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【宝塚市】手織り体験でストールづくり! 本格手織り機が楽しすぎる

ぶらっと地域情報発信ライター(宝塚市)

手仕事に興味はあるけれど難しそう。そんな方は、「手織り」はいかがですか。シンプルな3つの動作で自由&アーティスティックな作品づくり。子どもから大人まで、誰でも気軽に楽しめます。

手織り機『SAORI』
手織り機『SAORI』

清荒神に昨年オープン

有馬街道から見た鳥居
有馬街道から見た鳥居

有馬街道そばの鳥居から荒神様へ続く長い参道は、カフェや暮らしのお店など、趣きあるお店が並ぶいま話題のスポット。手織り工房menoさんは、2022年8月、この参道沿いにオープンしました。

手織り工房meno
手織り工房meno

こちらで手織りの体験教室を実施していると聞き、さっそく行ってみることに。
体験は2時間(3000円)で、事前に予約が必要です。ショートストール、テーブルセンター、タペストリーから作るものを選択します。今回は、秋口に首元を温めるのにいいかもと、ショートストールにしました。

糸を選ぶ

左側の赤ベース2枚が黒のタテ糸、右側が白のタテ糸
左側の赤ベース2枚が黒のタテ糸、右側が白のタテ糸

サンプルを見ながらタテ糸の色を選びます。黒糸に赤のシャープな組み合わせもひかれましたが、さわやかさ重視で白糸に決定。

複数ある手織り機から、タテ糸の色と織り幅を選びます
複数ある手織り機から、タテ糸の色と織り幅を選びます

ちなみにこちらの手織り機はSAORIといって、「さをり織り」専用に開発された扱いやすいシンプルなもの。ヨコ糸は壁一面にずらりと並んだ糸から、自分の好きなものをまたまた選択します。

好きな色を好きな数だけ
好きな色を好きな数だけ

水色の軸が綿、ピンク色が化繊で、そのほかにウールの糸もあります。緑系と黄色系を選び、すべて綿で揃えました。

ベースの色はこれに決定
ベースの色はこれに決定

使う色が決まったら、講師の杉岡広子さんがボビンに糸を巻き取り、舟形シャトルにセットしてくれます。

舟形シャトル
舟形シャトル

動作は3つ

セッティングが終わったら、いよいよ織りはじめます。通す、踏む、引く。動作はこの3つだけ。まずシャトルを、上下した2本のタテ糸のすき間に通します。ペダルを踏むと、タテ糸の上下が入れ替わり、最後にシャトルで通したヨコ糸を、筬(おさ)という櫛状のもので手前に引き寄せ、とんとんと締める。こうすることで布地が織られていきます。あとはひたすらこの動作を繰り返してゆくのみです。

長い道のり。ヨコ糸が少なすぎて、ピントがタテ糸に合っています。
長い道のり。ヨコ糸が少なすぎて、ピントがタテ糸に合っています。

自由にデコレーション

こちらで教えているさをり織りがおもしろいのは、平織りの布地に糸くず(宝糸)や原毛を追加して、自分好みのカスタマイズができること。カラフルかつ自在なレイアウトが可能で、タテ糸の間に置くだけ、とやりかたも簡単です。

糸くず(宝糸)と原毛を自由にチョイス
糸くず(宝糸)と原毛を自由にチョイス

さっそく原毛を入れてみました。可愛らしい見た目に俄然、テンションアップです。原毛を置くことで右側にできるヨコ糸の隙間も、味わいのひとつなのだそう。

どうでしょう
どうでしょう

ちなみにこちらでは杉岡先生が織った作品の販売もしています。さまざまな質感と色の組み合わせはさすがのセンス。フリンジの処理もおしゃれで、見ているだけで楽しいですね。

素晴らしすぎる先生の作品(販売中)
素晴らしすぎる先生の作品(販売中)

海外でも知られる『さをり織り』

さて、何度も登場している『さをり織り』ですが、大ざっぱに言えば、きっちり均一に織るのではなく、織り手の個性を反映しつつ自由に織り、凸凹や隙間も楽しんでしまおう、というもの。発案者は日本人女性ですが、海外にも普及しています。menoの店主である杉岡先生も出合ったのは海外でした。タイで災害ボランティアをされていた時に、被災者の女性が織物をしていて、その織機には「SAORI」の文字が。そこではじめて日本人発案であることを知ったのだそう。帰国後、関西の情報誌でたまたま『さをり織り』の教室を目にして通い始め、その楽しさにハマってしまったのだとか。

