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韓国開催のPSG戦も売れていない?香川真司も苦言の高額チケット代と「空席目立つ」深刻さ…

金明昱スポーツライター
PSG戦で決勝ゴールを決めた香川真司。チケット代の高さに苦言を呈していた(写真:森田直樹/アフロスポーツ)

 観客席を見ると「やっぱり」という思いがよぎった。3万2430人が駆け付けた28日のパリ・サンジェルマン(PSG)とセレッソ大阪の試合。プレシーズンマッチとはいえ、まずまずの人が入っていた印象だが、記者席から眺めた光景は、メインスタンドのほとんどが空席になっていた。

 本来であれば完売となってもいいようなところ、今回のジャパンツアーはチケットがあまりにも高額のため、大阪での3連戦が空席で目立つ始末。初戦のPSG対アル・ナスルは2万4532人、2戦目のインテル対アル・ナスルは1万3805人とさらに少なく、テレビ中継を見てあまりの「ガラガラ」具合に拍子抜けした人も多いかもしれない。

 ちなみにセレッソ大阪戦のメインスタンドは10万円から35万円の設定で、これではさすがに埋まるはずもない。それにブラジル代表のネイマールはケガでベンチに座っているだけの状況で、フランス代表のエムバペも移籍問題で来日しなかったことなどで、もしかするとチケットを手放した人も少なくないかもしれない。

 セレッソ大阪戦ではMF香川真司が後半からの出場ながら、決勝ゴールを挙げて3-2の勝利に貢献。試合後のミックスゾーンでは笑顔を見せつつも、やはり空席が目立つスタンドが寂しかったようで、高額チケットにズバッと苦言を呈していた。

「ここで言う必要ないかもしれないけれど、チケットの値段については考え直してほしい。これだけのチームが来てくれたなかで空席になるのはやっぱり…。サッカー好きな子どもたちが見やすい値段に設定してくれないといけない。それはすごく残念だと思います」

 しかしこれは日本だけの問題ではないようで、お隣韓国でも開催されるPSG戦も似たような事態となりそうなのだ。

韓国のPSG戦チケット代は最高で6万円

 今回、来日したPSGのメンバーには韓国代表のイ・ガンインも帯同している。今季、加入したばかりなのと軽いケガもあり日本では出場することはなかったが、8月3日に韓国の釜山で行われるKリーグ1部の全北現代との試合で、韓国のファンの前にその姿を見せるかもしれない。

 実はPSGが来韓するのは急きょ決まったこともあり、チケットの発売は7月24日からだった。イ・ガンインが加入したことに加え、ネイマールらスター選手がいることで、チケットは即完売と思われていた。しかし、今もチケットは余っているという。

「スポーツ京郷」は「26日の時点で5万3000席中、1431席がまだ売れていない状況」と報じている。現在はもう少し売れている可能性はあるが、すぐに完売にならなかったことに韓国メディアも驚きを隠せないでいる。というのも、Kリーグ選抜対アトレティコ・マドリード(27日)、マンチェスター・シティ対アトレティコ・マドリード(30日)は発売と同時にすぐに完売となったからだ。

 PSG戦のチケットが売れ残るのは、やはりチケット代の高さにあると韓国メディアは指摘している。「一番高いプレミアムテーブル席Aは60万ウォン(約6万円)」で、アトレティコ・マドリードの試合よりも1~2万円は高い設定だという。

 そう考えるとセレッソ大阪とPSGの試合のチケットは、韓国に比べると“バカ高い”のだが、昨年のPSGのジャパンツアーが盛況だったからか、日本と韓国のサッカーファンが足元を見られているようにしか思えないのは筆者だけだろうか。

韓国のPSG戦は平日17時の試合開始

 また、全北現代対PSGのチケットの売れ行きが悪い理由について「スポーツ京郷」はこう伝えている。

「問題はチケット代が高いだけでなく、イ・ガンインが太もものケガで出ない可能性が高く、ネイマールのケガ、エムバペが移籍で帯同しないことも影響している。さらに釜山アジアード競技場での開催で、サッカー専用スタジアムでないことや試合開始時間が平日の17時であることも影響している」

 いずれにしても、日本ではかなりの空席が目立った今回のPSG戦。韓国ではどのような雰囲気になるのかは気になるところで、母国に凱旋のイ・ガンイン、ベンチに座ったままのネイマールは少しでもピッチに姿を見せるのか、仮に出なくても韓国のサッカーファンは納得するのかなど、スタジアムの雰囲気を日本と比べて見てみたいところだ。

スポーツライター

1977年7月27日生。大阪府出身の在日コリアン3世。朝鮮新報記者時代に社会、スポーツ、平壌での取材など幅広い分野で執筆。その後、編プロなどを経てフリーに。サッカー北朝鮮代表が2010年南アフリカW杯出場を決めたあと、代表チームと関係者を日本のメディアとして初めて平壌で取材することに成功し『Number』に寄稿。11年からは女子プロゴルフトーナメントの取材も開始し、日韓の女子プロと親交を深める。現在はJリーグ、ACL、代表戦と女子ゴルフを中心に週刊誌、専門誌、スポーツ専門サイトなど多媒体に執筆中。

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