コービー・ブライアントのように他界したボクシング界の英雄
バスケットボール界で「伝説の男」だったコービー・ブライアントが、突然、天に召されてから5日。まだ全米中が、深い哀しみに包まれている。
過去にボクシング界でもコービーと同格のレジェンドが、似たような事故で急死した。
1969年8月31日(日)。3名を乗せた小型セスナがイリノイ州シカゴから飛び立ち、アイオワ州デイモン近郊のトウモロコシ畑に墜落。機内にいた3名が即死した。
そのうちの一人が、45歳の元世界ヘビー級チャンピオン、ロッキー・マルシアーノであった。49戦全勝43KOという戦績を誇ったイタリア系アメリカンである。
この白い肌を持つ最重量級王者は、高いKO率もさることながら、"ホワイトヘビー"であることで爆発的な人気を得た。ハードパンチャーとして鳴らし、打ち合いを好むブルファイターだった。そして、誰もが憧れる全勝無敗の世界王者のままリングに別れを告げた。
事故後、セスナを操縦していたパイロットの経験が乏し過ぎたことが明らかになったが、自身の46度目のバースディ前日に他界したことも悲劇の色合いを濃くした。
2018年大晦日に日本人キックボクサーとの茶番を演じて金を稼いだフロイド・メイウェザー・ジュニアの戦績は、50戦全勝27KOとなっている。マルシアーノの記録を超えたと述べる人もいるにはいるが、元統一世界ヘビー級王者のレノックス・ルイスや、6階級を制したオスカー・デラホーヤは、「50戦目の相手は、ボクシングの素人である総合格闘家のコナー・マクレガー。マクレガーを強引にボクシングのリングに上げただけで、正式なボクシングではない。50勝とするのは無理がある」と主張する。
マルシアーノが身長178センチと最重量級としてはかなり小柄で、現在ならクルーザー級の選手であったにもかかわらず、ヘビー級王座に君臨し、パーフェクト・レコードを樹立した点も見逃せない。
Rest In Peace KOBE。
コービー・ブライアントの冥福を祈ると共に、ボクシング界「伝説の男」も不慮の事故で生命を絶たれていることを書き留めておきたかった。