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ホークス岩嵜翔、なぜ2週連続で先発?「悪いクセを直す」

田尻耕太郎スポーツライター
先発で3イニングを投げた岩嵜

デスパイネ、前日から5打数連続安打

 9月3日、福岡ソフトバンクホークス二軍は、タマホームスタジアム筑後で行われたウエスタン・リーグ公式戦でオリックス・バファローズ二軍と対戦した。

【9月3日 ウエスタン・リーグ タマスタ筑後 602人】

オリックス  000000000 0

ソフトバンク 10000400× 5

<バッテリー>

【B】●竹安(0勝1敗)、松山、齋藤、海田、前――飯田大、フェリペ

【H】岩嵜、◯古谷(2勝0敗)、津森、椎野――堀内

<本塁打>

なし

<スタメン>

【B】6紅林 9西浦 5太田 7西村 3勝俣 D大下 8後藤 4廣澤 2飯田大

【H】4三森 3内川 7柳町 Dデスパイネ 8釜元 9佐藤 5リチャード 6勝連 2堀内

<戦評>

 ソフトバンクは初回、2死一、三塁から釜元が中前適時打を放ち先制。六回には2番手の松山を攻めて釜元の2点適時打とリチャードのタイムリー二塁打などで一挙4点を追加した。

 釜元はこの日が27歳の誕生日。2安打3打点の活躍だった。また、6番で出場した佐藤も22歳の誕生日。こちらは無安打に終わったものの1打点はマークした。

 そして4番スタメンのデスパイネは3打数3安打。前日から5打数連続安打と貫禄を見せつけた。

 投手陣は完封リレー。先発の岩嵜が3回、2番手の古谷は4回を零封した。(了)

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4年ぶりに3イニング投げた

立ち方が前回までと変わった
立ち方が前回までと変わった

 岩嵜翔投手が先週の8月27日に続いて中6日で先発のマウンドに上がった。

 前回の2回、19球をいずれも上回って3回、45球を投げた。1安打1四球を許したが、3奪三振で無失点の好投だ。

 投球イニングを伸ばしてきた。ただ、3回は異例だ。まさか先発再転向の意図もあるのか、と思わず岩嵜本人に問うてみた。

「その辺(起用法)は僕が決めることではないですが、少なくとも今から先発の準備をしていたらシーズンが終わっちゃう(苦笑)。やっぱり今年中に上がるのが目標ですから」

 もちろん、意図があっての先発だし、3イニングの登板だ。3回以上マウンドに上がったのは、まだ先発をしていた2016年シーズンの9月4日の楽天戦(この時は中継ぎ)以来、ほぼ4年ぶりだ。

新フォームで試投

 この日は少し投球フォームが変わっていた。最初に構えたとき、左足の位置を少し一塁側にずらした。真正面を向くというより、少し斜めに立つように見えた。

「はい。入りの部分だけ、少し変えました。僕の場合、体重が後ろに残って、そして横振りになり肘が下がってしまうのが悪いクセ。右肘を手術してからは、その傾向がより強く出ていました」

 修正するための課題を自覚していたが、なかなかマウンドでそれを表現できずにいた。

「ファームの試合でも後ろ(リリーフ)で投げると、気持ちが入りすぎてしまうところがある。たとえば手術前に出ていたスピードを求めて、ガっと力が入りすぎたり」

 先発で一定以上のイニングや球数を投げることで、じっくりと自分と向き合いながら投げる。ファーム首脳陣と話し合って決めた措置だった。

第一子誕生も励みに

「今日のフォームで試合に投げたのは初めて。まずまずだったと思います。今はまず悪いクセを直していかないと。スピードがちょっと遅くなっている分、間合いとかで速く感じさせないといけない。今まで通りに力だけで押して投げるだけじゃダメですから」

 また、岩嵜には前回先発をした先月27日に第一子が誕生した。「これを機に自分も生まれ変わりたい」。一軍復帰への意欲をさらに熱くした。

※写真は筆者撮影

スポーツライター

1978年8月18日生まれ、熊本市出身。法政大学在学時に「スポーツ法政新聞」に所属しマスコミの世界を志す。卒業後、2年半のホークス球団誌編集者を経てフリーに。「Number web」でのコラム連載のほかデイリースポーツ新聞社特約記者も務める。2024年、46歳でホークス取材歴23年に。 また、毎年1月には数多くのプロ野球選手をはじめソフトボールの上野由岐子投手が参加する「鴻江スポーツアカデミー」合宿の運営サポートをライフワークとしている。

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