下層でもはっきりしている寒冷低気圧が北日本通過
熱帯低気圧(台風)と寒冷低気圧
台風などの熱帯低気圧は、中心付近の温度が周囲より高い低気圧で、地表付近では強い風が吹いていますが、上層に行くにつれて低気圧が弱くなり、風が弱まってゆきます。
逆に、寒冷低気圧と呼ばれる低気圧は、中心付近の温度が周囲より低く、大気の上層でははっきりしていても、地表付近でははっきりしなくなることが多い低気圧です。
しかし、4月5日(日)から6日(月)にかけて北日本を通過する寒冷低気圧は、地上天気図でもはっきり存在がわかります(図1)。
それほど、強い寒気を伴った寒冷低気圧が北日本を通過します。
事実、強い寒気の目安として、上空約5500メートルで氷点下36度が使われますが、今回の寒気は、真冬でもめったに出現しない強い寒気です(図2)。
寒冷低気圧の危険性
寒冷低気圧が通過するということは、上空に強い寒気が入っていることを示します。
このため、下層に暖気が北上しやすい寒冷低気圧の南東側では、大気が不安定となって積乱雲が発達し、落雷や突風、降雹などの激しい現象が起きやすくなります。
4月4日(土)午後からは、大気の不安定に注意が必要です。
寒冷低気圧の大きな特徴として、動きが遅いということがあります。
つまり、大気が不安定な状態が長く続くという危険性があります。
寒冷低気圧が通過するまでは、最新の気象情報に注意してください。
北海道の気温
寒冷低気圧の通過により、札幌の気温は4月5日(日)から6日(月)に平年を下回りますが、その後は、ほぼ平年並みの気温が続きます(図3)。
3月前半にあったような寒さもなくなり、北国の春です。
札幌の16日先までの天気予報をみても、雪マークが6日(月)にありますが、晴れマークの日も多く、春を実感できそうな天気の予報です(図4)。
今年の桜の開花・満開は、暖冬の影響からほぼ全国的に早くなっていて、関東や東北南部などでは記録的に早くなっています。
ウェザーマップの予想では、桜前線は4月15日に津軽海峡を越え、4月24日に札幌に到達します。
桜など、色々な花が一斉に咲く北国の春もすぐそこです。
タイトル画像、図2、図4の出典:ウェザーマップ提供。
図1の出典:気象庁ホームページ。
図3の出典:気象庁資料とウェザーマップ資料をもとに著者作成。