Yahoo!ニュース

7連勝中のパドレスは「大逆転」でポストシーズンへ進めるのか。ワイルドカードの3位とは4ゲーム差

宇根夏樹ベースボール・ライター
左から、J.ソト、T.グリシャム、F.タティースJr. Sep 20, 2023(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 今月、サンディエゴ・パドレスは、18試合で13勝を挙げている。13日からは7連勝中だ。ワイルドカード・レースの順位は、8月末の時点と同じ7位のままながら、3位との差は8.5ゲームから4ゲームに縮まった。

 レギュラーシーズンの残り9試合にすべて勝つと――現在の連勝を16まで伸ばしてレギュラーシーズンを終えると――シーズン全体では84勝78敗となる。ここからは、セントルイス・カーディナルスサンフランシスコ・ジャイアンツシカゴ・ホワイトソックスと3試合ずつを行う。

 ポストシーズンに進むのは、地区優勝のチームとワイルドカード・レースの1位から3位までだ。ナ・リーグの東地区優勝と西地区優勝は、すでに決まっている。アトランタ・ブレーブスロサンゼルス・ドジャースだ。中地区優勝も、ほぼ確定。ミルウォーキー・ブルワーズは、地区2位のシカゴ・カブスに8ゲーム差をつけている。

 ワイルドカード・レースの1位から7位には、上から順に、84勝69敗のフィラデルフィア・フィリーズ、81勝72敗のアリゾナ・ダイヤモンドバックス、ともに79勝74敗のカブスとマイアミ・マーリンズ、79勝75敗のシンシナティ・レッズ、76勝77敗のジャイアンツ、75勝78敗のパドレスが並んでいる。この7チームのうち、レッズの残りは8試合、あとのチームは9試合ずつだ。

 パドレスは、フィリーズを上回ることができない。ここから、パドレスが9勝0敗、フィリーズは0勝9敗だと、どちらも84勝になるが、パドレスはフィリーズに2勝5敗と負け越している。

 また、パドレスは、ダイヤモンドバックスに6勝7敗、カブスには3勝4敗だ。

 一方、マーリンズには4勝2敗と勝ち越している。レッズとは3勝3敗。パドレスは同地区(西地区)の4チームに計25勝24敗(残り3試合)、レッズは同地区(中地区)の4チームに計19勝27敗(残り6試合)だ。パドレスがここから9勝0敗なら、この勝率はレッズを上回る。

 2チームが同じ白星で並んだ時のタイブレイクは、直接の対戦成績で決まる。パドレスとレッズのように、五分五分の時は、地区内の4チームとの対戦成績だ。

 パドレスが9勝0敗であれば、ジャイアンツとのタイブレイクは起きない。そこには、ジャイアンツからの3勝が含まれるので、ジャイアンツは6勝以下。シーズン全体の白星は、パドレスがジャイアンツより多くなる。

 パドレスが84勝に達した場合でも、ワイルドカードをゲットできるとは限らない。さらに、ダイヤモンドバックスがここからの9試合で2勝以下(シーズン83勝以下)、カブスが9試合で4勝以下(シーズン83勝以下)、マーリンズが9試合で5勝以下(シーズン84勝以下)、レッズが8試合で5勝以下(シーズン84勝以下)のうち、少なくとも3つが必要となる。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

宇根夏樹の最近の記事