モヤモヤを解消!義実家問題で夫婦が一丸となるためのコミュニケーション術
こんにちは!保育士ごんちゃんです。
「無理しない育児」をモットーに、保育士として地域の子育て支援事業に従事しながら、オンラインでも育児に関する情報発信をしています。また教員養成大学の研究センターで研究員として子どもの自立について研究中です。
そして私も現役の子育て世代で、3人姉弟の育児に日々奮闘しています。
今回は、おたよりフォームにいただいたご相談をもとにお話をしていきたいと思います。
【お悩み相談内容】ペンネーム:さつまいもさんより
夫の家族との関係について相談させてください。娘がうまれてから、世間一般的に言われるガルガル期の延長なのか「これはしないでほしい」と思うことや気になる言動が増え、夫の実家に行くことが億劫になりました。私の実家へは夫も一緒に頻繁に行くし、行くことを全く嫌がらない夫に感謝しています。 私も夫の実家に行くたびに嫌な気持ちになるのは疲れるし、娘のために言えない自分も嫌なので最低限のことは伝えたいと思っています。ですが私は自分の親のことを悪く言われるのは嫌で、夫に伝えると「親のことを悪く言われた」と受け取られるんじゃないかと勘ぐってしまいなかなか言えません。自分が言われると嫌なことを相手に伝える時のコツなどありますでしょうか?
産後のホルモンバランスの影響はこんなところにも
子どもが生まれると、家族関係、特に義実家との関係は大きく変化することがあります。妊娠中から産後のホルモンバランスの影響で、感情の起伏が激しくなったり、人間関係に微妙な変化が生じたりするのは、決して珍しいことではありません。
多くのママが経験する、いわゆる「ガルガル期」は、新しい家族の形に慣れようとする過程で自然に起こる感情の揺らぎです。子どもの誕生は、それまでの家族関係に大きな変化をもたらすからです。義両親にとっては孫の誕生は嬉しいことですし、関わりたいという気持ちが強くなるでしょう。
そんな中で、自分が不快に感じることを相手に伝えるときのコツは、大きく2つのポイントがあります。まず大切なのは、感情的にならず、冷静に自分の気持ちを伝えることです。「〇〇されると気分が悪くなる」「〇〇してほしい」といった具体的な感情と希望を、穏やかに、でもしっかりと伝えることが重要です。
もう1つのポイントは、相手の気持ちも理解しようとする姿勢です。義実家の方々も、きっと愛情を持って関わろうとしているはずです。その気持ちを受け止めつつ、自分の境界線も大切にする。これが、良好な関係を築くカギになるでしょう。
子育ては家族全員で協力し合える温かい環境が一番ですが、それは自分を犠牲にすることではありません。自分の気持ちを大切にしながら、お互いを尊重し合える関係を築いていくことが、何より子どもにとって良い環境となるはずです。
自分が大切にしたい思いはなんだろう
夫婦間でコミュニケーションを取る際の大切なポイントは、単に不満を並べ立てるのではなく、自分たちの大切にしたい価値観や思いに焦点を当てることです。例えば「あの言動が嫌だ」と言うのではなく、「私たちはこういう子育てを大切にしたい」「このような家族関係を築きたい」という前向きな視点で話し合うことが重要なのです。
このアプローチには、いくつかの利点があります。まず、夫は家族のことを悪く言われるよりも、家族への敬意を持ちながら、夫婦の思いや方針を理解してもらおうとする姿勢に共感しやすくなります。また、夫が家族に伝える際も「妻が言っているから」ではなく、「僕たち夫婦の方針として」と伝えることで、より建設的な会話が生まれやすくなります。
大切なのは、夫婦でゆっくりと落ち着いた雰囲気の中で話し合う時間を持つことです。互いの気持ちを理解し、共感し合いながら家族との関係性についてすり合わせていくことで、夫婦以外の人に対しても一体感のあるメッセージを伝えられるようになるのではないかと思います。
感情的にならず、自分たちの価値観や願いを中心に据えて対話することで、義実家との関係性も、より良い方向へと向かいやすくなるでしょう。子育ては夫婦二人三脚ですので、互いを支え合い、同じ方向を向いて歩んでいくことが大切なことのひとつです。
「アイメッセージ」と「ユーメッセージ」とは?
