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10番継承のディバラが好調、プラティニやデル・ピエーロ超えも期待?

中村大晃カルチョ・ライター
カリアリとの開幕戦で得点を挙げたディバラ(写真:アフロ)

新たにユヴェントスの背番号10を受け継いだパウロ・ディバラが好調だ。シーズン開幕から公式戦3試合で6ゴールと、レジェンドたちをも上回るペースで得点を積み重ねている。

昨季のチャンピオンズリーグ(CL)準々決勝ファーストレグで、バルセロナを相手に圧巻の2ゴールでさらなる飛躍を遂げたディバラ。レアル・マドリーとのCL決勝では精彩を欠き、批判も浴びた「宝石」(愛称)だが、クラブの信頼は厚い。

伝統の背番号10をディバラに託したのが、その証拠だ。ユーヴェの10番といえば、オマール・シボリやミシェル・プラティニ、ロベルト・バッジョ、アレッサンドロ・デル・ピエーロといった歴代のレジェンドたちが纏ってきたエースナンバーだ。もちろん、それだけに重みも計り知れない。

だが、ディバラはその重圧に負けない活躍を見せている。ラツィオに2-3と敗れはしたものの、スーペルコッパでは終盤の85分からPKを含む2得点をマーク。2点ビハインドから一時はタイスコアに導いた。

セリエAでもカリアリとの開幕戦で追加点を挙げ、3-0の白星発進に貢献。そして圧巻だったのは、チームが4-2と逆転勝利した26日のカリアリ戦だ。前半7分までに2点を先行される苦しい展開の中、14分に1点を返すと、前半終了間際に豪快なPKで同点弾。試合終了間際にも追加点を挙げ、自身セリエ初のハットトリックを完成させている。

28日付イタリア『コッリエレ・デッロ・スポルト』によると、ユーヴェの10番として1年目に開幕2戦で4ゴールを記録した選手はいなかったという。また『ガゼッタ・デッロ・スポルト』は、開幕から公式戦3試合で6ゴールという記録も、前述のレジェンドたちですら達成できなかった数字と伝えた。

ディバラが背番号10を受け継ぐと決まったとき、デル・ピエーロはツイッターで「真のユヴェンティーノとして10番を楽しめ。そして我々を楽しませてくれ!」とエールを送った。ここまで、ディバラはその先輩の希望を見事にかなえていると言えるだろう。

『ガゼッタ』は先日、ディバラとナポリFWロレンツォ・インシーニェを称賛し、プラティニとディエゴ・マラドーナがしのぎを削った時代と比較した。『コッリエレ』は前述の記事で「すでに歴史をつくった」と、ディバラを絶賛している。

プライベートでは夏に以前からの恋人と別れたことが伝えられた。そしてピッチでは背番号10を継承。公私ともに心機一転となった今季、ディバラのさらなる飛躍が期待される。

願わくは、1年で10番のユニフォームを脱いだ前任者と違い、プラティニやデル・ピエーロのようなレジェンドにまで上り詰めてもらいたいものだが…

カルチョ・ライター

東京都出身。2004年に渡伊、翌年からミランとインテルの本拠地サン・シーロで全試合取材。06年のカルチョーポリ・W杯優勝などを経て、08年に帰国。約10年にわたり、『GOAL』の日本での礎を築く。『ワールドサッカーダイジェスト』などに寄稿。現在は大阪在住。

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