麩屋町錦を少し上がると、なんとも風情のある看板の下に、間口の狭い京風の路地玄関がありました。入っていくと、ガラス越しに、京町家をイタリアン風に改装したお洒落な店舗が見えてきます。「キヨミズノジカン ～泡と葡萄と～」は、魚、肉、京野菜など京の自家製食材をふんだんに使った和食、京たまご茶乃月を使用した玉子かけご飯など、味に定評のある京家きよみずグループがプロデュースしたイタリアンのお店ということで、期待を膨らませながら入店しました。

　ランチタイムということもあり、軽めにしようと、まるごと骨付き鶏もも肉の チーズ入りトロトロホワイトシチューと自家製パンとデザートを注文しました。「えっほんまに泡立ってる」と思わず声を。一面、まるで淡雪の世界でした。インスタ映えするだけでなく、ベシャメルソースに骨からとろけ落ちるほど柔らかいチキンを絡めるとこれがまたいい。

　エスプーマは、世界一予約のとれないレストランとして有名であったスペイン「エル・ブリ」のシェフ、フェラン・アドリア氏が、ソーダサイフォンを使い、「空気のように軽い泡」の料理を作ったことが始まりと言います。デザートの四角いプリンもパリッとコーティングした表面を崩すと中から濃厚な旨みが出てきて美味しかったです。　

　他にも、北海道産の牛ハツをトマトの泡でいただく牛ハツの煮込みや生牡蠣にレモンベースの泡をかけた逸品や、白身と出汁を合わせた泡の卵かけご飯などなど、エスプーマを使用したふわふわな泡料理とスパークリングやシャンパン、ビールなど、「泡」をモチーフにしたドリンクやいつでも開けたての風味豊かなワインを堪能できます。（まん延防止等重点措置期間中は酒類提供はありません。詳しくはお確かめください）

　アボカドチーズのピザバーガーのプレートランチ、赤エビとムール貝のペンネ、新作あわあわパスタなど、メニューもまだまだあります。優しく物静かに対応してくれるスタッフさんたちも素敵です。デートコースにも最適ですよ。テイクアウトもあります。

「キヨミズノジカン ～泡と葡萄と～」　

　京都市中京区麩屋町通り錦小路上ル梅屋町493 075-205-5442