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12年ぶりだ! 九鬼隆平がルーキー開幕先発で”初”安打&打点。ソフトバンクは逆転黒星発進

田尻耕太郎スポーツライター
初安打の記念球を手に笑顔

開幕投手の山田は6回3失点

3月17日、ウエスタン・リーグが開幕した。昨年までリーグ5連覇のソフトバンクは開業2年目を迎えた本拠地のタマスタ筑後で阪神と対戦した。

【3月17日 ウエスタン・リーグ タマスタ筑後 2648人】

阪神     000120002 5

ソフトバンク 100120000 4

<バッテリー>

【T】榎田、石崎、○山本(1勝0敗)、S柳瀬(1セーブ)――長坂

【H】山田、星野、●岡本(0勝1敗)――斐紹

<本塁打>

なし

先発した山田
先発した山田

<戦評>

ソフトバンクが逆転負け。1点リードして9回を迎えたが、3番手の岡本が陽川に同点適時打を浴び、続く大山の内野ゴロを三塁手の茶谷が弾く間に逆転走者の生還を許した(記録は三エラー)。

初回には真砂の二塁打で先制。4回裏は斐紹の犠飛で追加点を挙げ、逆転された直後の5回裏にはルーキー九鬼のタイムリー三塁打などで逆転し、球場が沸いただけに痛い1敗となった。開幕投手を務めた山田は6回3失点。8安打を浴び、課題を残した。 (了)

甲子園の星から鷹のスターを目指す! 18歳九鬼隆平

打席に立つ九鬼
打席に立つ九鬼

開幕戦のタマスタ筑後で、一番の歓声を浴びたのはソフトバンク新人の九鬼隆平だった。

9番指名打者でスタメン出場。第2打席だった。2対3と逆転を許した直後の5回裏、1アウト二塁の同点機で打席が回ってきた。

1ボールからの2球目、ストレートをしっかりとらえた。打球は右中間を深々と破り外野フェンスまで到達。九鬼は懸命に走り三塁打。同点の長打に笑顔がはじけた。

スタメンは朝、知った

「スタメンは朝のミーティングで知りました。ずっと途中からの出場だったので、はじめは驚きました」

ソフトバンクの高卒新人で二軍戦ながら開幕スタメンに名を連ねたのは‘10年の今宮健太(3月19日、阪神戦=鳴尾浜・1番遊撃)以来で、スタメンで安打を放ったとなれば‘05年の江川智晃(3月26日、中日戦=ナゴヤ・4番遊撃)以来12年ぶりの快挙だった。

打撃力には定評があった。昨年は秀岳館高校で4番を務め、甲子園では春夏ともにベスト4入り。昨夏の18歳以下侍ジャパンでも4番に座った。

右肩の状態も回復。近々マスクも

試合後は捕手陣で居残り練習(九鬼は左から2人目)
試合後は捕手陣で居残り練習(九鬼は左から2人目)

「チャンスでしっかり打てる打者というのが理想のタイプです。ただ、キャッチャーなので守りでもしっかりアピールしたい」

1月の新人合同自主トレ中から右肩不安で別メニューとなり、守備練習をあまり行えなかった。それでも最近になり状態が回復。シートノックにも入れるようになった。水上善雄二軍監督も「キャッチャーで出られる日も近いと思う」と話す。

九鬼自身もこだわりを持って取り組んでおり、目標の選手には元ヤクルトの古田敦也の名前を挙げる。

「1年目はキャッチャーをして覚えることがたくさんある。今年は多く試合に出て経験を積み、プロ野球の世界を知ることが大事。三軍での出場が多くなるかもしれないが、まずは二軍のスタメンを目指して頑張りたい」

チームは敗れ、九鬼も最終回のチャンスで凡退したことをかなり悔しがったが、有望新人が楽しみな滑り出しを見せた。

スポーツライター

1978年8月18日生まれ、熊本市出身。法政大学在学時に「スポーツ法政新聞」に所属しマスコミの世界を志す。卒業後、2年半のホークス球団誌編集者を経てフリーに。「Number web」でのコラム連載のほかデイリースポーツ新聞社特約記者も務める。2024年、46歳でホークス取材歴23年に。 また、毎年1月には数多くのプロ野球選手をはじめソフトボールの上野由岐子投手が参加する「鴻江スポーツアカデミー」合宿の運営サポートをライフワークとしている。

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