチ>である。

写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ

 ウェンバンヤマは涙ながらに語った。

 「最高の気分。おそらく人生で最も幸福な夜だ。ずっと夢見ていたことが現実になったんだ。信じられないよ」と。

 身長228cmのウェンバンヤマは、これまでにヤニス・アデトクンボやケビン・デュラントと比較されてきた。そんな彼は折に触れて、「確かに僕はそういう選手に憧れてきたが、特定の誰かのようにはなりたくない。今までにない、そして今後も現れないような存在になりたい」 と主張してきた。

 この気の強さが武器となったか。

写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ

 米スポーツ総合チャンネルESPNは、14歳の頃からウェンバンヤマに注目していた。元社員のマイク・シュミッツは2020年2月に彼を「ヨーロッパ最高の有望株」、1年半前には「世界で最も興味をそそられるNBA有望株」と呼んだ。

 

 米国のバスケットボール関係者には「"KING"レブロン・ジェームズ以来の逸材」と評する人もいる。

写真:ロイター/アフロ

 ドラフトの2日前、ウェンバンヤマはヤンキースタジアムで始球式も経験した。正しく破格の扱われ方である。

写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ

 期待を裏切らずに成長を続けてきた彼は、NBAでどんなプレーを見せるのか。

ノンフィクションライター

1969年生まれ。ジュニアライト級でボクシングのプロテストに合格するも、左肘のケガで挫折。週刊誌記者を経て、ノンフィクションライターに。1996年に渡米し、アメリカの公立高校で教壇に立つなど教育者としても活動。2014年、東京大学大学院情報学環教育部修了。著書に『マイノリティーの拳』『アメリカ下層教育現場』『アメリカ問題児再生教室』(全て光文社電子書籍)『神様のリング』『世の中への扉 進め! サムライブルー』、『ほめて伸ばすコーチング』(全て講談社)などがある。

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