転職先は正規か非正規か…転職者の転職実情をさぐる
![](https://newsatcl-pctr.c.yimg.jp/t/iwiz-yn/rpr/fuwaraizo/00081918/top_image.jpeg?exp=10800)
・2017年で過去1年間に転職をした人は285万人。そのうち正規社員だったのを辞した人は119万人、非正規は166万人。
・2017年では正規社員から非正規社員の人数が、非正規社員から正規社員の人数を上回っている。非正規社員の人が転職をする場合、正規社員になれる可能性は(人数的に)少数の事例。
・正規社員から非正規社員の人数が多いのは、定年退職や早期退職者(壮齢・高齢層の離職者)が非正規社員として再雇用されるケースが多いのが一因。
現在の職場を自発的に離職する以外に、リストラの対象になる、定年退職や早期退職制度を活用して職を辞する、あるいは他企業からの引き抜きにあう、勤めている会社が倒産するなど、さまざまな理由で現職から離れ、新たな職に就くことを転職と呼んでいる。転職者の中には正規社員だったものが再就職の中で非正規社員としてしか再就職できない場合や、逆に非正規社員から正規社員への転職を果たす人もおり、雇用形態上の観点でもさまざまな人生の躍動感を垣間見ることができる。今回は総務省統計局が2018年2月に発表した、2017年分の労働力調査(詳細集計)の速報結果を基に、直近1年間に離職して新たな職についた人における、正規・非正規の雇用形態況の変化の確認を行う。
次に示すのは前職を辞してから1年以内に再就職を果たした人のうち、雇用形態、具体的には正規社員と非正規社員の地位の変化を踏まえ、その動きを示したもの。なお公開値は万人単位までなので、グラフの表記上における前職と現職で合計人数が一致しない場合もある。
![↑ 転職者移動状況(2017年、万人)(過去1年間限定)](https://newsatcl-pctr.c.yimg.jp/t/iwiz-yn/rpr/fuwaraizo/00081918/image01.gif?fill=1&fc=fff&fmt=jpeg&q=85&exp=10800)
![↑ 転職者移動状況(2017年、万人)(過去1年間限定)(男性)](https://newsatcl-pctr.c.yimg.jp/t/iwiz-yn/rpr/fuwaraizo/00081918/image02.gif?fill=1&fc=fff&fmt=jpeg&q=85&exp=10800)
![↑ 転職者移動状況(2017年、万人)(過去1年間限定)(女性)](https://newsatcl-pctr.c.yimg.jp/t/iwiz-yn/rpr/fuwaraizo/00081918/image03.gif?fill=1&fc=fff&fmt=jpeg&q=85&exp=10800)
2017年に転職をした人(役員以外、過去1年間に前職を辞した人。以下同)は285万人。そのうち正規社員だったのを辞した人は119万人、非正規は166万人(転職をしていない人もいるので、辞めた人が285万人では無い)。元正規社員で再び正規社員になれた人は74万人だが、残りの45万人は非正規社員として再就職している。一方非正規社員だった166万人のうち正社員になれた人は35万人で、残りの130万人は再び非正規社員の地位で再就職している。例えばスーパーでパートをしている女性がもう少しよい条件で働ける別のスーパーに転職する場合など、一概に非正規社員の地位が正規社員よりも望まれていないとは限らないが、非正規社員の人が転職をする場合も、正規社員になれる可能性は(人数的に)少数の事例となる。
男女別に確認しても、男女ともに正規から非正規のケースが、非正規から正規のケースを上回っている。これは定年退職や早期退職者(壮齢・高齢層の離職者)が非正規として再雇用されるケースが多いがためと考えられる。実際、55歳以上に限定して(今調査項目の年齢区分ではこの切り分けが最高齢層。また絶対人数が少ないため数字上のぶれがいくぶん大きくなることに注意)確認すると、正規社員だった人が非正規社員として転職している事例が極めて多いことが分かる。
![↑ 転職者移動状況(2017年、万人)(過去1年間限定)(男性、55歳以上)](https://newsatcl-pctr.c.yimg.jp/t/iwiz-yn/rpr/fuwaraizo/00081918/image04.gif?fill=1&fc=fff&fmt=jpeg&q=85&exp=10800)
![↑ 転職者移動状況(2017年、万人)(過去1年間限定)(女性、55歳以上)](https://newsatcl-pctr.c.yimg.jp/t/iwiz-yn/rpr/fuwaraizo/00081918/image05.gif?fill=1&fc=fff&fmt=jpeg&q=85&exp=10800)
かつては専門誌がテレビCMなどで盛んに「転職で収入アップ」などのキャッチコピーを用いてで喧伝し、転職を推し進める動きがあった。しかし最近ではそのような動きはあまり見られない。労働力調査でも2013年からは転職による収入の上下に関する調査を止めており、今回は雇用状況の違いにのみ状況確認を行った。
ここ数年は男女ともに非正規から正規に転職がかなう事例が増加している。それが元々本人の希望によるものであれば、喜ばしい話には違いない。
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