コミュニケーションの重要な考え方として、「アイメッセージ」という考え方があります。これは、相手を非難したり批判したりするのではなく、自分の気持ちや願いを「私は」を主語にして伝える方法です。
これとは対照的な「ユーメッセージ」は「あなたは」や相手を主語にした言い方で、相手を責めているように感じられがちです。例えば「夫の家族はこうだよね」「夫はああだよね」といった言い方は、相手を否定的に捉えているように受け取られやすくなります。
一方、アイメッセージは「私は〇〇を大切にしている」「私はこんな風になればいいなと思っている」といった形で伝えることで、相手を責めることなく自分の気持ちを伝えられます。この方法なら、相手も防衛的にならず、共感を得やすくなります。
具体的には、「あなたの家族は…」ではなく「私はこういう関係性を大切にしたい」と伝えたり「夫は…」ではなく「私はこういう子育てがしたいんだけど…どう?」と私を主語にして話すことで、相手の心を開き、建設的な対話を生み出す可能性を高めるんです。
感情的にならず、自分の思いに焦点を当てて伝えることで、家族との関係性はよりスムーズになります。相手を否定するのではなく、自分の願いを伝えることでお互いの理解と尊重が深まっていくと思います。
存在を否定するのではなく、行動にフォーカスする伝え方
人間関係において、特に家族との関係性を築く上で大切なのは、人そのものではなく、その行動に焦点を当てることです。子育ての場面でも同じように、子どもの存在自体は尊重しながら、特定の行動に対してアプローチすることが重要なのです。
人に指摘するときには「be(存在)」と「do(行動)」を区別することが大切で、コミュニケーションの質を大きく変えます。
例えば、子どもに対しても「悪い子だね!」や「ダメでしょ!」と言うのではなく「この行動はよくない」というスタンスで伝えることで、子どもの自尊心を傷つけずに適切な行動を導くことができるんです。
夫の家族との関係においても、同じことが当てはまります。「あの人が嫌だ」と言うのではなく「この時のこの行動が気になる」と伝えることで、相手の人格を否定することなく、建設的な対話ができるようになるでしょう。自分にとっても相手にとっても言えますが、性格は変えにくいけれど、行動は変えやすいのです。
多くの場合、気になる行動の背景に悪意はないことが多く、特に義実家の場合、孫を思う愛情から生まれる行動であることがほとんどです。ただし、その行動が必ずしも母親の望むものではないこともあります。
そのため、単に批判するのではなく、具体的にどのような行動を望んでいるのか提案することが効果的なんですね。「こうしてほしい」という具体的な提案は、相手にとってもわかりやすく、受け入れやすいものになります。
あえて「伝えない関わり」もアリ!
家族との関係において、最も大切なポイントの一つは、適度な距離感を保つことです。特に産後は、ホルモンバランスの変化により感情が不安定になりやすく、些細なことでも大きなストレスに感じることがあります。
重要なのは、全ての問題を一度に解決しようとしないことです。安全に関わる重大な問題、例えばアレルギーや乳児への危険な食べ物の提供などの絶対に伝えるべきことと、単なる価値観の違いによる問題を区別することが大切です。
安全に関わることは明確に伝えるべきですが、価値観の違いによる些細な問題については、必ずしも相手を変えようとする必要はありません。むしろ、自分自身のメンタルの安定を守るために、一定の距離を保つことも良い選択になることがあると思います。
人間関係は、相手を変えることよりも、自分自身の対応力や柔軟性を高めることで、より良い関係を築けることがあります。特に夫の家族との関係では、完璧を求めるよりも、お互いを尊重しながら、自分にとって心地よいバランスを見つけることが重要です。
大切なのは夫婦でしっかりとコミュニケーションを取り、お互いの気持ちを共有し家族との関わり方について共通の理解を持つことです。それぞれの家族の状況は異なるので絶対的な解決策はありませんが、自分たちに合った方法を見つけ、柔軟に対応していくことが良好な家族関係につながるのです。
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今回も最後まで読んでくださりありがとうございました。また次回の記事でお会いしましょう!