美女CEOやファストファッション乱立の韓国で、ユニクロ姉妹ブランドGUは成功できるか
ファッションブランドの『GU(ジーユー)』がソウル・ロッテワールドモール地下1階にて韓国第1号店をオープンさせるという。
正式オープンは9月14日だが、8月24日には“若者の街”弘大(ホンデ)に定番アイテムを紹介するポップアップストアも登場した。“GU FREEDOM PARTY”と題されたイベントには、人気アイドルグループWinnerのキム・ジヌや、4月の平壌(ピョンヤン)公演にも参加したRed Velvetのメンバーたちもが出席して話題になった。
GUは韓国でまったく無名だったわけではない。日本旅行を好む若者の間では「超格安ブランド」との口コミが広がり、“日本に訪れると必ず寄るべきお店”の1つとして、もともと有名だった。
(参考記事:韓国人観光客が必ず買っていく「日本の商品」BEST 6をご紹介!!)
それに、ユニクロの姉妹ブランドであることも知られている。ユニクロは、ロッテ・グループと組んで2005年に韓国上陸して以降、着実に店舗数を増やして現在は183店舗を展開するほど韓国人に親しまれている。
韓国には、サムスン物産が手がけた8SECONDSをはじめ、SPAO、TOP10、MIXXO、WHO.A.Uなど数多くの国産ファストブランドが存在し、最近は猫顔美女ビョン・ジョンハが専属モデルを務めるSTYLENANDAのように日本でもショップ展開しているブランドもある。
韓国発のファッション通販サイトの中にはモデルやタレント出身の女性CEOが、自ら広告塔になって売り上げを伸ばしているところもあるほどだ。
(参考記事:グラビア広告塔に17歳オルチャンまで! 韓国で急増している“美女CEO”たちの逆襲)
だが、韓国でもユニクロは図抜けた存在だ。前出した韓国産ファストフッションブランドはもちろん、ZARAやH&Mのような海外ブランドを含めて、昨年に年間売上1兆ウォンを突破したのはユニクロが唯一なのだ。
GUの韓国進出は、そんなユニクロの成功経験が活かされることになるのだろうが、ひとつ懸念さるのは価格だ。「ユニクロよりも安値で手軽」がGUの売りだが、税金などの問題で日本よりも商品の値段が上がることに韓国の消費者たちがどう反応するかによって、成功と失敗が分かれるのではないだろうか。
以前も紹介した無印良品がまさにそうだった。
無印良品は2004年に韓国進出したが、当初は日本よりも上がってしまった値段に多くの韓国人が失望を表した。実際に、2012年までは当時韓国国内に乱立していたライフスタイル専門店に押され気味だった感は拭えなかった。
ただ、2017年に前年比39%伸びた1095億ウォン(約109億円)の売り上げを記録。無印良品ならではの高品質と優れたデザイン性に、心を動かされたリピーターが増えているというのが韓国の知人の説明だ。
(参考記事:「無印良品」が密かなブーム!? 韓国で人気を集める、意外な「日本商品」とは?)
まさに品質の高さで勝負できることが日本ブランドの強みであり、何かとうるさい韓国の消費者たちも日本ブランドは信頼を寄せているわけだ。
その一方で、最近は“韓国版ドン・キホーテ”と言われるピエロ・ショッピングのように、日本の有名店をベンチマークして韓国オリジナル・ブランドが立ち上がるケースも出ている。日韓交流がますます多様化するいま、ビジネス環境もより複雑で厳しくなりそうだ。
そんな状態の中で韓国進出を果たすGU。韓国ファッション業界もGU上陸に熱視線を送っている。
メディアによると、「ファストファッション市場の領域が広がり、消費者の関心も促せる」という期待の声がある一方で、「いくら低価格でも韓国の消費者は品質に厳しい。成功は保証できない」という懐疑的な意見もあるらしいが、果たして。
韓国のファストファッション業界に挑戦状を叩きつけたGUの次の一手に注目だ。