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スーパーウエルター級4団体統一戦が延期か?

林壮一ノンフィクションライター/ジェイ・ビー・シー(株)広報部所属
Amanda Westcott/SHOWTIME

 3月19日にゴングが鳴る予定だった154パウンドの4団体統一戦。WBA/WBC/IBF王者のジャーメル・チャーロvs.WBOチャンプのブライアン・カスターニョ戦は、昨年7月17日以来のダイレクト・リマッチとなる筈であった。

 が、カスターニョがキャンプ中のスパーリングで右上腕を痛め、延期となる見通しだ。WBOチャンプのケガの回復には、3~4週間を必要とするとの情報が飛び交っている。

 第1戦は117-111でチャーロ、114-113でカスターニョ、そして114-114と、ジャッジ3名がそれぞれの見解を述べ、決着がつかなかった。

 試合前、カスターニョのマネージャーであるセバスチャン・コントゥルシは、チャーロ兄弟を執拗に挑発し、精神的に揺さぶりをかけた。

https://news.yahoo.co.jp/byline/soichihayashisr/20210904-00256042

Amanda Westcott/SHOWTIME
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 カスターニョ陣営は、3月19日の会場であるロスアンジェルス、クリプトドットコム・アリーナの近くでキャンプを張っていた。そのコントゥルシに電話をかけ、コメントを得た。

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 「まずはしっかりカスターニョにケガを治させ、チャーロ陣営、そしてプロモーターと日程を詰めなくては。中止ではなく、あくまでも延期としたい。WBOから指名挑戦者との試合を優先すべきだとの声も挙がっているけれど、当面は交渉に集中する。我々は十分な準備をしてきたし、最後まで気を抜かずにやる。カスターニョも、周囲の人間もね。

 第1戦だって、カスターニョが勝っていたさ。2ポイントは差をつけた筈だ。我々アルゼンチン人にとって、アメリカ合衆国は"異国"だ。その洗礼を浴びたが故の結果じゃないか」

Amanda Westcott/SHOWTIME
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 「ただ、チャーロにパンチがあることは間違いない。カスターニョはディフェンス力を磨く必要がある。その点に重きを置いてトレーニングを積んできた。対策は万全だ。100%カスターニョが勝利するよ。絶対に4本のベルトを束ねてみせる」

 昨年7月の対戦は「パワーで3冠チャンプ、手数はアルゼンチン王者」といった内容だった。再戦ということで、両者は相手について十分に学習し、策を練っていることだろう。

 カスターニョの負傷が響かず、統一戦リマッチが実現されることを祈る。より良いコンディションで試合開始のゴングを聞き、4冠王者として腕が上がるのはどちらのチャンピオンだろうか?

ノンフィクションライター/ジェイ・ビー・シー(株)広報部所属

1969年生まれ。ジュニアライト級でボクシングのプロテストに合格するも、左肘のケガで挫折。週刊誌記者を経て、ノンフィクションライターに。1996年に渡米し、アメリカの公立高校で教壇に立つなど教育者としても活動。2014年、東京大学大学院情報学環教育部修了。著書に『マイノリティーの拳』『アメリカ下層教育現場』『アメリカ問題児再生教室』(全て光文社電子書籍)『神様のリング』『世の中への扉 進め! サムライブルー』、『ほめて伸ばすコーチング』(全て講談社)などがある。

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