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ブルペン防御率1位のチームが立て続けにリリーバーを獲得。その一人は元・阪神のピアース・ジョンソン

宇根夏樹ベースボール・ライター
ピアース・ジョンソン Jul 1, 2023(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 7月24日、アトランタ・ブレーブスは、2人のリリーバーを手に入れた。マイナーリーガーの2投手と交換にコロラド・ロッキーズからピアース・ジョンソンを獲得し、金銭と引き換えにテキサス・レンジャーズからテイラー・ハーンを得た。

 ジョンソンは、2019年に阪神タイガースで投げた後、サンディエゴ・パドレスで3シーズンを過ごし、今シーズンからロッキーズで投げていた。ちなみに、コロラド州デンバーは、ジョンソンの出身地だ。

 今シーズンの43登板は、39.0イニングで与四球率5.77と防御率6.00ながら、奪三振率は13.38。ロッキーズのホーム、クアーズ・フィールド以外では、18登板の15.1イニングで奪三振率17.02と与四球率5.87、防御率4.11だ。スタットキャストによると、4シームの平均球速は96.0マイル。4シーム以上に多投しているカーブは、空振り率が高い。

 ハーンは、開幕3登板目と4登板目の計3.2イニングで8点を取られ、4月13日に降格。その後は、AAAで24試合に登板し、39.1イニングで奪三振率12.36と与四球率5.49、防御率3.66を記録していた。

 ジョンソンを放出したロッキーズの勝率は、ナ・リーグで最も低い。一方、ハーンを手放したレンジャーズは、ア・リーグ西地区の首位に立っている。今月中旬、他の投手をロースターに加えるため、ハーンをDFAとした。

 ロッキーズとは対照的に、ブレーブスの勝率はナ・リーグで最も高く、東地区の他チームを10ゲーム以上も引き離している。各地区1位の6チーム中、2位と5ゲーム差以上はブレーブスだけだ。

 ブレーブスのブルペン防御率3.50はナ・リーグ1位なので、補強の必要はないようにも見える。ただ、7月に入り、チーム最多の15ホールドを記録していたニック・アンダーソンと左腕のA.J.ミンターが、どちらも肩を痛めて故障者リストに入った。ジョンソンとハーンの獲得は、その穴埋めを図ったのだろう。ハーンは左投手だ。

 それぞれのトレードの見返りから窺えるように、ブレーブスの期待は、ハーンよりもジョンソンのほうが大きいはず。ミンターの離脱は短期間で済む見込みだが、アンダーソンはしばらく戻ってくることができそうにない。

 なお、先月初旬にも、ブレーブスはリリーバーを手に入れている。タンパベイ・レイズがDFAとしたベン・ヘラーを、インターナショナル・ボーナス・プール――海外のアマチュア選手に支払う契約金の総額上限――の一部と交換に獲得した。移籍から9日後に昇格し、その翌日に3年ぶりのメジャーリーグ復帰を果たしたヘラーは、15試合で14.0イニングを投げ、奪三振率9.00と与四球率4.50、防御率2.57を記録している。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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