まさか関係ある!?自律神経失調症とHSPの性格について
こんにちは、精神科医しょうです。
自律神経失調症は内臓や器官に異常はなくても、その人の生活習慣の偏りによって、自律神経機能のバランスが悪くなり起こるものです。
自律神経失調症を患った人が日常生活の中でやりがちなクセとしては、睡眠不足、偏食、運動不足など、不規則な生活があげられます。
また、性格などの個性が影響することもありますが、この場合は決して「良い・悪い」の問題ではなく、とらえ方や考え方を自分なりに工夫することで病の発症を予防することができます。
生まれ持った性格や個性は、その人の能力を伸ばす反面、その人を傷つけてしまうこともあります。
HSPさんの場合は、なかなか自分らしく振舞えない、人に譲歩してばかり…などでストレスをためてしまうことがあります。
そのストレスや傷ついた状態が、自律神経の乱れとして、症状になって表れてくることがあるのです。
今回は「自律神経失調症についてとHSPさんの性格との関連性」について考えてみたいと思います。
自律神経失調症が起こる要因と男女差は?
自律神経失調症が起こる要因として、その人の生活の仕方と感受性、ストレスの強弱が関係していることが多いと言われています。
ストレスも軽い内であれば、比較的ラクに対処することができますが、それが長い期間、重くのしかかると精神的にも肉体的にも大きな負担となり、生体のリズムが崩れ自律神経失調症として表れてしまいます。
自律神経失調症にかかりやすい年代にはばらつきがあり、一概には言えませんが、女性の方が多いと言われています。
要因としては、女性の体は月経、妊娠、出産、更年期など、男性にはない複雑な内部環境の変化にさらされており、自律神経が乱れやすい傾向があるためです。
さらに社会的役割として、結婚、仕事、育児などの中で不安や葛藤、緊張などにさらされる機会も多いため、体内のバランスが乱れることが多いと言えるでしょう。
自律神経失調症とHSPさんの性格
HSPさんに共通する特徴として以下のようなものがあります。
・クヨクヨと考えがち
・他人の評価が気になる
・ささいなことが気になり頭から離れない
・気持ちの切り替えが上手くできない
・場や人の空気や感情を深く読み過ぎる
・人の感情をもらいやすい
HSP気質を持つ方の中には、自分がストレスを感じていることに気がつかないまま、継続的にストレスをため込んでいるケースもあります。
「これが普通」「我慢して当然」などと自分に言い聞かせていることはありませんか?
性格や考え方は、本人が自分で思っているものと、その奥に潜むもっと本質的なものにズレがあることがあるので、厄介です。
自律神経はこの本質的な性格にも敏感に反応し、バランスを崩すと考えられています。
自分が無意識の内に無理をしていたり、我慢したりしていると、いずれ体のどこかに不調が表れます。
不調が表れた時は「無理をしていることはないか?」「ストレスを強く感じていないか?」などこれまでの自分の言動と気持ちを振り返り、原因が分かれば何らかの対処を取るようにしましょう。
まぎらわしい症状には注意!
自律神経失調症による不調は通常、内臓や器官そのものに異常は見当たらず、自律神経のアンバランスな状態が改善されれば回復します。
しかし、よく似た症状であっても別の大きな病がかくれている可能性もありますので、自分に当てはまるからと言って、勝手に決めてしまうのは危険です。
自律神経失調症の多くの症状は、重大な病の前兆として表れるサインに似ています。
気分の落ち込みや抑うつなど、精神症状をともなうことがあげられますが、これも他の病に見られる共通のことと言えます。
症状が長く続く場合は、病院で早めに検査を受けるようにしましょう。
また、身体疾患だけではなく、うつ病などの精神疾患がひそんでいることも多いため、精神科や心療内科での診察が必要になる場合もあります。
まとめ
今回は自律神経失調症について解説しました。
自分では意識していなくても、心身に負荷がかかると自律神経は乱れてしまいます。
自律神経を整えることも、もちろん大切ですが「乱れてしまうもの」として、自分の性格や気質と上手く付き合っていくことも大切だと言えるでしょう。
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