気の向くままにやんちゃ織り展開中
気の向くままにやんちゃ織り展開中

杉岡先生は九州出身。太陽が似合う、優しい笑顔が印象的な方。どんなデコレーションをしても「素敵!」と言って下さるので、いろいろ試したくなります。糸を変えると太さが異なり、同じように織ってるつもりでも全体の幅が変わったり、端の始末が緩くなったりするのですが、「逆にそういう方が可愛いです」と断言してくださる。おかげで最後まで楽しく織り進めることができました。

痛恨の…

とはいえ、2時間はあっという間。最初に遊びすぎて後半は時間がなくなってきました。途中から黙々と集中して織り進めましたが、やはり終わりは遊びたい! でも時間がないから熟考できない…。悩んだ挙句、少しだけ遊んでみるか、と色を控えめに宝糸を追加。

いよいよタテ糸をカットします
いよいよタテ糸をカットします

予定の2時間を少しまわって、ようやく完成! と見てみたら…。

右端の黄色部分に痛恨のかまぼこポイント
右端の黄色部分に痛恨のかまぼこポイント

右端の黄色パートに紅白のかまぼこがくっついている!! カニそっくりのあれですね。(気になる方は2つ前の写真、左端をご覧ください)
余計なことをしてしまったと後悔しきりですが、もう遅い…。これもまた味わいのひとつと開き直るしかありません。
気を取り直して、糸の始末とフリンジ処理をしたら、なんだかとてもイイ感じに。

よく頑張りました
よく頑張りました

細い糸メインで織ったので、風合いが柔らかく着け心地もgoodです。

自分で織ったとは信じられません
自分で織ったとは信じられません

ちなみに体験教室は何回でも受講可能です。指定以外のものを織りたい方は、半日1500円+糸代金での利用や、月3回の講習が受けられる月次コースも。ほかには自分で材料を持ち込み、裂き織りを楽しむこともできます。

綿なので、ふわっとお肌にやさしい
綿なので、ふわっとお肌にやさしい

さらに、希望される方は、自分の織った布で洋服を作ることも可能だそう。

原毛のぽこぽこデコレーションにハマりました
原毛のぽこぽこデコレーションにハマりました

10月には生徒さんによる手紡ぎ糸のワークショップも

自分の織った布で洋服を作るなんて、と驚いていたら10月にはなんと、羊毛から糸をつくるワークショップが開催されるそう。こちらは杉岡先生ではなく、生徒さんの主催で、同時に手紡ぎ糸の展示会も開催されます。不均一な太さの糸は、ただシンプルに織るだけでニュアンスが出て、とても可愛いんだとか。

そして、かまぼこポイントはなかったことに
そして、かまぼこポイントはなかったことに

模様に悩み時間に追われながらも、とても楽しい2時間でした。もう少し涼しくなったら今度はウールで、秋にぴったりのボルドーなどを使ってまたトライしたいです。

店舗情報

手織り工房 meno
■ 〒665-0836 宝塚市清荒神3-9-15
■ Tel:080-3988-5990 / Email:mukubkk@gmail.com
■ 営業時間:9:30~16:00
■ 定休日:木曜日・日曜日
公式ホームページ
公式Instagram

展示会・ワークショップ情報

イトココチ / 手紡ぎ糸展
■ 会場 手織り工房meno
■ 2023年10月6日(金)~11日(水)(8日は工房定休日)
■ 10:00~16:00(最終日15:00まで) 作家在廊日 6日(金)、9日(月)、11日(水)

ワークショップ
■ 講師:坂井陽子(イトココチ) 公式Instagram
■ 「手紡ぎ糸体験とクロスウェービング」(紡いだ毛糸を使ってオブジェ作り)
  2023年10月9日(月)10:00~12:00 / 13:00~15:00(2500円)
■ 「アートヤーンワークショップ」(スピンドルを使った羊毛から毛糸を紡ぐ)
  2023年10月11日(水)10:00~12:00 / 13:00~15:00(3500円)
■ お問い合わせ:手織り工房meno

地域情報発信ライター(宝塚市)

カフェ、庭園、美術館、ときどき神社。新しい出会いを求めて、カメラ片手に足の向くまま、気の向くまま。歴史のあるまち、宝塚の「いま」をお届けします。

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